toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

『原発革命』の著者、古川和男・博士が「フランス・パリのGIFフォーラム」で行った講演の要旨

(注)GIF=Generation IV Technology Roadmap(Nuclear Energy Systems for the Future/ 第四世代原子力システム国際フォーラム)
http://gif.inel.gov/


(関連記事)


 → 2006-07-15 [民主主義の危機]安倍式のセレブな「先制攻撃・核武装」論で霞む日本の二つの真相
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060715


●「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム」の話題が日本国内で広がり始めるとともに、日本原子力委員会等と古川和男・博士の間で一寸した議論が交わされているようです(参照。下記の各URLの記事/toxandoriaは、その内容があまりにも専門的なので正確に理解できませんが・・・)。


http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei_youbou/iken-i77.htm


http://cstp.jst.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/sakutei29/siryo1.pdf


http://www.engy-sqr.com/kaisetu/current%20topics/torium_reactor.htm


http://www.genshiryoku-subete.jp/faq/19.html


●一方、今年5月にパリで行われた「第四世代原子力システム国際フォーラム」での古川和男・博士の講演の波紋が徐々に世界へ広がりつつあるようです。やはり、フランス(原発大国/電力の8割近くも原子力に依存する、https://www.janjan.jp/living/0510/0510254289/1.php)あたりが日本より早く検討開始へ動き始めるかも知れません。


・・・以下は★(下記URL)からの転載です・・・


★「核テロとの戦いに、今こそ新しい核平和利用技術を!」2006.5.17
http://10767277.at.webry.info/200605/article_10.html


■トリウム熔融塩国際フォーラム 古川 和男(元東海大学教授)


今人類は、核問題で致命的な迷路に迷い込んだようである。


連日マスコミを賑わすイラン・北朝鮮問題がそれであり、関連して石油価格は暴騰したままで世界の経済を直撃し、有効な核テロ防止策は存在しないのみかイラン攻撃で「核兵器使用実績を得ようとしている」との報道もある。


この極度の危険事態に対し全ての対応策は不毛にみえる。


国際政治努力は必要である。


各国は政治対話を止めてはならない。


冷静な対話持続で狂気の核暴発を抑えるべく「祈り」続けるべきである。


しかし今こそ同時に、主題の「核エネルギー平和利用技術」そのものを抜本的に見直すべき時である。それは人類の平和発展に必須である。


具体的には「ウラン・プルトニウム利用」でなく「トリウム利用」によって人類社会の福祉・生活水準の向上に寄与する道をひらく事である。


トリウムを利用する原発は、原子力発電に液体核燃料を使うことにより過酷事故が原理的にありえない安全単純な原発が出来、最も厄介なプルトニウムと縁が切れる。ウラン濃縮は必要ない。


固体燃料体がないから現状の軽水炉よりはるかに単純な構想となり安く発電可能となる。


トリウムはウランの数倍存在し独占不能で安価である。単純な化学処理で燃料増殖リサイクルが可能になり、プルトニウムを含む超ウラン元素類が生産されないから、核廃棄物は大きく減らせる。


さらに、プルトニウムを含む核廃棄物の消滅処理に最適な炉型方式である。


そもそも「トリウム利用」は強い放射能を伴い核兵器向きで無いので、却って今まで世から消され、忘れ去られていたのである、30年来専門の核エネルギー教科書から抹殺されて。従って現役の核専門家達はその原理を知らず、本能的拒否反応を示すのみである。


だが例えば少し詳しい技術内容・開発構想を“「原発」革命“(文春新書、2001)で行った後には、国内でも知識人達への反響が拡がってきた。


世界的には、1983と90年にソ連クルチャトフ研、1987年に仏電力庁、1995年露核弾頭開発(技術物理)研から共同開発の提案があり、今も有効である。


1992と97年には米大統領科学技術補佐官が日米露共同開発に理解を示してくれた。かねがねインドでは故バーバ博士が支持しており、米の核最高指導者故テラー博士も最後の論説(Nucl.Tech.2005.9)で推奨してくれた。


不毛かつ危険極まりない現在の難局を打開するためには、核のみでなくエネルギー環境全般そして貧困問題をも大きく改善できるものとして、好き嫌いではなしに立場の相違を越えてこの“トリウム構想”の検討に着手することである。


具体的には例えば、


(1)上記拙著に示したように、日米露が共同で基礎開発に取り組めば、基盤技術は整っているので実に僅かの資金と期間で実用化が開始できる。20年もすれば本格利用に入れるが、着実円滑な移行策が整っており官民力を合わせ真の「社会産業」を構築する。


(2)現在の核エネルギー技術は今世紀前半に終息させ、プルトニウムのない世界を完成させる。


(3)それを基盤に、核兵器の完全廃絶が実現できる。


(4)非核武装国の唱えている理念は自然に世界の現実政策となり、不備・不公平のない国際法が支配し核テロなどに乱されぬ平和世界構築に大きく前進できるであろう。


最近の世界論調はあまりに硬直している。もっと柔軟意欲的に人類の叡智を探るべきで、その中で日本人の「品格」を大いに発揮し、日本先導の努力によってこの世界難局を救う良い機会としようではないか。