toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

映画『極道の妻(おんな)たち、情炎』に見る“閣議風景”の原点


●「シリーズ『民主主義のガバナンス』を考える(4/4)、第四章 議会制民主主義における「政党」の役割とは?」(下記URL①)の“研究用教材”になると思い、映画『極道の妻(おんな)たち、情炎』(東映作品/下記URL②、③)を鑑賞してきました。


http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050405/p1


http://www.universal-music.co.jp/polydor/artist/utakawam/gokutsuma.html


http://direct.nagase.co.jp/dvds/ItemDSTD-2442.html


●「上記のシリーズ」最終回(4/4)で、“任侠道”と“政党”(特に政権与党)の類縁性を取り上げたので、丁度タイミングのよい鑑賞の機会となりました。そして、心の奥底から両者の類縁性について納得できました。


●このシリーズの初代を演じた女優が岩下志摩、二代目・十朱幸代、三代目・三田桂子、そして四代目が高島礼子(第一作、’99年)です。今の時代は、威勢がよい任侠アクション映画でも、ウジウジとした無気力な男どもが演じるより元気な女優さんたちの方が、よほど華があって見栄えが良く映画を観た後にスカッとします。全くタイプが異なる高島礼子と杉本 彩の絡み具合も絶品でした。


●予想のとおり、極道(任侠道)の親分・子親分方の集会(ヴァチカンのコンクラーベ風?)の光景は、与党の会合の様子とソックリの雰囲気でした。それより、もっとピッタリなのは、時々テレビのニュース映像で流される“閣議風景”です。得たいが知れぬ鵺(ヌエ)のように不気味なご面相の内閣総理大臣(映画では、大親分)を中心に悪形相の実力(?)閣僚たち(同じく、それぞれ個性的なケモノ顔の子分たち)がズラーッと居並ぶ“異空間”は、極道たちの集会風景とまったくソックリです。


●愈々、「憲法改定の自民党案」がまとまり、再び活発な(A)「軍隊と国体のかかわり」についての論議が始まりそうな気配です。この問題で、いつも疑問に思うのは「絶対平和主義」と「国のあり方としての平和主義」の違いを混同している人々が多いのではないか、ということです。(ただ、toxandriaは、今、これ以上この議論を深める知識は持っておりません)


●一方、相変わらず(B)「郵政民営化問題」と(C)「ホリエモン現象」がマスコミの売り上げ(視聴率と販売部・冊数の伸び)に大いに貢献しているようです。これら(A)〜(C)に共通していると思われることがあります。それは、より肝心なメタ次元の問題を忘れている人々が多いということです。


●より肝心なこととは、日本の国のフレームそのもの(=国家のあり方、あるべき将来像)をどのような方向へ持っていくべきかという問題意識です。大方のマスコミも政治家も学者の先生方も、バカではない(失礼ながら!)ので、このことに気がついているのですが、“俺だけは負け組みになる訳にはゆかぬ”というエゴイスティックな思いや目先のカネ欲しさと保身から、彼らの本分(本来の役割と使命感)を捨てて知らぬふりをしているのです。


●結局、彼ら大方の日本のリーダーたちは、ほとんどの国民が気づかぬ(あるいは純朴である)のを良いことに「民主主義のガバナンス」(国のフレームのあり方を考えること)は脇に置いておいて、お上(政治権力者、高級官僚たち)がお墨付きを与えた「競争社会」という枠組みの中で悪賢く立ち回る者たちの「派手な紙芝居」を、とりあえずヤンヤと囃し立てているのです。


<注>(4/4)以外の「シリーズ『民主主義のガバナンス』を考える(1/4)〜(3/4)」については、下記Blog記事(★)を参照してください。

★(3/4)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050329/p1

★(2/4)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050328/p1

★(1/4)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050327/p1