toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

背任列島シリーズー1

【画像の説明】


ゴヤ『自らの子どもを喰らうサテュルヌス』Goya y Lucientes(1746-1828)Saturn Devouring One of His Chidren c. 1820-23. Oil on canvas 146 x 83cm Museo del Prado 、Madrid, Spain.

・・・・・

■背任列島シリーズー1:寄生カルトに操られ“バベルの塔”を造り始めた美しい国



国語辞典、『大辞林小学館)』の説明によると、「猟奇」とは“奇怪で異常なものに強く興味をひかれ、それを探し求める病的な欲望”であり、そういう異様な精神環境を満足させるためのリアルな行動が「猟奇的犯罪」ということになります。この定義からすると、“妖しく異様で、おどろおどろしい日本住血吸虫(人体に巣食う吸血寄生虫の一種)のような『追憶のカルト』(平泉澄の恐るべきほど妄想的な精神(=皇国史観)の影響を受けたカルト思想/参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070107)に強く唆(そそ)られ、その実現のために支離滅裂な「バラバラ政策」に狂奔する(厳密に言えば、小泉→阿部政権を支えてきた“闇のパワー”に操られ、差配されつつ日本国民の生命と財産を犠牲にした支離滅裂な政策にのめり込む)「安倍政権」は、まさに「猟奇バラバラ政権」ということになるでしょう。今や我われは、「美しい国」どころか、その耽美の度が過ぎ“妖怪のようにさえ見える安倍暴政”が、耐震を擬装した「バベルの塔」の本工事に備える体力づくりのため、まず「教育改革」の美名の下に日本の子どもたちを喰らう姿を目撃することになるようです。


しかも、この安倍流の「美しい国」を擬装しつつ市場原理主義へ過剰に傾斜した「バベルの塔」は、基本的に地球環境の悪化問題を無視する「ブッシュ政権アメリカ」とともに全地球的な環境システムと経済システムのバランスを率先して突き崩す方向へ加担する恐れがあるのです。また、防衛庁防衛省に格上げされた去る1月9日に、安倍首相は記念式典の訓示で“これで、わが国は戦後レジーム(戦後体制)から漸く抜け出して、戦前と同格の普通の国家体制へ戻った”という主旨のことを話しています。これで、漸く、自衛隊の海外派兵が常態となり、愈々、次は「日本国軍の出番」を待つばかりということです。しかも、1月19日付の東京新聞(ネット・ニュース、http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007011901000201.html)によると、安倍首相は19日午前に長勢甚遠法相、谷内正太郎外務事務次官と官邸で会い「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案などについて、25日召集の通常国会で成立を図るように強く指示しています。


「日本版NSC(国家安全保障会議)」の創設(参照、http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070113ia22.htm )、「防衛省の発足で条件整備が完成した“日本国軍”の海外派兵」(1月12日、安倍首相がNATOにおける英語による演説で意思表明/参照、下記の原文★)、および“テロとの戦い”を名分とした「共謀罪」(国民を統制・恫喝する戦前の治安維持法体制に相当する/治安維持法は「万世一系の皇国の国体」と「私有財産制を否定する運動の取り締まり」を目的とした法律)の三つは、本格的な「軍事国家・日本」のために必須の三点セットと考えられているようです。おかしなことですが、昨秋の中間選挙で過半の国民から反戦・平和の批判を浴びせられたため、イラク戦争の当事国であるアメリカがイラクからの撤退に呻吟するタイミングで、安倍政権を支えるアナクロな『追憶のカルト』に引きずられた日本政府は、本格的な軍事国家を目指すことになったのです。このまま進めば“国家権力が主導し、グローバル市場での強みを最大限に引き出す”という、新たな資源ナショナリズムを梃子にした国家エゴ丸出し(頑迷なイデオロギーあるいは国家エゴをグローバル市場原理主義のオブラートで包んだ、歴史上で全く新しいタイプの軍事覇権主義国家である)ロシア・中国・インドなどのユーラシアにおける「新・国家資本主義諸国」と本格的に「軍事力」を競う時代(軍事衝突も想定せざるを得ない新たな国際競争の時代)へ突入することが懸念されます。

★・・・Just three days ago, I elevated the Japan Defense Agency to a ministry on a par with other central ministries. The new Ministry of Defense is ready to fulfill its duties and accord international peace cooperation activities high priority alongside national defense.Now, my administration is discussing the best form of international peace cooperation, including a general legal framework for participation of Japan Self-Defense Forces and civil personnel. While adhering to the principles of the Constitution, Japanese will no longer shy away from carrying out overseas activities involving the SDF, if it is for the sake of international peace and stability. It is in this spirit that Japan has engaged in SDF operations in Iraq and in the Indian Ocean.・・・(外務省HP、http://www.mofa.go.jp/region/europe/pmv0701より部分引用)


今、この「軍事国家・日本」への流れの中で注視すべきは“アメリカ・ブッシュ政権の対イラン圧力政策の動向(この陰では、相変わらずネオコン一派とキリスト教原理主義者らが蠢いている)”と“アフマディーネジャード大統領の派手な反米対決姿勢とは裏腹にイラン国内穏健派(批判勢力)の動き”に影響される可能性が出てきた「イラン問題」です。まかり間違えば、それはブッシュ政権の判断しだいですが、いよいよ出番待ちの“日本国軍”が、事実上はアメリカ軍の傭兵として中東・イラン周辺へ展開する可能性が高まります。また別の見方をすれば、既述の軍事覇権主義国家と「日本国軍」の軍事衝突が現実化する可能性も、今や地球環境問題の最大の焦点となっている地球温暖化による全地球的な水資源・食糧資源枯渇の問題(地質学的な歴史時間で蓄積されてきた氷河・氷山などの個体水資源の急速な溶解による世界的な凶作の発生)とリンクして急速に高まりつつあります。



従って、世界でトップレベルの省エネルギー技術力(参照、http://sta-atm.jst.go.jp/atomica/01060203_1.html)を持つ日本は、このように自然科学的な知見を前提とする地球環境の近未来の激変(向こう10〜50年以内に起こる可能性があり、その深刻な予兆は今後10年以内に起こるとされる)を見据える観点からすれば、多大な人命の犠牲と近代における戦争と歴史経験から漸く学び得た、かけがえなく貴重な「平和主義国家」の理念をアッサリ捨て去るべきではないのです。むしろ今やるべきことは全く逆であり、環境問題への対応分野で日本に遅れをとる欧米諸国を巻き込みつつ、日本の高度な省エネルギー技術を発展途上諸国とロシア・中国・インドなどユーラシアにおける「新・国家資本主義諸国」へ普及させるために、稀少な「平和主義国家」としての高度な国家戦略を練り上げることが重要なはずです。因みに、20世紀におけるエネルギー消費の約80%は化石資源(石炭・石油・天然ガスなど)ですが、現在の日本は、その年間全消費量の約5%を消費する立場にあります(出典:小宮山 宏著『地球持続の技術』(岩波新書、p47〜48))。