toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

厄病神に懲りず「いかさま師・小泉の再来」を期待する日本国民


ヒエロニムス・ボッス『いかさま師』

Hieronymus Bosch(ca1460-1516)「The Conjurer」Oil on panel 53 x 65 cm Musee Municipal Saint-Germain-en-Laye


これはボッスの初期の作品で、珍しく非宗教的なテーマの絵です。いかにもワルそうで小泉劇場の主人公を想像させるような香具師(やし)の前に大勢の「カモの見物人」が集まっています。その中には単なる野次馬とともに「サクラ」が混じっています。


それとなく背後に立つ「サクラ」の男が、ターゲットの「カモ」にされた横向きで屈(かが)みこんだ老人から財布を抜き取ろうとしています。このからくりを知ってか知らずかは分かりませんが、その「カモ」の老人を下から心配そうに見上げている子供の表情が印象的です。


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時事通信社が発表した直近の世論調査(8/3-8/6実施、2千人対象の個別面接方式)によると「自・民の連立望む=27.5」%がトップ、そして「自民党総裁にふさわしい人物=小泉純一郎」という結果が出たそうです。調査方法が“個別面接方式”であることを割り引いたとしても(対象選択のランダム性確保の問題と誘導質問の可能性に疑義があり、当調査結果の有意性は低い/喩えればテレゴング、ネットアンケート調査の類と同じ)、一般国民の間では相変わらず小泉前首相・再登板への期待が大きいようです。


また、「自・民の連立望む=27.5」%がトップとなったことについて、時事通信社は“「衆参のネジレ」への心配の現われであり、これから政局が不安定化することを日本国民の多くが懸念している”と分析しています。もしそうであるなら、<莫大な税金を投入して行われた参院選>で示された“民意”とは一体何だったのでしょうか? 


まるで、これでは一切の批判は無しにして、自民党民主党による“談合政治”こそが日本の民主主義政治の最も望ましい在り方だと言わんばかりではありませんか? ともかくも、これが、安倍総理を厄介者どころか疫病神のレベルまで貶めること(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070811)で姑息に演出された「昭和の妖怪」一派(=極右勢力)による深謀遠慮でないことを願いたいものです。


ところで、小泉前首相・再登板への期待の大きさと、小泉劇場・再演へのメディアによる作為は以前から予想されていたことです(参照、下記コメント&レス)。


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(コメント o_sole_mioさま to toxandoria、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070808


o_sole_mio 『TBありがとうございました。


遅まきながら自民党内でも反安倍の動きが出てきました。小泉さんの「自民党をぶっ壊す」は実際のところ清和会と経世会の権力闘争に過ぎなかったのかもしれません。


安倍内閣の誕生によって首相・総裁が3代続いた清和会のわが世の春にもかげりが出てきたように思えます。安倍下ろしが成功したとしても、権力を維持したい清和会は「小泉再登板」という禁じ手を企てるかもしれません。』


(レス toxandoria to o_sole_mioさま)


toxandoria 『o_sole_mioさま、コメントありがとうございます。


おっしゃるとおり、小泉がブッ壊す対象は自民党そのものよりも経世会(及びその流れの小沢民主党)であったようです。


タカ(軍事国体と戦時体制志向)の方向へ先走りしすぎた安部が立ち往生するなかで、“負の統合作戦”の成功体験がある小泉の再登板もあり得ると思います。


しかも“打算的“なメディアの一部は、これを期待しているようです。また、そうなれば安部フリー票の一部は、おそらく小泉支持へ回ると思います。


が、このプロセスを経ることで、漸く「小泉劇場の呪縛」(負の統合≒B層戦略の成功体験)がブッ壊れるのかも知れませんね。


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詰まるところ、多くの日本国民は小泉一派による「いかさまの呪縛」から解放されておらず、小泉劇場のマインドコントロールに取り込まれたままの状態で今回の参院選・投票を迎えたということです。見方しだいでは、初めから小泉一派によって“バカ殿様”状態であった安部が体よく操られた可能性もあります。気の毒なことに「格差の拡大」も「中間層の没落」も、その責任は安部へ押し付けられた形となりましたが、実はその<犯人>が小泉であることは言うまでもありません。しかしながら、未だに多くの善良な日本国民は小泉一派と「いかさまに加担するメディア」によって誑かされているという訳です。


ともかくも、我われは上掲の絵『いかさま師』でボッスが描いた、心配そうにカモを見上げている子供の目を失うべきではないようです。そこで、小泉の「天才いかさま師」としての特異な特徴と看做すことができる「ナルシスト的性格」の具体的な側面を下に再録(●)しておきます(出典:http://www.oct.zaq.ne.jp/shionomiya/kokoro/peasonal/narcissist.html)。


●自分の重要性は大変大きなものであると考えている=自己中心性


●限りない成功、権力や才能といったものの空想にとらわれている=自己中心性


●自分が特別な人間であるため、地位の高い人にしか自分は理解されないと思っている=自己中心性


●過剰な賞賛を求める =自己中心性


●自分だけに特別な計らい、特権があると思っている =自己中心性


●自分自身の目的の達成の為なら、他人を利用する=非情な冷酷さ


●他人に対する共感の欠如 =非情な冷酷さ


●他人に嫉妬する=非情な冷酷さ


●尊大で傲慢な態度や行動をとる=非情な冷酷さ


なお、小泉劇場の弊害の詳細については、過去の記事ですが下記(★)を参照願います。


★2006-12-15付toxandoriaの日記/「ナルシシズム政治=小泉・安倍ヤラセ劇場」の重いツケ回しに喘ぐ日本国民、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20061215