toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

日本政府の「不都合な真実」を覆い隠す「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュース

toxandoria2007-12-20



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Karajan - Beethoven Symphony No. 9 : Part 1


Karajan - Beethoven Symphony No. 9 : Part 2



【画像1】レーゲンスブルクの風景、4月(メモワール2007)




【画像2】ベルリンの風景、4月(メモワール2007)






【画像3】ドレスデンの風景、4月(メモワール2007)




・・・これらの画像は、当記事の内容と直接の関係はありません。


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直近の報道によると福田内閣の支持率が急降下しています。例えば、毎日新聞の調査(12.15-12.16)では支持率が33%まで急降下し、海自給油活動についても「中止」50%、「再可決反対」57%となっています。原因は、政界ルートも視野に入った「防衛疑獄の闇」の拡大、福田総理の「国民を小ばかにした、あわわわ〜!発言」(年金調査にかかわる公約違反問題)、ヤラセ舛添・厚労相の不誠実発言・・・と列挙してみれば、これら全ては日本の政・財・官・学の癒着構造の闇を引き継いできた関係責任者らの身から出た錆のようなものです。


従って、たとえ「防衛疑獄の闇」の捜査拡大で“悪徳・防衛賊の首領”らが“お白州”に引き出されたとしても(→ バーターで、もう一つの政界における巨魁の巣窟と見なすべき『キャノン=鹿島建設=大分県(知事は元通産官僚)=政治家=コンサル絡みの巨額使途不明・脱税事件(日本経団連・御手洗会長が直接かかわる問題)』には、大方のメディアも引きずり込んだ大蓋が強引に被せられた気配がある!)、それでメデタシとする訳にはゆきません。このような支持率の上げ下げに一喜一憂する目先のガス抜きに踊らされている有様は、喩えてみればサブプライム・ローン問題で右往左往させられている“哀れな株式相場”のようなものです。我われは、このような時にこそ、問題の元凶(本物の巨魁)の在処へ目をジッと凝らすべきです。


ところで、ここで視点を変えると、正しい意味での「共和主義」が日本に根付かなかったことがグローバル化時代における今の日本に次々と「連続した危機的状況」をもたらしていると見なすことができます。なぜならば、フランス革命にエネルギーを与えた「J.J.ルソーの共和主義」(ラジカル・デモクラシー/正統な意味での正議論)を正しく理解している日本人は少ないと思われるからです。それどころか、我が国では未だにカビが生えたような「ウヨVSサヨ論の呪縛」の罠(ドグマ的相対論の思考回路)に嵌ったまままの人々が多いと思われます。かの小泉劇場の主(あるじ)たちが“イヤらしいまで狡猾”だったのは、このような日本社会の現実(弱点=自覚的な民主主義意識の不在)を見透かしてアノ手コノ手の“いかさま・ペテン”を仕掛けたことです(<注>下記★は、このような意味で「共和主義」を本格的に論じたものとして注目される)。


佐伯啓思松原隆一郎〔編著〕『共和主義ルネサンス/現代思想の変貌』(NTT出版


つい最近まで、崩壊したばかりの「安倍の美しい国/戦後レジームからの脱却」なる<世迷言>が多くの日本人から受け入れられていたことの深層にも、このような意味で我が国における「正当な共和主義意識の決定的不在」の問題があると思います。しかも、このような弱点を自らのビジネスチャンスと見なした<その日暮らしで無責任な過半のマスメディア>は、数多の<エセ民主主義的な世迷言の類>をばら撒きつつ一般国民を右傾化の方向へ煽りまくったのです。しかしながら、このように私利私欲に堕したマスメディアの賎しい魂胆は、“9.11N.Y.同時多発テロ事件”で縮み上がり総毛立ってしまったアンチ共和主義者(時代錯誤の極右勢力)の希望の星たる「安倍の美しい国戦後レジームからの脱却」の自滅によって襤褸を出すことになった訳です。


しかしながら、今や再び、過半のマスメディアは性懲りもなく同じ轍を踏み出そうとしているようです。それは「迎撃実験に成功した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)」(海自のイージス艦“こんごう”がハワイ沖で海上配備型の迎撃ミサイルSM3の初・発射実験に成功したこと)についてのNHKを始めとする主要マスメディアの報道姿勢のことです。“このMD実験が成功したのはアメリカ以外では日本が初めてだ!”と朗報のごとく報じた12月18日のNHKニュースは、このMD実験の成果を高く評価する一方で、過去のアメリカのMD迎撃実験で標的に細工が施されたり、迎撃しやすく偽装されたりした不明朗な実験の歴史があることには一切ふれていませんでした。何に気を使ったのか知りませんが・・・。読売、日経、朝日、時事など主要マスメディアの報道姿勢もNHKと似たり寄ったりです。


ただ、毎日の12月19日付・社説は、その柔和な印象の表題「MD実験/まだ夢のシステムではない」とは裏腹に、MD実験の問題点を厳しく、客観的に、以下(1)〜(6)のように指摘しています。また、東京、中国、信濃毎日、山陽などの地方紙も総じて、冷静に問題点を指摘しています。


(1)江渡・副防衛相は“弾道ミサイルの脅威から国民を守り、日本の安全保障が実質的に強化される”と胸を張ったが、今回の実験成功で数々の問題が解決されたと考えるのは、あまりにも早計だ。


(2)まず技術的問題がある・・・今回は好天気の条件下で行われた、あらかじめ米軍から模擬ミサイルの発射時間を知らされていた・・・このため、予期しない状況での有効性が証明されたとはいえない。


(3)次に不透明な費用面の問題がある・・・防衛省は2012年までに開発・整備費として0.8兆円〜1.0兆円を見込むが、米側との交渉しだいでは倍増する可能性がある。


(4)米国軍需産業のビジネスチャンスに利用される可能性があるので、野放図な予算の膨張には警戒が必要だ。従って、国会による財政面からの点検が必要だ。


(5)日本政府は、従来からミサイルを迎撃するのは集団的自衛権の行使にあたる可能性が高いと説明してきたが、福田首相の考えは今のところハッキリしない。(然るに、12月19日付・東京新聞によれば、石破茂防衛相が、この迎撃実験の成功についての記者会見で“わが国の迎撃システムの信頼性が大きく向上した、今後もシステム整備を鋭意進めたい”と『集団的自衛権議論置き去りの意志』を強調したと報じている。)


(6)このMD構想の切欠は北朝鮮による1998年のテポドン騒動だが、日米共同での運用は中国を含む東アジアの軍事技術開発競争を誘発する恐れがある。


また、毎日がここで指摘することよりも、もっと根本的(基本的)な疑問に下記((a)、(b))の二点があります。すなわち、いかにも科学合理的で万全・有効であるかのような謳い文句で飾られた金食い虫のミサイル防衛システム(MD/Missile Defense)には、このように基本的な疑問があるのです。大掛かりで、科学的で、恰も未来の宇宙戦争を扱ったSFのように派手なイメージのMDですが、その実像は西洋中世の『騎士による馬上槍試合トーナメント』のような、ある種の素朴なバカバカしさと滑稽さがつき纏っています。


(a)仮に北朝鮮アメリカ本土向けに長距離弾道ミサイルを発射できるとしても、その最短コースは北海道より遥か北のコースとならざるを得ず、それは日本(佐世保基地)を本拠地とするイージス艦の射程から遥か遠くなる。


(b)また、準中距離弾道ミサイル・ノドン(数時間の準備体制で発射が可能)を日本へ向けて発射した場合も、今度は、日本(佐世保基地)を本拠地とするイージス艦が、事前にどのコースを飛ぶか分からないノドンの真下に追いつくことは不可能に近い。


リスク管理についての幾つかの原則の中に「万全であることを前提とする科学知そのものへの絶えざる懐疑」と「ヒューマン・ファクター(エラー)」(=人的リスク恒常性)の問題があります。前者はエンドレスの科学探求の意義を支える根本であり、それがあるからこそ我われは人類と科学の未来へ希望が持てるのです。後者も人間が存在する限り絶対に払拭できない問題として押さえるべき、そして決して忘れてならない重要な観点です。従って、たとえ大仕掛けで大金を食らうミサイル防衛システム(MD/Missile Defense)の如き『完全・完璧・先端システム』であっても、それこそ常に疑うべき対象だということになります。我われ一般国民は、反米・反戦・反政府以前の問題として、このような意味での客観的・根本的なリスク管理の問題があることを忘れるべきではないようです。


ところで、国会における石破・防衛相の得意な答弁の一つに“武器・軍用機・艦船等の購入費用が高すぎるという議論は、それ自体がほとんど不毛です。なぜなら、どんなに高すぎる武器を買ったとしても、それによって数多の国民の生命・財産が守られるとするなら、誰もそれを高過ぎるとは言えないはずだからです。”というバカゲタ詭弁を弄するものがあります。これは、ほとんど暴力団かヤクザか、あるいは米国軍需産業が得意な「脅迫的セールス・トーク」(=説得を目的とした脅かしのプレゼンテーション)です。


こんな「脅迫的セールス・トーク」を真に受けた日本政府が前のめりになって『集団的自衛権議論置き去りの意志』を表明したり、あるいは<その日暮らしで無責任な多くのマスメディア>が、このような政府にひれ伏して提灯記事を書いたりすれば、1〜2兆円のビッグビジネス・チャンス到来とばかり歓喜するのは米国軍需産業、渦中の山田洋行の如き国防を偽装する悪徳企業、日米の軍需産業から裏金が手に入る防衛族(防衛賊?)らの悪徳政治家、および守屋・前防衛事務次官のような悪徳・たかり官僚だけです。あるいは、これぞチャンスとばかりに捲土重来を期す「安倍の美しい国」の生き残りの人々(=アンチ共和主義者、時代錯誤の極右勢力)です。そして、これこそが“日米平和`友好同盟”の美名を偽装した「不都合な真実」の実態です。


「何かに怖気づいた日本政府(福田政権)」と「その日暮らしで無責任な過半のマスメディア」は、この「日本の不都合な真実」に蓋を被せ続けることが国益だと本気で考えているのでしょうか?そして、「小泉劇場→安部の美しい国→福田あわわわ〜!政治」というヤラセ&偽装政治のプロセスを踏まされ、大きな被害を蒙ったこの段に至っても、未だに、このような日本政府(福田政権)と過半のマスメディアの反国民的なスタンスに何らの疑問も持たぬ人々が多いとするならば、それこそ「正しい意味での共和主義が日本に根付いていない」ことの証拠に他なりません。


・・・・・・・・・・以下は、[2007-12-17付toxandoriaの日記/COP13の顛末』に透ける、福田政治の“耐えられぬほど浅薄”な尻の軽さ、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071217]に対するコメント&レスを再録したものです(参考まで)。・・・・・・・・・



ivanat 2007/12/17 21:31


pppは〜って笑ってしまいました。


たしかに「尻の」って『軽さ』につけると、何なんだか、軽薄さが、余計クッキリしてしまいますね。『小弁小僧の天使』とか、「反省(せ)ザル」とか、思い浮かべちゃうので。


ナイスです! toxandoriaさん。



toxandoria 2007/12/18 17:12


ivanatさま  コメントありがとうございます。


まったくシチュエーションの 異なるシーンですが・・・、“あわわわ〜!”といいながらブッシュへ媚を売る福田式パフォーマンスが、非民主的なシナリオで「統一ロシア」の下院選挙での 勝利を導いたプーチンへ早速の祝電をかけた仏サルコジのイメージに重なりました。 →(情報源=在仏ブロガー、http: //hibinoawa.blog10.fc2.com/blog-entry-637.html)


そこでは「民主主義的な手続きがなされていないのではないか」と疑問を呈したドイツやイギリスとは大違いなので、今のヨーロッパではサルコジが浮いてしまっているようです。それに、ジワ〜っと支持率も下がりつつあるようです。


尤も、本当のジさまの福田総理とは違い、当のサルコジはお盛んなコトに“新恋人?の元スーパーモデル(カーラ・ブルーニ)とディズニーランドで楽しく遊んでいたようです。こうなると、わが福田総理の“あわわわ〜!”がボケの症状でなければいいのだが、と心配になります。



スパイラルドラゴン 2007/12/18 15:07


地球温暖化カルト教が唱えている「温暖化メカニズム」とは、「覆水盆から溢れない」という理論です。


もう少し専門的な表現をすると「大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、地表面と大気との間で温度勾配があっても熱伝導が起こらない。」という理論です。


こんな子供だましのエセ温暖化理論すらも見破れない気象学者や気象予報士は、私に言わせればサギの共犯です。   参照:http://akumanosasayaki.blog.shinobi.jp/Entry/14/



toxandoria 2007/12/18 17:18


スパイラルドラゴンさま、コメントありがとうございます。


たしかに、現在の優勢な科学知であっても、それを相対化して見る視点は確保しておくべきだと思います。


(17世紀オランダの黄金時代と関係がある、仮説・中世温暖期の問題もあるので)これから勉強させていただきます。