toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

H.Cポルノ化した『小泉劇場』とマスコミは何を隠そうとしているのか?

今回の「小泉リフォーム詐欺劇場」なるものは“リフォーム詐欺”というよりも、“総選挙のH.C(ハードコア)・ポルノ化”です。

郵政民営化という唯一の偽局部らしきモノを強引に毒々しく脚色・擬装し、意味ありげにクローズアップしたうえで、更にそれを政治の世界とは無縁なプロのポルノ女優たち(政治権力に精神的節度(操)を売ったに過ぎない、あの彼女たちが聖なるマドンナでしょうか? マドンナが泣くんじゃないですか?)にポーズをとらせ、大衆のスケベ心を大いに焚きつけるという下品でお下劣な演出です。

プロデュース・監督・演出面を独裁的に支配し、そのうえ主演男優を自ら演じる小泉氏のイロイロな悪趣味ぶりが舞台上を跋扈しています。

政治をここまで堕落させた小泉氏の罪は限りなく重いと思っています。
マスメディアの堕落・退廃ぶりも酷いものです。

例えば、今回の総選挙でも“大衆一般に徹底的に媚びたテレビのワイドショー”とともに世論誘導に大きく貢献していると思われる“支持率調査”なるものにしても、数字の単純な嵩上げ説はともかく、その調査手法があまりにも杜撰で(この辺が特に意図的なのではないかと疑っています)呆れています。なぜ、この点について統計学者など、その筋の専門家から疑義が提示されないのか不思議です。

ところで、H.Cポルノ化した『小泉劇場』とマスコミは大政翼賛を演出して、国民の眼から何を覆い隠し、目を背けさせようとしているのでしょうか? 

可能性は次のニつです。この二つを覆い隠そうとすることは、明らかに民主主義国家における国民主権への冒涜です。本来のマスコミの使命は、このような政治権力の暴走を批判・監視することであったはずです。本来の使命と最低限度のモラルを捨て去ったマスコミの堕落は、まさに底なしです。

(その一)「政治的失政」・・・の隠蔽・擬装

・・・この4年間で約200兆円に及ぶ財政赤字の増加(明らかな公約破り!)、道路公団特殊法人改革の失敗、杜撰な内容の郵政法案のごり押し、莫大な銀行不良債権の見かけ上だけの解消(実態は公的資金の付け替えに過ぎず、銀行からの公的資金の返済が滞っており、新たな不良債権問題が台頭しつつある)など数え上げたら切がありません。その凡ゆる失政のツケを弱者だけに押し付けようと(医療・福祉サービスの切捨てと大増税政策の検討)しています。(この事例の詳細については下記Blog記事(URL★)を参照ください)

★[民主主義の危機]高すぎる日本の「民主主義のコスト」
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050315/p1

★[暴政]「貧富差拡大時代」招来の上に、国の「社会保障的義務」も放棄するのか?
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050319/p2

★[暴政]米国に追従する「規制緩和」のお粗末な?実態
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050503/p1

★[暴政]「サービス残業の合法化」に関する情報が錯綜してきたので現況をまとめました
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050505/p2

★[暴政]日本政治の冷酷な現実・・・制限されつつある「生存権
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050616/p1

★[暴政]大増税時代が始まる、増税色強まる「政府税調」報告書
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050622

★[暴政]「総選挙」(亡国の美人コンテスト?)の影に隠れる「巨額の国民負担増」、4.8兆円

http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050818/p1
★[暴政]「小泉劇場・亡国のリフォーム」の第二幕は『国民皆保険』(原則)の放棄か?
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050819/p1

(そのニ)「科学的事実又は客観的現実」・・・の無視・歪曲

・・・従来から、原子力機関関連の問題、薬事被害の問題などの事例が数え切れないほどありますが、直近の典型的事例は、フィナンシャル・タイムズのDavid Ibison記者が2005.7.25付の記事『DNA論争が協議に影を投げかける』で報じたことです。つまり、焼却された遺骨鑑定の結果の取り扱いに関する疑惑です。(迂闊にも、このことは見落としていましたが、当Blogへのコメントで教えて頂きました)
DNA論争が協議に影を投げかける。David Ibison 2005.7.25

・・・・・

  いずれの日か、過熱している北朝鮮秘密組織による日本人拉致問題の討議のために日本と北朝鮮の官僚がテーブルに着く時、議題の一つは
PCRという3文字になるであろう。

 それらはpolymerase chain reaction(ポリメラーゼ鎖反応)を意味する。この言葉はDNA検出に使われる、なじみの薄い科学過程のことであるが
いま学界から飛び出し、二国間の亀裂の核心となって、今週の六カ国核協議を待ち伏せしている。

・・・途中、省略・・・

 北朝鮮の言い逃れは一見、明白のようだが、見かけほどには単純ではない。実際、権威ある科学雑誌ネイチャーによるインタビューにおいて吉井講師はPCR鑑定は汚染されていた可能性がある、結果は断定的でないと述べたのであるが、日本では全く報道されなかった。

 吉井氏は 「骨は何でも吸収する硬いスポンジのようなものである。それを
扱った誰かの汗や油脂がそれにしみこめば、どのように処理してもそれを
除去することは不可能であろう」と語ったとされている。

 ネイチャー論文は細田博之官房長官によって直ちに誤認であると否定され、広汎な沈黙が日本のマスコミ全体を覆った。

 外務省スポークスマンは「日本の警察は結果に満足している。問題になっている講師はネイチャーの一般的質問に答えたのであり、個別の質問に答えたものではないと言っている」と述べた。
 
 ネイチャーのデイビッド シラノスキー記者は吉井氏は『隠された証人』であると述べ、日本は北朝鮮を欺瞞の権化と写し出したいのだと結論づけている。

 彼は日本は政治が科学に干渉することを許していると言った。「科学者ではなく、政治家が結果に干渉することを許すことによって一線を越えてしまった」と。

 ・・・以下、省略・・・

原文ソース:The Financial Times http://news.ft.com/cms/s/ac7bc7f4-fca7-11d9-8386-00000e2511c8.html
翻訳 野田隆三郎氏(岡山大学環境理工学部・教授)