toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

2006年、夏のフランドル(オランダ・ベルギー)旅行の印象/ブラッセル編


【画像の解説】


一枚目はベルギー王立美術館所蔵の絵画、ロベール・カンパン(Robert Campin/ca1375-1444)の『受胎告知』です。ここで扱われる主題は天上的なものであるにもかかわらず、同時代のフランドルの他の画家たちと同じく、写実主義の傾向が見られます。ただ、その写実性は現代のものと異なり、テーブルなどの家具が歪んだ遠近法で描かれています。このように「聖なる奇跡のドラマが日常生活を舞台に行われるという図像構想」はカンパンの独創であったと考えられるようになっています。描写の緻密さという点では同時代人のファン・アイク兄弟に比べるとやや荒削りですが、近年の研究では、身近な「室内の日常生活をリアルかつ微細に描く」というフランドル(ネーデルランド)派絵画の伝統はカンパンから始まったと考えられるようになっています。


二枚目はグラン・プラスの風景で、正面は「ギルド・ハウス」、左は「市庁舎」です。三枚目はグラン・プラスの北東に続くガルリ・サンチュベール(Galaries St−Hubert/ヨーロッパ最古のアーケード街の一つ)で、1846-1847にかけて建造されたものです。四枚目と五枚目は同アーケード街にある書店とチョコレート店(Corne)の店頭風景。
六枚目はグラン・プラスの「王の家」で、七枚目は「ブラッセル中央駅」の正面です。八枚目はサンカントネール宮殿(この中に王立美術館・王立歴史博物館などがある)の入り口にある「凱旋門」の風景です。


・・・・・以下、記事の開始・・・・・


今夏の「小泉首相・8/15靖国参拝」(日本国総理大臣による戦前の超国家主義思想の追認行為)以降、日本の政権与党の政治家たちは、コトの正否は二の次として、只ひたすらポスト小泉の「大衆世論が支持する勝ち馬」に乗るため完全に間違った道をゾロゾロと歩み始めたようです。この現象は紛れもなく戦前のプロセス(国家主義軍国主義の融合がリアルになり始めた1930年代)に重なります。ほぼ意図的に格差社会をつくりながら、「訳の分からぬ鬱屈した不満を持つ国民層の心を派手に煽るやり口」(=ファシズム的手法)と「暴力で言論を封じる手法」の組み合わせは民主主義国家の良識ある政治家としては禁じ手であった筈です。


一方、オランダ・ベルギー両国民が持つ、自国の「権力の牙」に対する警戒心は相当のものです。そのためにこそ両国では法整備の充実が執拗に図られてきた経緯があり、拡大EUの根本にもそのような精神が生かされています。しかし、今の日本は全くその逆であり、口先では自由主義と民主主義を標榜しながら、一方で国民を縛り上げるための法整備に血道を上げ始めています。明治維新以降の「超国家的な意志を上意下達で知らしめるべし、一般国民は従順にそれを受け入れるべし」というアナクロニズム精神からビタ一文の進歩も見られません。しかも、このような政治的危機を真正面から批判するメディアは少なくなりつつあります。しかしながら、下の東京新聞・特報記事(2006.08.25)は、冷静かつ的確に、今の日本に蔓延しつつある不穏で不気味な空気(社会的なファシズム軍国主義への偏向の空気)を抉り出しています。
東京新聞・特報/加藤元幹事長実家放火/党内忘却モード』
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060825/mng_____tokuho__000.shtml


拡大EUへの船出が前途多難な要素を抱えている(やはり少子高齢化傾向の下でEU加盟各国は医療・介護費用の抑制が求められつつあるなど)とは言いながらも、今回の旅で目にしたブラッセルにおける「EU District」建設の一定の効果が、環境政策や健全な民主主義ルールの維持というような局面で着々と現れつつあるようです。喩えれば、それはEUが一種の濾紙効果の役割を果たしつつあるということであり、“改革”の大義名分の下で一方的にアメリカ型グローバリズム市場原理主義)に飲み込まれて格差と矛盾が拡大するばかり(例えば、国民の生命を脅かすという犠牲を払ってまで狂牛病罹患の懸念が大きい米国産牛肉の輸入を解禁した)の日本の現状とはいささか異なるようです。やはり、その根本には彼我の「市民意識の質の違い」ということがあるようです。最近の事例では、次のような成果が見られます。


欧州委員会が2005年5月15日に発表した集計によると、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出規制を導入した欧州連合EU)域内で、企業による排出削減の取り組みが成果を上げ始めた。[2006.5.16付・日本経済新聞]
・・・欧州委員会が発表した排出権取引制度(ETS)に基づく企業の二酸化炭素排出実績では、欧州最大の排出国であるドイツの排出量が規制上限を大幅に下回った(-21.3%)。これは、ドイツの電力会社や大手の工場が省エネを進めたことが原因となっている。フランス(-19.3%)、チェコ(-14.5%)、フィンランド(-11.5%)、オランダ(-6.1%)、ベルギー(-4.5%)なども規制上限を下回った。逆に、この上限を突破した国はイギリス、スペイン、イタリア、アイルランドオーストリアスロベニアの6カ国となっている。結局、EU全体としては京都議定書で義務付けられた欧州の温暖化ガス削減努力が順調に進んでいることが窺われる。


◆米国産コメから遺伝子組み換えが検出され、EUが米国産コメの輸入規制へ踏み切る[2006.8.24付・日本経済新聞]
・・・同紙ブルッセル特派員発によると、欧州連合EU)の欧州委員会は、2006年8月23日に米国からのコメ(長粒種)の輸入を規制する方針を決定した。それは、米国で安全性が審査されていない遺伝子組み換えのコメが微量ながら検出されたため。欧州委員会は、検査済みのコメ以外の輸入を差し止める措置を取っており、米政府に対して管理徹底を改めて求めた。欧州委員会のキプリアヌス委員(保健・消費者保護担当)は“いかなる状況でも未審査の遺伝子組み換え食品はEUに入れない”との声明を発表している。


・・・・・閑話休題・・・・・


今回は欧州連合EU)の中心地としてのブラッセルにスポットを当てます。古くは、神聖ローマ帝国の皇帝オットー1世の文書(966)にブルオクセラ(古オランダ語で“沼の家”、つまり沼沢地に造られた城の意味)という地名が残っています。やがて、この地はブラバント公国ブルゴーニュ公国の中心地となります。そして、1515年神聖ローマ皇帝に在位(1515−1556)する前のカール5世(ハプスブルグ家)が近隣の高台に居城を築いたためネーデルラントの首都としての位置づけが強くなります。


人口約100万人の都市、ブラッセルは西ヨーロッパとベルギー(オランダから独立(1830)した直後1831年に制定された立憲君主制憲法により国民の基本的人権主権在民が規定され、議会制民主主義と三権分立の原則が確立されている/また、この時にベルギーはザクセン=コ-ブルグ=ゴータ公で英国ヴィクトリア女王の叔父にあたるレオポルト1世を迎え国王に推戴した)のほぼ中心に位置します。


ラッセルは、二つの異なる性格を抱き合わせた特殊な位置づけの都市です。その一つは、その形から「五角形」とも呼ばれることがある中心部(小環状線と呼ばれる地下鉄で囲まれた中心部の地区)であり、もう一つは連邦国家ベルギーを構成する三種類の自治体制(自治体政府)の総元締めとしてのブラッセル首都圏です。そして、後者のテリトリーの周囲は「大環状線」と呼ばれる高速道路が走っています。また、「五角形」の東方にあるシューマン広場に面して「EU Distric」が建設されつつあり、NATO北大西洋条約機構)の本部がブラッセル市郊外から北東約4kmに位置するエヴェール町に跨って立地しています。(参照/ブラッセルの地図、http://multimap.com/map/browse.cgi?client=public&X=487500&Y=6562500&width=700&height=400&gride=&gridn=&srec=0&coordsys=mercator&db=BE&addr1=&addr2=&addr3=&pc=&advanced=&local=&localinfosel=&kw=&inmap=&table=&ovtype=&keepicon=&zm=0&scale=500000&multimap.x=355&multimap.y=204


ラッセル中心部の目玉はヴィクトル・ユーゴーが“世界で最も美しい広場”と称賛したグラン・プラス(仏Grand
Place、蘭Grote Markt、独Grosser Marktplatz)です。この広場に一歩足を踏み入れると、その広場を取り囲む歴史的建造物(市庁舎、ギルド・ハウス、王の家など)が、まるでシンフォニーを奏でているかのような感動を与えてくれます。この場所は11、12世紀頃の市場(いちば)に発祥しており、17世紀頃までの間に現在見られる壮麗な建造物が取り囲むことになりました。


広場の南西部にある市庁舎( Hotel de Ville) はブラッセルを代表する建造物のひとつであり、15世紀のフランボワイヤン様式(後期フランス・ゴシック様式)の建物です。その中央の塔の高さは約96メートルあり、先端の像はブラッセルの守護聖人である大天使ミカエルです。市庁舎の向かい側にあるのは「王の家」と呼ばれている建造物ですが、ここに王が住んだことはありません。かつて、この場所にはパン市場があり、14世紀にブラバント公が建造物をつくり、更に16世紀になると神聖ローマ皇帝カール5世の命で建造物が建てられたので現在の名があるとされています。現在、この「王の家」はブラッセル市立博物館として使われています。


市庁舎に向かい左の小道を少し入った四辻に有名な「小便小僧の像」(Manneken-Pis)が立っています。この像は17世紀にJ. デュケノワによって作られたものですが、その物語の真偽はともかくも、それはブラッセル市民の迷い子になったある男の子が放尿してフランス軍を追い払ったという伝説に基づいたものです。


芸術の丘( Mont des Arts)は、ブラッセルの下町と山の手を結ぶフランス式庭園の公園で市民の憩いの場であり、この南東の丘の上からの眺望は素晴らしいものです。その南西側には王立図書館が、東側にはベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)、パレ・デ・ボザール(コンサートホール)、楽器博物館などがあります。


ベルギー王立美術館の所蔵案内によると、同美術館は歴史上の妙な巡り合わせから、仏ナポレオンの文化政策を発端として設置されました。ナポレオンの新生フランスは、1794年、最終的にオーストリアを南ネーデルラントから一掃します。ナポレオンはルーブル美術館の所蔵を増やすため、1801年にベルギー美術館設立の政令を発布しましたが、この時、ベルギーでフランスの財産に新たに加えられた宗教芸術などの宝庫の中から、数々の傑作を選出して270の作品がフランスへ送られました。


しかし、その4年後にブラッセルの美術学院院長、ギオーム・ジャック・ヨゼフ・ポシャートはフランス共和国美術作品選定委員会が棄却した1,500点の作品の中から約100点を選出して、これをブラッセルの古典美術館の所蔵とし、かつてシャルル・ドウ・ロレーヌ城のあった所に第一次古典美術館を設立して彼自身が初代館長として就任します。つまり、現在のベルギー王立美術館は、それ以来の長い歴史と伝統を持つ美術館ということであり、それは古典美術館と近代美術館という二つの部門から構成されています。そのコレクションは15世紀から20世紀までの広範囲に及び、ベルギー絵画の豊かな伝統と多様性を余すところなく伝えています。現在の収蔵点数は約20,000点にのぼり、ベルギー王国を代表する世界でも屈指の規模を誇る美術館です。


この美術館が所蔵する秀作はロベール・カンパン(ca1410-1440)『受胎告知』、ハンス・メムリンク(ca1465-1494)『聖セバスティアヌスの殉教』、ピーテル・ブリューゲル(ca1527-1569)『ベツレヘムの戸籍調査』、ジャック・ルイ・ダヴィッド(1748-1825)『マラーの死』、ジョルジュ・スーラ(1859-1891)『セーヌ川、グランド=ジャット島で』、ポール・ゴーガン(1848-1903)『緑のキリスト』、フェルナン・クノップフ(1858-1921)『愛撫』など、数え切れないほどあります。ここで列挙した名画は、同美術館のパンフレット「20の名画」から抽出したものです。なお、その貴重なコレクションから、傑作を選りすぐった油彩70点とデッサン17点(東京会場のみデッサン39点)が、下記のとおりの日程で日本で公開されます。


【東京】
 国立西洋美術館 2006年9月12日(火)〜12月10日(日)
【長崎】長崎県美術館  2007年1月6日(土)〜3月25日(日)
【大阪】国立国際美術館 2007年4月7日(土)〜6月24日(日)


グラン・プラスの北、約400メートルにある「王立モネ劇場」(La Monnaie / De Munt les Ateliers de la Monnaie)は通称「モネ劇場」と呼ばれ、300年の歴史と名声を誇るオペラ劇場(1700年、スペイン領オランダ総督の財務顧問でイタリア人のジオ・パオロ・ボンバルダがこの場所にオペラ、演劇、バレエのための会場を建造したのが始まり)です。ここは、ヨーロッパ屈指の劇場(座席数1,152)の一つに数えられていますが、それは伝統を踏まえつつEUの首都ブラッセルという地の利を活かして、あらゆる国の文化の流れを取り入れることに力を入れているからです。


例えば、異色の人材である高田賢三アントワープ・モードのドリス・バン・ノッテン、クリスチャン・ラクロアなどをオペラの衣装デザイナーとして起用してオペラ界に新風を巻き起こしています。ここでは、オペラだけでなくコンサート・ダンス・ミュージカルなども公演されており、1992年にはローザス・ダンスカンパニーを迎え入れています。また、2002年には日本人指揮者・大野和士氏を音楽監督に迎えています。なお、「モネ劇場」の名の起こりは、この劇場の創設が造幣局の跡地で行われたことにあります。つまり、お金を意味する「ラ・モネ」(la Monnaie)から、このように名づけられた訳です。


・・・以下に、[2006年、夏のフランドル(オランダ・ベルギー)旅行の印象](2006.8.23付、toxandoriaの日記)の「コメント&レス」を転載しておきます。“とむ丸”さま、“pfaelzerwein”さま(ベルギーに隣接するドイツ南西部のラインラント=プファルツ州に在住の方)、“anversoise”さま(ベルギーのアントワープに在住の方)から新しい、関連情報を頂いております。


[コメントを書く]


# とむ丸 『toxandoriaさん、素敵な夏休みを過ごされたんですね。


外の世界から戻られて今の日本の惨状を悲しまれるtoxandoriaさん提供の、「新しい視点を発見できる一種の喜びの場」を楽しみにしております。


TBが送れません。駄文ですが、また私の所もご訪問ください。リンクさせていただきますが、よろしいでしょうか。』


# toxandoria 『


●とむ丸さま、コメントありがとうございます。テロ騒ぎの直後だったので内心はハラハラ状態でしたが、今回は行った甲斐が十分にあったと満足しております。やはりフランドル地方にはイギリス、フランスなどと違う“光と空気”がありました。


●たまたま、ベルギーに隣接するドイツ南西部のラインラント=プファルツ州 (Land Rheinland-Pfalz/州都、マインツ)に居住されるpfaelzerweinさまから、“まさに少し言及されているように、欧州では神話を為政者から如何に取り返すかが課題となっています。一つのポストモダーンの現象でしょうが、これがなされる事で、従来の民族主義と近代を克服出来るのではないかと言う期待もあります”というコメント(to→「toxandoriaの日記」の別バージョン)を頂き、下のようなレス(・・・ 〜 〜 ・・・)をお返ししたところです。


・・・オランダ〜ベルギー旅行(8/12〜8/22)から帰ったばかりです。この旅の印象は一言で語れませんが、「人間性への洞察に満ちた“したたかなバランス”力」を見せ付けられたような気がしております。更に、そのヨーロッパで為政者から神話を取り返す動きがあるとは驚きです。それに比べ、我が日本の政治(貧弱な)環境を想うと暗澹たる気持ちになります。それどころか、今の日本は「権力による新たな神話の創造」という全く逆の方向へ向かい始めています。もはや過半の日本人はファシズムをすら求め始めているように想われます。・・・


●ともかくも、帰国前に凡そ見当はついていましたが、約2週間ぶりで目にした、あまりの日本の“惨状”に驚いています。一言では何とも言い難いのですが、比喩的に言えば日本という国の人格・品性、及び政治権力者&メディアの内外とのコミュニケーション能力が著しく劣化したような印象があります。


●pfaelzerweinさまのブログ(下記URL)も覗いてみて下さい。そのコメント部分にpfaelzerweinさまから頂いた“希望のコメント”が書いてあります。
http://blog.goo.ne.jp/pfaelzerwein/e/3efb59cb503b38d264978c74dad0bb19


●リンクの件は、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。撮ってきた写真は数がかなり多くなりましたので、追々、少しずつ記事と関連させながらUPしてゆくつもりです。』


# anversoise 『はじめまして。数ヶ月前より、ときどき覗かせていただいてます。アントワープに住んでいるのに、情けなくなるほどフランドルのことを知らないで、悲しいです。やはり生活に追われているせいでしょうか。


もう少し余裕ができれば大学生のころ学んだ言語学をやり直したい、と思っています。


ちょっと、EUについて、思うことですが。現実的なこととして、ベルギー王国にとっては、ものすごい経済効果、なんです。でも富の分配の部分でベルギー一般人は、ユーロクラットのためだけのEUだ、とかなり不満気味。北と南の対立もからみ、ブラッセルだけがいいとこ取りして、という北の不満もたっぷりのようです。


ちょっと気になりまして、書かせていただきました。』


# toxandoria 『anversoiseさま、コメントありがとうございます。アントワープにお住まいの方からコメントを頂き、不思議に懐かしい気がします。まだtoxandoriaの脳裏にはフランドルの空気が漂っているようです。


たしかにベルギーは国策として「EU District」を積極的に誘致したとの説明を聞いておりましたので、そのような傾向があるのでしょうね。やはり、ベルギーでもグローバリズム傾向の拡大による経済格差の問題ですね。


しかしながら、オランダとフランスのEU拡大憲法案についての“国民投票ノー”以降は、ユーロクラットたちの反省が見られる(=EU本来の理念である地域と市民利益への回帰傾向が見られる)とも聞いておりますので、次第に地域への配慮と還元が生まれるのではないでしょうか?


それにしても、今回の旅行で気がついたことは思っていた以上に物価が高いな、ということです。5〜6年前に行ったイギリス、フランスなどとの感覚的な比較なのであまり当てになりませんが、そんな印象が残りました。これもEU統合の副作用なのでしょうか? 物価安定もEUの大きな目標の一つだったと思いますが・・・。

フランドル(フランデレン)での言語事情にも興味があります。フランデレンでもフランス語はかなり使われるようになっているのでしょうか? anversoiseさまの“anversoise”(=アントワープ(英)、アントウェルペン(蘭))の表記法から連想してしまいました。

今後とも、現地のライブ情報をよろしくご教示くださいませ。』

# anversoise 『ありがとうございました。少しはユーロクラットたちも反省をしたのですね。ちょっと安心。ユーロに切り替わってから物価が上がったのは、実感です。ご近所も、隣国諸国の知人、友人みんな言ってましたから事実だと思います。これを称して、ユーロ変換を利用したカモフラージュ的実質値上げ、と一時言われていました。それから、庶民的に不満なのは、ドーヴァー海峡を越えたかの国のポンドが強すぎること。ユーロスターがどれほど値下げのプロモーションをしてくれても、最近はロンドンは遠くなりました。


北部のフランデレンでは、成人した人のほぼ90パーセントくらいの人はフランス語を理解し、フランス語も話できるのですが、使用したがりません。私はオランダ語は小学一年生くらいの能力、仏語は大学生くらい、で、苦労します。それで、普段は英語で用を済ませています。そのほうがフラマンの方たちは気持ちよく接してくれます。


それから愚問なんですが、ベルギーって、小さいのに、3っつほど政府(?)があるんですか?ワロニーとフランデレンとブラッセルと。自分で勉強すべきなのですが、トライするたびにすぐ挫折します。そのうち子供に教えてもらうようになるのかもしれませんが、何かご存知でしたら、教えてください。住まわせてもらっていて言うのも何ですが、不可解な国です。隣人たちはもうすごくいい人たちばかりですが、政治の形態が理解できないんです。情け無い質問で、すみません。』


# toxandoria 『anversoiseさま、コメントありがとうございます。


ユーロスターといえば、4年ほど前にパリからロンドンへ行くときに乗りました。たしか、ブラッセル〜ロンドンの列車もありますね。


フランデレンの殆んどの人々もフランス語ができるとは知りませんでした・・・、認識を新たにしました。オランダでもそうでしたが、ベルギーのテレビ放送にフランス語の局が多いことに不思議な感じを持っていたのですが、この疑問が解けました。しかし、日本からの旅行者としては、どこでも英語が通じるので助かりました。


ベルギーの人々はナポレオン以降になって初めて統一国家を持ったという事情から、日本のような統一国家の歴史が長い国とは異質な面があるような気がします。根本にはブラッセルのフランス語系住民の支配者意識に対するワロニー人(フランス語系住民)の反発のようなものがあったようですね。このため“中庸”と“妥協”を意識的に前に押し出す必要があったのかも知れません。


これらの人種・言語問題があるため、おっしゃるとおりベルギーの行政システムは他国では信じられないほど複雑なものとなっているようです。1993年に連邦国家としての基本が完成し、さらに1970年の憲法改正で「言語別文化共同体」と「地域共同体」の二種類の行政体が創られたはずです。それにブラッセル地域(二言語地域)が加わり三種類の行政体が絡み合う形になっているようです。これら三系統の共同体は、それぞれ独自の議会と行政府を持っており、文化・言語・地域に関する独自の法律の制定・施行が可能とされている・・・という具合に知識の上で理解できても、anversoiseさまのように実際にベルギーで生活しない限り実感は理解できにくいようですね。


既にご存知かも知れませんが、下記のHPはオランダ・ベルギー地域の新しい情報を伝えてくれるので重宝しております。ご参考まで、ご案内しておきます。


Portfolio、http://www.portfolio.nl/index.html
# anversoise 『M.toxandoria, merci infiniment pour vos info!!! Thank you. Sorry, my private PC cannot write in Japanese. About the Portfolio, it’s a very first time I see. Greatly useful!
Thanks again.↑