toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

地球環境を軽視し“女性機械”で子作りを企む「美しい国」の欺瞞

[地球環境]地球環境を軽視し“女性機械”で子作りを企む「美しい国」の欺瞞=露呈した「ブッシュ政権による『地球温暖化研究』への圧力」問題【続編】

【画像解説】

『水惑星、地球のイメージ』 presented by 『About:goegraphy』、http://geography.about.com/cs/worldpopulation/a/mostpopulous.htm

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これは前に述べたことですが(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070127)、安倍流の「美しい国」の実態が実は「市場原理主義へ過剰に傾斜した『バベルの塔』づくり(=米国ブッシュ政権による“狂気のニューフロンティア政策”の追っかけ)である」ことが、端無くも、柳沢・厚生労働大臣の『女性=子作りマシン説』で暴露されてしまいました。これは、柳沢大臣の失言というばかりでなく、安倍内閣の「低劣でバカげたホンネ」であると理解すべきです。本心では地球環境の悪化など大した問題ではないとする一方で日本国民を経済成長の道具・機械・マシンと見做す(特に、適齢期の女性は子作りマシンと見做される)、冷酷な「市場原理主義」による「美しい国づくり」という次第です。


しかも、その手法はアナクロファシズム的・軍国主義的なものです。従って、安倍流の「美しい国」は、地球環境の悪化問題の本質を意図的に無視する「ブッシュ政権アメリカ」とともに全地球的な環境システムと経済システムのバランスを率先して突き崩す方向へ加担する恐れがあります。また、防衛庁防衛省に格上げされた去る1月9日に、安倍首相は記念式典の訓示で“これで、わが国は戦後レジーム(戦後体制)から漸く抜け出し、戦前と同格の普通の国家体制へ戻った”という主旨のことを語り胸を張っています。ここには、紛れもなく、防衛省の下で自衛隊の海外派兵が常態となり、愈々、次は「日本国軍の出番」を待つばかりだという嬉々としたホンネが現れています。


今や、わが国ではこのような「美しい国」の美名の陰で「日本国軍の出番」のため様々な実践プログラムが用意周到に書き起こされつつあります。そして、それらの中心的位置づけとされるのが「教育改革」(アナクロでカビ臭い忠君愛国精神の押しつけ)、「日本版NSC(国家安全保障会議)」(現代版・大本営本部/参照、http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070113ia22.htm)、「共謀罪(テロ組織犯罪謀議罪)」(テロ対策を口実とした、国民を統制・恫喝する戦前の治安維持法体制に相当する弾圧法/治安維持法は「万世一系の皇国の国体」と「私有財産制を否定する運動の取り締まり」を目的とした法律)、「ゲート・キーパー法(テロ対策を口実とする密告奨励法/共謀罪と補完関係にある国民監視・弾圧法)」(参照、http://www.nben.or.jp/11_seimei/20060519.html)の四つです。そして、この「日本国軍の出番」を確実なものとするための根本的障害が“日本の平和憲法”(特に、その第9条)の存在ということになります。


このような訳で、真におかしなことですが、昨秋の中間選挙で過半の国民から反戦・平和の批判を浴びせられたため、イラク戦争の当事国であるアメリカがイラクからの撤退に呻吟するタイミングの中で、安倍政権を支えるアナクロな『追憶のカルト』に引きずられた日本政府は、本格的な軍事国家を目指すことになってしまったのです。しかし、このことについては大方の国民がシビアな自分の問題と気づいていないようです。その上、日本がこのまま進めば“国家権力が主導し、グローバル市場での強みを最大限に引き出す”という新しいタイプの資源ナショナリズムを梃子にした、しかも国家エゴ丸出しにしたロシア・中国・インドなどのユーラシアにおける「新・国家資本主義諸国」(その実態は、頑迷なイデオロギーあるいは国家エゴをグローバル市場原理主義のオブラートで包んだ、歴史上で全く新しいタイプの狡猾な軍事覇権主義国家)と本格的に「軍事力」を競うべき時代(軍事衝突も想定せざるを得ない新たに国際覇権を競う時代)へ突入することさえ懸念されます。


今、この「軍事国家・日本」への奔流の中で注視すべきは“アメリカ・ブッシュ政権の対イラン圧力政策の動向(この陰では、相変わらずネオコン一派とキリスト教原理主義者らが蠢いている)”と“アフマディーネジャード大統領の派手な反米対決姿勢とは裏腹にイラン国内穏健派(批判勢力)の動き”に影響される可能性が出てきた「イラン問題」です。まかり間違えば(それはブッシュ政権の判断しだいですが)、いよいよ出番待ちの「日本国軍」が、事実上はアメリカ軍の傭兵として中東・イラン周辺へ展開する可能性が高まります。しかし、「小泉政権→安倍政権へ引き継がれた思惑」どおりにメディアの自己規制傾向が見られるなど、右傾化・大政翼賛化(=“踊るポンポコリン化”/参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050918)しつつある日本社会の中で、大方の国民はこの異常な事態に殆んど気づいていないように思われる訳です。


別の見方をすれば、既述の軍事覇権主義国家と「日本国軍」の軍事衝突が現実化する可能性も、今や地球環境問題の最大の焦点となっている地球温暖化による全地球的な水資源・食糧資源枯渇の問題(地質学的な歴史時間で蓄積されてきた氷河・氷山などの固体水資源の急速な溶解による世界的凶作の発生)とリンクして急速に高まりつつあります。従って、本来であれば、世界でトップレベルの省エネルギー技術力(参照、http://sta-atm.jst.go.jp/atomica/01060203_1.html)を持つと“自負する”日本政府は、このように自然科学的な知見(これをブッシュ政権は頑なに無視し続けている!)を前提とする地球環境の近未来の激変(向こう10〜50年以内に起こる可能性があり、その深刻な予兆は今後10年以内に起こるとされる)を見据える観点からすれば、多大な人命の犠牲と近代における戦争と歴史経験から漸く学び得た、かけがえなく貴重な「平和主義国家・日本」の理念をアッサリ捨て去るべきではないのです。


従って、ブッシュ政権と安倍政権に共通すると見做すことができる大きな特徴は、もはや危機的段階まで深刻化している「地球環境問題」へ殆んど無関心であること、というよりも冷淡でさえあることです。例えば、ジョージ・ブッシュ大統領も安倍晋三首相も、2006年10月30日に発表されたばかりの「スターン報告」(“気候変動の経済への影響=直ちに確固たる対応策を取れば、今後50年の間に予想される地球の破局の原因、つまり気候変動の悪影響を回避する時間は残されている!/Stern Review on the Economics of Climate Change)を一顧だにしていません。流石に、このStern Reviewのお膝元である英国のブレア首相は、NHK・BS特集番組『ハイビジョン特集・フロンティア、第1回「映像詩プラネット」(スウエーデン制作、1月18日(木) 後8:00〜9:25 放映)、http://www.nhk.or.jp/ugoku/newprogram/program_bshi_08.html』によると、この報告内容に強く注目しています(スターン報告については、下記記事★を参照乞う)。

★『スターン報告の概要』http://www.hm-treasury.gov.uk/independent_reviews/stern_review_economics_climate_change/sternreview_index.cfm


<注>ブッシュ大統領環境政策について(2007.1.27付・toxandoriaの日記/『背任列島シリーズ2、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070127』より再録)


・・・CNN(ネット、http://www.cnn.co.jp/business/CNN200701230009.html)などの報ずるところによると、ブッシュ大統領は1月23日の一般教書演説で排出削減の厳格な義務化とトウモロコシなどを原料にしたエタノールの一層の消費拡大を促すことに言及するとの観測が流れていたが、実際に殆んどそのとおりの演説内容となった。一方、米大手企業10社の最高経営責任者(CEO)は1月22日に気候変動の原因となる二酸化炭素の排出削減義務化を支持し、数値目標を設定するよう求める提言を出した。ただ、大手企業サイドの要求に従ってトウモロコシなど農産物を使ったエタノール消費の拡大だけに踏み込み過ぎると、その原料作物の増産で使われる農薬及び遺伝子操作による別の環境汚染(生態系破壊)が拡大する恐れがある。

・・・因みに、日本における「全エネルギー消費の割合」をごく大雑把に見ておくと、「発電でのロス」:「生産活動での利用」:「日々の暮らしでの利用」=3:3:4の割合となっており、その中で「日々の暮らしでの利用」の約50%は「輸送(鉄道・飛行機・貨物自動車・自家用車など)」であり、残り半分が「家庭・オフィスでの利用」である。更に、「輸送(鉄道・飛行機・貨物自動車・自家用車など)」の約半分が「自家用車での利用」となっている(出典:小宮山 宏著『地球持続の技術』(岩波新書)、p49〜50)。従って、EU欧州連合)が1月24日に域内で販売する自動車メーカーに二酸化炭素の排出削減を厳しく義務付けた(出典:2007.1.23付・日本経済新聞)ことは意義があると考えられる。また、「発電でのロス」が「全エネルギー消費」の約3割を占めることなどに注目すると、エネルギー利用全体の利用効率を高めるための更なる技術開発が「地球温暖化と環境汚染」対策のための緊急の課題であることが分かる。


だから、むしろ今やるべきことは全く反対のことであり、日本政府にとっては欧米諸国を巻き込みつつ民間レベルの高度な省エネルギー技術を発展途上諸国とロシア・中国・インドなどユーラシアにおける「新・国家資本主義諸国」へ普及させるために、広島・長崎の被爆体験も踏まえたヒューマンで稀少な「平和主義国家」としての倫理的見地に立つ国家戦略を練り上げることが重要なはずです(<参考1>で後述するように、民間の環境関連技術水準の高さに比べると現在の日本政府は、二酸化炭素の排出制限にかかわる総合政策について深刻な欠陥を持つという国家戦略レベルでの矛盾を抱える)。従って、今、安倍政権の「美しい国」がやろうとしている「ブッシュ帝国の“地球環境”を無視した市場原理主義による世界制覇の野望に媚び諂(へつら)いつつ、その傭兵を量産するため適齢期の女性を「子供量産機械(マシン)」と見做す冷酷でアンチ・ヒューマンな戦略を企むのは本末転倒なことであり、それは、まさに国民を欺く異様で猟奇的な欺瞞政策だと言わざるを得ません(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070129)。


(参考1)二酸化炭素排出削減(地球温暖化関連)にかかわる「日米欧の基本スタンス」の違い

・・・朝日新聞(2007.1.31付)の特集記事などを参考として、二酸化炭素排出削減(地球温暖化関連)に関する「日米欧の基本スタンス」の違い(概要)を以下に纏めておきます。


<日本>日本政府の総合政策が機能せず“二酸化炭素排出増加”の矛盾を抱える

●既述のとおり、日本における「全エネルギー消費の割合」は“「発電でのロス」:「生産活動での利用」:「日々の暮らしでの利用」=3:3:4の割合”であるが、「日々の暮らしでの利用」の半分を占めるのが電力消費であることから、「発電でのロス」の割合の大きさも考慮すれば、先ず「電力部門」における二酸化炭素排出量の抑制が先決であることが分かる。

●その上、この「電力部門」における二酸化炭素排出量が増加する主な原因が、近年の原発事故多発による石炭火力の使用増加であることが課題となっている。バックグラウンドには「核融合型原子炉」(参照、http://www.asahi-net.or.jp/~rt6k-okn/subject.htm)、「トリウム熔融塩核エネルギー協働システム」(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060722)などに関する研究・開発遅れの問題も存在する。

●日本政府は、1998年以降、二度にわたる大綱と2005年度の目標達成計画で温暖化対策を一応策定したが二酸化炭素の排出量は減らず、逆に、2005年度は1990年度比で8.1%の増加となった。

●欧米で広がりつつある「キャップ・アンド・トレード」(企業に排出権を割り当てて『炭素市場』で取引する制度)の導入も視野に入れた大きな政策転換がないと、日本は世界から取り残される恐れがある。日本でキャップ・アンド・トレード方式の排出取引制度を導入し難いのは、石油危機いらい他国に先駆けて厳しい省エネを実施してきたため、二酸化炭素の排出削減についての限界費用が他国より著しく高くなったという事情があるが、排出削減助成金で高い価格インセンティブを与えれば導入の可能性が高まるという指摘がある。(参照/http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=614http://www.recycle-solution.jp/keizai20040215/keizai21.html

●国立環境研究所の西岡周三理事によると、日本で不足しているのは「税制なども視野に入れた、総合的な二酸化炭素排出削減を促進するための社会システム」である。その上、役所や業界の縄張り争いがこの欠点を助長している。

●同・西岡理事によれば、日本の現在の技術レベルを十分に駆使できれば、現在の日本国民の生活レベルを維持しながら二酸化炭素の排出を現在の半分以下まで落とすことが可能である。


<米国>相変わらず温暖化問題に冷淡なブッシュ政権/他方、州レベルでは積極取り組みの動きが台頭

ブッシュ大統領は1月に行われた「一般教書演説」で、ガソリン消費の大幅削減(現在の予想消費量から20%削減)とガソリンに変わるエタノールの使用割合増加の方向性を示したが、相変わらず環境政策の大幅転換については触れていない。それは、2001年に「京都議定書」から離脱し地球温暖化問題に冷淡な態度を示したスタンスの延長に過ぎない。

●一方、カリフォルニア州二酸化炭素の排出を2010年までに2000年レベルへ戻す計画、自動車の燃費規制を大幅に引き上げるプラン)、ニューヨーク・メーン州など東部7州(域内の発電所二酸化炭素排出枠を設定し、これに省エネを加えて2018年度までに排出を10%減らす)などの積極的な動きがある。エタノールなど再生可能エネルギーによる発電割合を定めた州も全米で約20州に及ぶ。

連邦議会の動きにも変化が見られる。共和党のマケイン上院議員民主党リーバーマン上院議員は、連名で排出量取引制度などを設けて2020年の排出量を1990年レベルにする法案を提出した。

シンクタンク・ピューセンター(The Pew Center on Global Climate Change、http://www.pewclimate.org/)のエリオット・デリンジャー国際戦略部長は“皮肉なことにブッシュ政権の後ろ向きの姿勢が、地球温暖化の深刻さを浮き彫りにした。政界も変わりつつあるので、この流れは次の大統領選挙で誰が勝っても変わらないだろう”と語っている。


<欧州>

EU欧州連合)は、2007年1月初旬に“温室効果ガスの排出を2020年までに、少なくとも20%削減する”という独自の目標を発表している。また、EUでは環境税の導入が進んでおり、“10年後にはEU全体で電力の21%を再生可能エネルギーで発電する”という政策も打ち出した。

地球温暖化との長い闘いの第一歩に位置づけられる「京都議定書」の約束期間(2008〜2012)の開始まで1年を切ったが、「京都議定書」目標の8%削減を達成して、さらに20%削減へ向かう道程には厳しいものがある。そのカギとなるのは、2005年から始まった「欧州排出量取引制度」(EUETS/The European Union Greenhouse Gas Emission Trading Schemehttp://www.vmi.co.jp/pdf/bv/bv13/bv13_07.pdf)である。

●「京都議定書」による削減義務を負う38カ国のうち、すでに20数カ国がEUETSに加入しており、約1万1千個所の大規模施設に二酸化炭素排出枠が設定されており、二酸化炭素の取引市場も活発化しつつある。しかし、未だ運輸や民生部門が対象にできないので、今のところEU全体の二酸化炭素排出量の4割程度しかカバーされていない。


(参考2)「IPCC気候変動に関する政府間パネル)の第四次評価報告書」が地球温暖化の原因が人為的である可能性が高いことを科学的に確認

・・・朝日新聞(2007.2.3付)の特集記事などを参考として、「IPCC気候変動に関する政府間パネル)の第四次評価報告書」の概要と、予想されるその影響を以下に纏めておきます。

・・・IPCC(世界113カ国の政府と、数百人に上る科学者らで構成)は、各国の研究者が政府の資格で参加し「地球温暖化問題」について議論を行う公式の場として、国連環境計画(UNEP)及び世界気象機関(WMO)の共催により1988年11月に設置された。地球温暖化についての科学的知見の評価、地球温暖化の環境的・社会経済的影響の評価、今後の対策のあり方の3つの課題について検討している。1990年8月に第一次評価報告書(FAR)を、1995年に温暖化の予測、影響、対策を網羅する総合的な評価を第2次評価報告書(SAR)として纏めた。2001年には第3次評価報告書(TAR)が発表されている(参照、http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=581)。


ICPP:The Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC)
・・・The Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) has been established by WMO and UNEP to assess scientific, technical and socio- economic information relevant for the understanding of climate change, its potential impacts and options for adaptation and mitigation. It is currently finalizing its Fourth Assessment Report "Climate Change 2007". The reports by the three Working Groups provide a comprehensive and up-to-date assessment of the current state of knowledge on climate change. The Synthesis Report integrates the information around six topic areas. More http://www.ipcc.ch/


IPCCの第四次評価報告書は、地球温暖化が確実に進み、人間活動による温室効果ガス排出がその要因である可能性が高いことを科学的・客観的に確認した。具体的には、21世紀末には、仮に循環型社会が実現された場合でも約1.8度、化石燃料に依存する高度成長が続いた場合は約4度という幅での気温上昇が避けられないことを確認した。

●また、21世紀末までに予想される海面の上昇については「約18−58センチ」(前回報告では「最大89センチ」)と、やや緩やかな数字を挙げているが、“たとえ二酸化炭素など温室効果ガスの濃度が安定化しても、温暖化を止めることはできない”と言明している。さらに、2005年に米南部を襲った「カトリーナ」に匹敵するような大型ハリケーンの増加の原因は「温暖化の影響である可能性の方が高い」と述べている。

●この報告書は温室効果ガスの排出量削減と、地球温暖化による気温上昇がもたらす深刻な事態への適応を強く迫っている。この報告書自体には強い拘束力がないが、今後の「京都議定書」などに関する交渉へ大きな影響を与えると予想される。

●米国(世界一の温室効果ガス排出国)が「京都議定書」から離脱したこと、及び「京都議定書」が中国(世界第二位の温室効果ガス排出国)など発展途上国温室効果ガスの削減義務を課していないことが地球温暖化問題の不備となっている。しかし、米国と同じように、これらの国々も今回の「IPCCの第四次評価報告書」の科学的な結果を全く無視することができなくなることが期待される。


<注>

これまで中国は、“温暖化は先進国が工業化に伴って温室効果ガスを排出してきたのが主原因なので、途上国より先進国の削減が先だ”と主張して、途上国へ削減義務を課すことに反対してきた。なお、2003年現在の温室効果ガス(二酸化炭素)・大規模排出量の順位は、米国→中国→EU(旧加盟国15カ国)→ロシア→日本の順である。


<注>

ユーラシアにおける「新・国家資本主義諸国」(ロシア・ インド・中国など)台頭の負の影響として、エネルギー等資源面でグローバル経済を制するため巨大M&Aの動きが活発化しつつある。


例えば、2001年にはオーストラリアと英国の鉱山会社が合併して世界最大の鉱山会社BHPビリトン社(BHP Billiton Limited、http://www.bhpbilliton.com/bb/home/home.jsp)が誕生している。そして、このBHPビリトン社は2005年にウラン埋蔵量で世界最大とされる豪大手鉱山、WMCリソーシズ( 所有するオリンピックダム鉱山のウラン埋蔵量は世界の4割弱に相当し、日本などに輸出している)を約7,600億円で買収した。


一方、最近の世界銀行の報告によると、世界人口の約半分にあたる30億人は“1日2ドル以下という極貧の生活”に喘いでいる。しかも、その約70%はこのBRICS諸国に集中しており(残りの約半数は“1日1ドル以下の極々貧”で、それはサハラ以南のアフリカ諸国に集中)、そのBRICS諸国では極端な貧富差二極化の拡大傾向が進んでいる。


また、欧州では“EU市場原理主義的な拡大傾向”に対して市民たちが危機感を抱き始めているという、EU官僚や各国の為政者たちにとってみれば厳しい現実が存在する。このため、EUは司法・治安・保健・医療などあらゆる行政サービス分野で「各国の市民意識」をより重視する方向へ舵を切りつつある。地球温暖化問題とエネルギー政策の一環としての原子力利用も、このような市民意識の台頭にリンクすることが大前提になると思われる。


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