toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

奇怪な権力魔へ変身した安倍が企む「魔女の饗宴」への誘惑


ヒエロニムス・ボッス『聖アントニウスの誘惑』

「Central panel of The Temptations of St. Anthony」 Oil on panel 119 x 131 cm Museu Nacional de Arte Antiga、Lisbon


この『聖アントニウスの誘惑』は、ボッスの最高傑作とされる『快楽の園』(参照、http://www1.megaegg.ne.jp/~summy/gallery/delight.html)とともにボッスの作品の中で最も謎が多く、かつ魅力に溢れる作品です。


画面中央でひざまづき、ほとんど廃墟と化した建物の奥にいるキリスト像(本物の愛と救済の象徴)を指差すのが聖アントニウス(St.Antonius/ca251‐356/エジプト生まれで“修道生活の父”と呼ばれる存在)ですが、それは、この絵を見る人々に慰めと勇気を与えている、というのが最も一般的な解釈です。


それはともかく、聖アントニウスの周囲には“権力まみれ、戦争まみれ、カネまみれ、ヘドまみれ”など<あらゆる強欲と悪徳・悪行の罪>でオドロオドロしい姿に変身してしまった政治権力者たちが描かれています。


(奇怪な『権力魔』へ変身しつつある安部首相)


平成19年7月29日の参院選で一般国民から「美しい国」への白紙委任状を足蹴にされた安倍総理は、まるで役立たずのバカ殿様状態か疫病神にまで身を貶めたかに見えます。しかし、<国民の多くは、それでも自分の内閣を理解してくれている>と断言して首相の座にしがみついた安部首相の姿は浅ましいほど卑しくも見える一方で、いったん狂気に接近したかに見える“暴君”に奪い取られた政治権力の恐ろしさを実感した国民も多いはずです。参院選前の日本は、ヒトラー政権が誕生する直前のワイマール憲法下のドイツに似ていたといえるかも知れません。


ところで、我われ一般国民は、過半の国民を誑かす作戦の一貫であるに過ぎない「全閣僚の8/15靖国参拝自粛」が喧伝される一方で集団的自衛権に関する政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を変更して、その行使容認を求める内容の提言を11月中を目処に安倍首相に提出する方針を固めたことに十分注視すべきです(出典:読売新聞ネットニュース、2007.8.5)。


なぜなら、この「集団的自衛権行使」の問題は、「アメリカ同時多発(2001.9.11)テロ事件」後に成立した時限立法「テロ対策特別措置法」に基づく“海上自衛隊のインド洋沖への派遣”の問題に重なるからです。そもそも、「テロ対策特別措置法」は2001年11月2日に施行されましたが、その時には未だ基本計画が決まっていなかったため、「防衛庁設置法第5条の所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」をコジツケ的根拠として、先ず海上自衛隊護衛艦2隻と補給艦1隻からなる艦隊がインド洋に派遣され、その後、なし崩し的に続々と艦隊が派遣されることになったのです。これは明らかに憲法が禁じている集団的自衛権の行使に当て嵌まる疑義があります(憲法九条の違反)。


問題は、「イラク戦争」(2003.3.20〜 継続中)で中東情勢全般と自衛隊派遣の根拠となる部分に根本的変化(特に、イラク戦争開戦理由の国際法に関する違法性の問題)が生じたにもかかわらず、唯々諾々とアメリカの要請にズルズル従ってきたことです。仮に、今回(本年11月)、二度目の「テロ対策特別措置法」の延長がどうしても必要だと主張するならば、安倍首相(イラク戦争開戦時の責任者・小泉首相の意志を全面的に引き継いだ)は、少なくともイギリスのブレア前首相の事例を持ち出すまでもなく、「イラク戦争の開戦についての米国・ブッシュ支持が誤りであった」とすれば、それは自らの退陣に直結する問題だという位の強い意志表明が必要なはずです。


どうしても「テロ対策特別措置法」の再延長が必要だと主張するのであれば、その合理的根拠を新たに国民の前で明快に示し、その上で十分な国会審議に臨むべきです。「イラク戦争の誤り」を厳しく批判され退陣したブレアを引き継いだ形のイギリスでは、前任者ブレアのニュー・レーバー政策(格差縮小へ焦点を当てた諸政策の遂行)とブラウン首相の就任直後に起きた連続テロや各地の洪水被害などへの着実な対応が評価され、与党・労働党の支持率が前月比2ポイントも上昇し42%に達したと報じられています(保守党は同1ポイント減の32%/労働党が10ポイント以上リードしたのはイラク戦争前の2002年11月いらい/出典:毎日新聞ネット・ニュ-ス、2008.8.13、)。


このような角度から見るだけでも、イギリス政府(ブレア→ブラウン)と日本政府(小泉劇場→安倍の“美しい国”)のどちらが公正でグローバルな意識に目覚めており、どちらが各国の国民のためになり、どちらがそれぞれの国益に貢献しているかは明らかなはずです。日本の問題は、その国益なるものの重みが国民一般の方向ではなく、相変わらず、特定の政治権力グループ・関連政治団体及び軍需産業権益(防衛省利権)などの方へ大きく偏っていることです。従って、各メディアは、このような観点からの評価報道にこそ力を傾注すべきであり、再び、小泉劇場の下卑た酒池肉林のステージと「魔女の饗宴」を仕掛けようとする極右勢力への媚びへつらいは止めるべきです。


そして、いったんバカ殿様状態から疫病神にまで身を貶めた安倍首相は、改憲を企んで果たせなかった祖父・岸信介元首相(=「昭和の妖怪」)の怨念を再び十分に充電しつつあり、<世論の風>の微妙な変化を読みながら、まるで生き血をタップリ補給したドラキュラ伯爵の如く、蘇生し再浮上するチャンスを窺っています。そのため、不評であった“テレビカメラ・アイ”(テレビ・カメラとのアイコンタクト?)を止めたようです。その先では、「昭和の妖怪」に繋がる日本の極右勢力が「美しい国」へレールを敷いた立役者である小泉前首相の何らかの形での復帰(=「魔女の饗宴」の復活)をすら狙っているようです(参照、下記記事★)。マア、いずれも今後の「過半の日本国民」の“好み”(総意)しだいではありますが・・・。


2007-08-12付toxandoriaの日記/厄病神に懲りず「いかさま師・小泉の再来」を期待する日本国民、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070812


(天空の闇に響く“青ざめた疫病神に取り憑き“ケッケッケーッと叫ぶ『魔女』の不気味な高笑い”)


恐るべきことですが、すでに「魔女の饗宴」(ヴァルプルギスの夜/Walpurgisnacht=5/1(五月祭)の前夜にドイツのブロッケン山(Brocken)に魔女たちが集って行われる酒池肉林の酒宴と乱痴気騒ぎ)か「サバト」(Sabbat/ユダヤ教ゆらいの魔女たちの淫らな夜宴)を予告する“青ざめた疫病神(安倍首相)に取り憑き“ケッケッケーッと叫ぶ魔女の不気味な高笑い”が聞こえています。それは臨時国会中に訪米した小池百合子防衛相の喜々とした記者会見のことです。滞在中の米国の記者会見で彼女は、ライス国務長官を引き合いに出し“私は日本のライスと呼ばれているが、私のことをマダム寿司とも呼んでね〜”とおじゃらけぶりを披露しています。また、訪米中はゲーツ国防長官、チェイニー副大統領、ライス国務長官ら要人と会談し「テロ対策特別措置法」の延長も約束してきたので〜・・・と、内閣改造後の続投に強い意欲を示しています(出典:毎日新聞ネットニュース、2008.8.11)。


他方、小泉劇場で<刺客−本命>の敵対関係の象徴的存在でもあった佐藤ゆかり衆議院議員野田聖子衆議院議員をめぐる“放火・窃盗事件”(野田聖子議員の事務所に何者かが押し入った放火・窃盗事件で、パソコン数台が盗まれ火が付けられた)が起こり、テレビのワイドショーが久しぶりで異様に盛り上がり始めています。第二次世界大戦ヒトラー戦争犯罪)の徹底的な反省に取り組んできたドイツの五月(五月祭りの時期)はとっくに過ぎていますが、我が日本では、愈々これからWalpurgisnacht(あるいはSabbat)が本格化する気配があります。


それにしても、これらの光景は、まるで、青ざめた疫病神(安倍首相)に取り憑き“ケッケッケーッ”と叫びながら、ヴァルプルギスかサバトの晩に空高く飛翔する、オドロオドロしく厚化粧した魔女たちの不気味な高笑い”です。そこら中でキンキラ&ケバケバした魔女とボッスの絵に出てくるようなヘド&クソまみれの<小悪魔>や、“ちょんまげ”を付けた似非ビリー隊長(ビリーズブート・キャンプ)らの奇怪な<権力亡者>たちが跋扈し始めており、日本の政治は、おぞましく“暑苦しい残暑の夜のヴァルプルギス(orサバト)”状態に差し掛かっているようです。


もはや、小賢しい小池百合子・大臣が創案したクールビズ程度の国民を小ばかにした小細工では“カネまみれ、ヘドまみれ、クソまみれの日本の政治環境汚染問題”は解決不能でしょう。別に言うならば、愈々、この美しい国・ニッポンは魔女たちのポルノクラシー(娼婦政治/9〜10世紀頃のローマ教会では「ローマ教皇庁の政治的立場」の暴政的性格が強まり、娼婦政治(pornocracy)と呼ばれる堕落をきわめた悪徳政治の舞台となった/詳細は下記HPを参照『レンブラントの眼、2004.6.2付・日記8/「福音」を曲解した米国プロテスタント保守派に追従する日本(2) 』を参照/下記★)の佳境に入ったと看做すべきかも知れません。


★『レンブラントの眼、2004.6.2付・日記8/「福音」を曲解した米国プロテスタント保守派に追従する日本(2) 』、http://www1.odn.ne.jp/rembrandt200306/nikki8.htm