toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

日本とドイツの選挙制度の違いを考える

●今回の総選挙で“大政翼賛的な小泉与党連立体制”が確立しましたが、その根本にある問題点は「政官・マスメディア及びアカデミズム」の怠慢であることが見えてきました。これは「怠慢」というより、勝ち組みサイドの共有利益を意識した一種のマインドコントロール効果かも知れません。我われは、このことに早く気づくべきでした。(詳細は、下記の参考資料1をご覧ください)

●今回の総選挙はイロイロな意味でがっかりです。が、考えようによっては「日本人の自画像」が認識できて良かったかもしれません。さもなければ、投票率さえ上がれば国民の良識が現れるという幻想をひたすら追い続けることになったかも知れません。僅かな誤差の範囲で大きなブレが出る「欠陥選挙システム」の上に「日本の民主主義?」が乗っていたとも知らずに・・・。

●さらに、1990年代の初め頃に小沢一郎が「この比例代表並立小選挙区制」の導入を画策したとき、“小泉氏はこの根本的な欠陥に気がついていたグループの筆頭に立ち反対運動を展開していたらしい”こと、また、結局は“今回の総選挙でも公明党選挙協力(1小選挙区あたり平均約2万票で合計すると数百万票に及ぶという試算もある)が自民党の獲得票を底上げしたらしい”ことなどを考えると、元々の「欠陥選挙システム」に加えて、『権力の魔力に取り憑かれただけの政治家』と『政党の役割を無視した政治屋仲間の裏談合』という「決定的政治倫理の崩壊」の上で、何も知らない善良な日本国民が踊らされ続けてきたのだという、実に情けなくも恐るべき「日本の民主主義の実像」が浮かび上がってきます(このような視点で見ると、今の日本の政治はギャングやマフィアあるいは暴力団が仕切るのと同じ状況だと言える)。

●ある国の民度は、一朝一夕には作れないようです。諦めずに、今後も正しい考え方を広げる地道な努力が大切だということなのでしょう。結局は、それがファシズムを抑える防波堤となるかも知れません。「J憲法&A少年」さんのBlog記事(下記★)をご覧ください。toxandoriaは、この記事には大分励まされました。

http://pdo.cocolog-nifty.com/happy/2005/09/post_c974.html

(参考資料1)

ドイツの例に学ぶべきでは?(五十嵐仁の転成仁語)
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm

カマヤンの虚業日記
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050915

酔生夢死浪人日
http://blog.goo.ne.jp/ck1956/

総選挙後、日本は『本当のことが言えない国』になったんですか?
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050919

●ドイツの比例代表小選挙区併用性は、『基本的には比例代表議席を配分する』ことに特徴(それに小選挙区優位(超過議席を認める)と比例議席配分の計算方法が小党に有利な方式を採用)があるようです。(詳細は、下記の参考資料2をご覧ください)

●1990年代に小沢一郎が仕掛けた制度が結果的に、今はその小沢が属する民主党の首を締める結果になったのは皮肉(小沢のジレンマ?)なことです。日本の政治でドイツのように健全な批判勢力を出現させるには、例えば社民党民主党及び共産党(ただ、民主党がその前に分裂する必要があると思いますが)が合併するような方法しかないと思います。いずれにしても、民意が正しく議席数の配分に反映されない今の日本の選挙制度に欠陥があるのは明らかです。この点で日本の民主主義は重篤な病を患っています。

●それから、選挙制度の詳細な仕組みの比較や解説をマスメディアが本気になって国民へ伝える努力をするべきです。恐らく、一般国民は選挙制度の実態を殆んど知らないと思います。選挙制度に限りませんが、与党の意を汲んだマスコミと官僚たち(恐らく、これに一部の御用学者たちも加担?)が、利益共有の意識の下で肝心な情報を一般国民に十分説明しなければ、マインドコントロールはいくらでも可能だと思います。

<注>マドンナ(or 厚化粧の姥桜?)落下傘候補の不当性を述べている毎日の記事(下記★)は的を得たものだと思うが、このような記事は選挙前にこそ書くべきでなかったか?(これは、常識さえあれば誰が考えても分かる程度のこと?)

★記者の目:「刺客」戦術 大当たりした首相だが…(毎日新聞 2005年9月21日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20050921k0000m070148000c.html

(参考資料2)

ドイツ連邦議会の選挙
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kaisunao/deutsch/bundestag.htm

ドイツ総選挙を見る視点
http://www.ajup-net.com/web_ajup/037/dokusho01.html

ドイツの事情(ドイツ外務省)
http://www.tatsachen-ueber-deutschland.de/2448.0.html

ドイツの選挙制度と政党システム
http://nna.asia.ne.jp/free/tokuhou/050524_ber/001_100/c003.html

ドイツの選挙と政党
http://koho.osaka-cu.ac.jp/vuniv2003/noda2003/noda2003-8.html