toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

世界を覆う二大リスク(原発新設&貧困拡大)へ思慮が及ばぬ日本の「貧相な市民意識」

これは、2006-07-20付、toxandoriaの日記[「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム」に関する発展的なコレポン] に対するコメント&レスを記事として再録したものです。

本質的なリスクに思慮が及ばない、安逸なその日暮らしに明け暮れるばかりの日本の「貧相な市民意識」と「無責任な政治家の意識」が浮き彫りになってきました。

(関連記事) 

→ [参考情報]「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム」に関する発展的なコレポン、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060720

→ [参考情報]『原発革命』の著者、古川和男・博士が「フランス・パリのGIFフォーラム」で行った講演の要旨、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060719

・・・・以下、本論・・・

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# renshi 『toxandoria 様

トリウムは、どうやら、エネルギー革命の救世主になりそうですね。

暗黒の現代ですが、時代が変わるときは、いろいろなポジティブなものが結びついて、爆発的に変わるような感じを持ちます。

ところで、また、TBの代わりです。よろしくお願いします。
http://ameblo.jp/renshi/entry-10014951654.html
「日本の知性の問題:連続・同一性中心主義の知識が、支配し、差異の合理性が無視される精神風土の問題」』

# とむ丸 『 トリウムは夢のような話しですね。これからのレポートを楽しみにしております。

それにしても、首相の数々のパフォーマンス。結局私は、彼は「トランス状態」にあり、彼を支持する国民もそれに引きずり込まれたのだろう、と結論しました。一国の指導者として総裁に就任したときから、もう、「あっちの世界」へいってしまい、嫌なことは一切見ずに、権力を楽しんでいるとしか見えません。その点では、どなたがいわれたのでしょうか、toxandoriaさんでしょうか、暴君ネロと大同小異。

御輿は軽くて○○がいい、とばかりに彼を選んだ自民党の利権漁りの体質に今更ながらに吐き気を覚えます。』

# toxandoria 『renshi さま、“とむ丸”さま、コメントありがとうございます。

「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム」の実現に関して、スパイラルドラゴンさまが“「要素技術と素材」が商用レベルまで高められていることが大前提”だとおっしゃることの背景の一つには、今、原発関連業界で『原子力ルネッサンス』と呼ばれている“好ましからざる傾向”があります。つまり、旧来型の原発ビジネスがますます活発化しつつあるという現実です(これは、まことに残念なことですが!)。そして、この『原子力ルネッサンス』の原動力として主に次のような要因が考えられます。

●天井が見えない原油価格の高騰傾向(米ブッシュ大統領はエネルギー対策の一環として25基の原発新設プランを発表/サンクトペテルブルグ・サミットでは米露の原子力技術協力が話し合われた)

●世界中の既設原発の耐用年数の限界が近づきつつある(原発大国であるフランスを始め欧米各国では、向こう10年位の間にその時期が集中する見通し)

BRICS諸国(ブラジル・ ロシア・ インド・中国)台頭の負の影響として、エネルギー等資源面でグローバル経済を制するための巨大M&Aの動きが活発化しつつある・・・<注>最近の世界銀行の報告によると、世界人口の約半分にあたる30億人は“1日2ドル以下という極貧の生活”に喘いでいます。その約70%はこのBRICS諸国に集中しており(残りの約半数は“1日1ドル以下の極々貧”で、それはサハラ以南のアフリカ諸国に集中)、しかも、そのBRICS諸国では貧富差二極化の拡大傾向が急速に進んでいます。

例えば、2001年にはオーストラリアと英国の鉱山会社が合併して世界最大の鉱山会社BHPビリトン社(BHP Billiton Limited、http://www.bhpbilliton.com/bb/home/home.jsp)が誕生しています。そして、このBHPビリトン社は2005年にウラン埋蔵量で世界最大とされる豪大手鉱山、WMCリソーシズ( 所有するオリンピックダム鉱山のウラン埋蔵量は世界の4割弱に相当し、日本などに輸出している)を約7,600億円で買収しました。

同じような「スーパー資源メジャー」が誕生する動きは止まるところを知らぬ勢いとなっており、最近では英国のブレア首相も原発新設を検討するような発言をしています。また、原発廃止を決議したはずのドイツの動向にも不穏な動きが芽生えつつあります。

一方、そのヨーロッパでは“EU市場原理主義的な拡大傾向”に対して市民たちが危機感を抱き始めているという、EU官僚や各国の為政者たちにとってみれば厳しい、もう一つの現実があります。フランスやオランダの拡大EU憲法案に対する国民投票での「ノーの意志表示」も、その現れと見ることも出来る訳です。このため、EUは司法・治安・保健・医療などあらゆる行政サービス分野で「各国の市民意識」をより重視する方向へ舵を切りつつあるようです。

やはり、原子力利用の問題も、このような市民意識の台頭にリンクすることが大前提になると思われます。それにしても、相も変わらぬ日本の市民意識の低さは問題です。まるで一昔前に流行った植木等の“スーダラ節”を地で行くような無責任で軽薄なパフォーマンスに明け暮れてきた小泉首相市民意識の重視などはそっちのけで、ただ狡猾なだけの与党議員連中にとって利用価値が高いだけのおセレブな首相?)が崇め奉られるようではまだまだですね。