toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

「政権とマスコミの癒着」による世論操作の醜態が垣間見えた瞬間?

朝日新聞社内で、小泉首相靖国問題に関する緊急アンケート調査結果の分析を巡り乱闘事件が起こっていたとの情報があります。(下記URL★参照)
・・・この事件は、当ブログ記事「『大東亜戦争』前夜を想起させる小泉首相靖国神社参拝とマスメディアの対応」(http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051019)の中で書いた『本日付(2005.10.19)の新聞各紙は「今回の小泉首相靖国神社参拝に関する緊急アンケート調査」の結果を一斉に発表しています。それによると、各紙とも世論が賛否で二分しているという発表内容で一致しています。そして、例えば朝日新聞の関連記事のヘッドラインには『官邸、世論二分で安堵』という大きな活字が躍っています。何故に各新聞社は小泉官邸に対してこんな提灯記事ばかりを書かなければならないのでしょうか?・・・』の部分に関連することのようです。
朝日新聞靖国問題で社内乱闘…40代社員が暴行
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_10/t2005102121.html

●一方、細田官房長官が20日の記者会見で、「発表するかしないかは別」と述べ、政治的な決断・発表・行動に際して政府が非公表の事前の世論調査を実施しているらしいことを滲ませた、との情報があります。(下記URL▲を参照)
・・・この情報(記事)の中に『・・・やっぱりそうだったのかという思いがする。小泉人気の源泉は常に世論受けを念頭に置いてパフォーマンスを繰り返すことにある。拉致問題にしても靖国参拝にしても、そして何よりも郵政改革解散にしても、あらかじめ世論の反応を見極めた上で、それが世論の支持を得る事を確認して行われた行動であったのだ。小泉側近はそのような世論の考えを、国家権力と税金をフルに使って絶えず秘密裏に調査を繰り返してきたのだ・・・」と分析した部分があります。
▲10月21日―天木直人・メディアを創る『こっそり世論調査
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0131

●この朝日新聞社の『社内乱闘事件』で激しい論争となったことの具体的内容については一切分かりません。しかし、細田官房長官が20日の記者会見でうっかり(?)漏らした『政府による非公表の事前世論調査の実施』というコトバを抱き合わせて考えを巡らせると、何やら妖しげで、あまりにも国民を小ばかにし舐めきった姑息なマスコミを巻き込んだ世論操作の実態が窺われます。こうなると、到底、他の新聞社やNHKなどの世論調査の発表も当てに出来るものではないと思われてきます。日本の政治とマスコミの癒着は恐るべきものとなっているようです。これが“先進民主主義国家、ニッポン”の実態であるとすれば実に嘆かわしい限りです。

●タイミングよく、ジャーナリストの人権保護を目指す国際組織「国境なき記者団」が20日付で、世界の報道の自由度に関する2005年の格付けを発表しています(http://www.rsf.org/article.php3?id_article=11715)。それによると、北朝鮮が昨年に続き最下位で167位、米国が昨年の22位から44位に転落し(情報源秘匿を守ったニューヨーク・タイムズ紙記者の拘束を主要原因として挙げている)、昨年42位だった日本は37位です。日本が昨年42位から37位へ上がったとして歓迎する向きもあるようですが、こんな程度で喜んでいていいのでしょうか? 先進的な開かれた民主主義国家であることを日本政府自身が誇らしげに語るからには、せいぜいフランス(19位)、ベルギー(21位)くらいのレベルでなければ恥ずべきことだと思われます。

<追記1>
今回の小泉首相靖国神社参拝について、海外のメディアがどのように伝えているかを調べてみました。

ザッとめぼしいサイト(下記URL)をチェックしただけで大づかみの所見です。ルモンドとニューヨークタイムズ以外の欧米系メディアは醒めた態度の報道ぶり(中国、韓国および東南アジア系のリアクションの大きさは別格)のようです。

フランスとアメリカの日本への関心の持ち方は特別のようです。ただ、米・仏でも日本へ本気で関心を持っているのは都会に住む高学歴の人々、いわゆるごく一部のインテリ層に限られるはずです。

経済以外の結びつきで見ると、彼らの多くにとっての日本は未だまだ遠い極東にある“黄金の国ジパング”なのでしょう。

しかし、だからこそジョセフ・ナイハーバード大教授のような親日派アメリカ人などの助言を真剣に受け取るべきなのでしょう。(肝心の小泉首相が馬耳東風で、我わればかりが真剣に受け止めてもしょうもないことですが・・・)

下記の中で、やや批判的なキツイ表現をしていたのはTelegraphくらいです。そのほかは、小泉首相靖国参拝に対して高裁の違憲判決が出ていたこと、中国と韓国が激しく反発したことなどを論評なしで報じています。

これをシニカルに見れば、今回のカジュアルビズ・スタイルの「小泉=靖国参拝の演出」は見事に成功したと言えるかも知れません。流石に電通か何処か分かりませんが、広告業界の人々によるプロフェッショナルなプレゼンテーション指導は大したものだと思います。

これが前回までのように羽織袴スタイルであれば、もっとニュースバリューが高まったはずです。これに志村けんの“バカ殿様”風の大きなチョン髷でも付けて参拝すれば、The Samurai Prime Minister Koizumiによる靖国神社参拝の報道はもっとセンセーショナルで衝撃的な話題となって世界中を駆け巡ることでしょう。

Japan PM visits Yasukuni shrine (BBC News)英
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4348280.stm

Koizumi visits Yasukuni war shrine(CNN.com)米
http://www.cnn.com/2005/WORLD/asiapcf/10/16/shrine.koizumi/

Koizumi visits war shrine; China, S.Korea protest (Reuters)英
http://news.yahoo.com/s/nm/20051017/wl_nm/japan_shrine_koizumi_dc

Koizumi visits war shrine,China and S.Korea protest(Swiss info.)スイス、Reuters’copy
http://www.swissinfo.org/sen/swissinfo.html?
siteSect=143&sid=6166962&cKey=1129507518000

Koizumi prays at controversial shrine(ABC News)米
http://www.abc.net.au/news/newsitems/200510/s1483847.htm

Koizumi shrine visit sparks outrage(Aljazeera)カタール
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/4BA9D4FA-D86A-43B0-BDEA-
510A62090C00.htm

Japanese Court Rules Prime Minister's Visits to Yasukuni Shrine
Unconstitutional(Voice of America)米
http://www.voanews.com/english/2005-09-30-voa12.cfm

Japan's Prime Minister visits shrine(The Times)英
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-1829920,00.html

War shrine visit reignites anger at Japan By Colin Joyce in Tokyo
(Telegraph)英
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?
xml=/news/2005/10/18/wjapan18.xml

Koizumi provoque la col鑽e de P駝in et S駮ul(Liberation)仏
http://www.liberation.fr/page.php?Article=331807

Koizumi darf weiter Yasukuni-Schrein besuchen(Vadian.NET )独
http://www.nachrichten.ch/detail/217675.htm

<追記2>
『日本は近隣諸国と対話を/靖国参拝で英紙社説』(10/24、Finantial Times)
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20051024000167

・・・10月24日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に中国や韓国が反発していることを取り上げて日本が「普通の国家」として受け入れられたいならばアジア近隣諸国との対話を積極的に進めなければならないとの社説を掲載しています。

<追記3>
「米国の日刊紙『クリスチャン・サイエンス・モニター』は10/21付・東京特派員発として靖国神社戦争博物館である『遊就館ルポ』を(展示内容を詳しく紹介しながら)詳細に掲載」(from the October 21, 2005 edition )
KOIZUMI’s Visits Boot Controversial Version of History.
By Robert Marquand | Staff writer of The Christian Science Monitor
(The Christian Science Monitor)
http://search.csmonitor.com/search_content/1021/p01s04-woap.html

・・・米国の日刊紙クリスチャン・サイエンス・モニターは10月21日付・東京特派員発として、靖国神社戦争博物館である「遊就館ルポ」を(展示内容を紹介しながら)詳細に掲載しています。小泉首相靖国参拝が近隣諸国の厳しい抗議を引き起こす「主な原因」として「遊就館の展示」の存在を紹介しており、「日米開戦は強要された」とする靖国史観を取り上げています。

・・・この点が外国のメディアに強く関心を持たれたのは初めてのようです。「遊就館」の展示では敵国(連合国)を「悪」とし日本を「善」としているため、見方次第では「小泉首相靖国参拝」は対日戦勝国すべてとの問題だということになりかねないようです。

・・・この記事の最後は次のように締めくくられています。"In this version of history, Japan has done nothing wrong," says the foreign diplomat. "That is quite a burden to bear."このような波紋が世界中に広がると、これは別の意味で非常に厄介な問題となる可能性があります。

<追記4>

「米ハイド委員長、日本首相・議員の靖国参拝に『遺憾』(韓国中央日報)」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=68872&servcode=200

・・・韓国中央日報が、10/23付で「ヘンリー・ハイド米下院国際関係委員長が、小泉純一郎首相をはじめとする日本政府関係者らの靖国神社参拝に対し、強い遺憾を表明する内容の書簡を日本政府に送った」と報道しています。ハイド委員長は10月20日付で加藤良三駐米日本大使あてに送った書簡で“靖国神社東条英機ら戦犯を合祀したところ」とし、「日本政府関係者らの神社参拝を遺憾に思う」と述べています。 ハイド委員長はまた「靖国神社は太平洋戦争を起こした軍国主義性向の象徴になった」とも指摘しています。

・・・米下院では、去る7月に「太平洋戦争開戦時の東条英機首相らをA級戦争犯罪人として裁いた極東軍事裁判(東京裁判)の判決を再確認する決議案」が可決されており、先般マコーマック報道官が10/17の記者会見で「中韓の懸念の根拠を理解する」と述べています(10/18、Yomiuri-Onlineが報道)。しかし、このヘンリー・ハイド米下院国際関係(外交)委員長が加藤良三駐米日本大使あてに送った「日本首相・議員の靖国参拝に『遺憾』」との書簡について日本の報道機関は沈黙を守っています。これはナゼなのでしょうか? 目下、日本は報道管制下にあるのでしょうか? それとも、コレぞ「政権とマスコミの癒着」の証なのでしょうか?