toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

日本政府の「不都合な真実」を覆い隠す「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュース(Appendix)

toxandoria2007-12-22



<注記>相互に補完関係となっているため、当記事は下記の二つの記事●と併せてお読み願います。


2007-12-20付toxandoriaの日記/日本政府の「不都合な真実」を覆い隠す「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュース、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071220


2007-12-19付人類猫化計画/世界の趨勢に背を向けた弾道ミサイル迎撃試験、http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-date-20071219.html


【画像0】『ベートーベン、エグモント序曲』(Beethoven Egmont Overture Bernstein Vienna Philharmonic)




【画像1】仙台フィルハーモニー管弦楽団『第九、特別演奏会 + "Egmont" Overture』(2007.12.20)



・・・悲劇『エグモント』は、ゲーテがオランダ史の現実のエピソードに基づいて書いた戯曲です。スペイン帝国の圧制を跳ね除け祖国を独立させるために立ち上がったエグモント伯は悲劇の最期を遂げますが、その崇高な使命感と労苦は無駄には終わらず、最後の場面では亡き恋人クレールヒエンの幻影とともに民衆たちが勝利を祝す歓喜に包まれます。このBeethoven "Egmont" Overture(ベートーベン、エグモント序曲/戯曲の付帯音楽)は、ベートーベンが詩聖ゲーテに捧げた作品であったようです。


・・・また、ベートーベンはシラー(ゲーテとともにドイツ古典主義の代表者)の詩『歓喜に寄す』を第四楽章の歌詞に取り入れた『Symphony No.9 in D minor、 Op.125』を作曲しています。晩年にシラーが重視した精神的自由には、ゲーテの「ヒューマニズム」と「プロテスタントの救済の精神」に通ずるものがあり、それは産業革命(科学技術発展≒頑迷固陋で殆どカルトに近いという意味での制度設計主義)の台頭と賭博化した資本主義経済の発達によって分断され孤立化した一般民衆への励ましでもあったと見なすことができます。


【画像1-2】仙台『光のページェント2007』の風景













・・・以上の「画像&コメント」は、年中行事の一つとして、自分なりに定例化させた「ベートーベン、第九」鑑賞がもたらした妄想の纏めです。


【画像2】1兆円ミサイル防衛/海自が迎撃成功の“裏”(2007.12.18「報道ステーション」の動画)、ロキさんのページ(http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-date-20071219.html)よりコピペ/
(2)は“朗報スタイル報道のNHKニュース”

(1)


(2)


・・・・・・・・・・・


◆以下の『〜〜〜〜』の部分は、[2007-06-14付toxandoriaの日記/“現実のドイツ”が見えない“美しい日本”の悲惨、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070614]から部分的に抜粋したものです。ここには、欧米(特にドイツ)と日本の「共和主義意識の差異」の問題が纏めてあります。


『 ドイツがヨーロッパのみならずアメリカに対しても良い意味で影響を与えていることがあります。それはキリスト教信仰のあり方に関する根本問題です。キリスト教の流れをごく大雑把に見るならば、12〜14世紀に堕落・退廃の極みに達したローマン・カトリック教会に対する苦情(グラヴァミナ/Gravamina)の奔流の中からマルティン・ルタープロテスタントによる救済が生まれました。無論、これによりローマン・カトリック教会でも反省と改革が行われ、その伝統である救済の精神はソフィスティケイトされています。


このプロテスタントの救済の精神はゲーテヘーゲルらによって精緻化され、更に、アンチ・ナチス時代のテオドール・ヘッカー、カール・ヤスパースらを経て「美的・人文的価値 → 真理 → 戦争犯罪への反省 → 法と正義の重視」のステップで更に洗練されます。そして、このようなキリスト教的な救済の観念は現代の欧米人の多くが(少なくとも指導層・知識層の多くは)共有しています。


このように見れば、大変な犠牲を払った上でのことではありますがドイツが欧米精神の根本に与えている“良い意味での影響”は非常に大きなものがあります。それはガルブレイスが“陽気すぎて躁状態の経済理論”だと揶揄した「市場原理主義」と「新自由主義トリクルダウン理論」(参照、「神憑る小泉劇場」と「ホリエモン」が煽ったトリクルダウン幻想、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060122)の弊害に対する一種のセーフティ・ネット的な役割を果たしています。


例えば、EU欧州連合)統合のプロセスでも、そこには第二次世界大戦後の非常に困難なドイツ経済を復興に導いた立役者ルートヴィヒ・エアハルトの「社会的市場経済」の構想が流れ込んでいます(参照/シリーズ「民主主義のガバナンス」を考える(3/4)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/)。なお、この「社会的市場経済」の柱は次のような点((1)〜(4))です。 これらによって、本当の意味での自己責任と自立性が確保される訳です。  


(1)基本的には、社会が経済システムを支配するべきだと考える。


(2)しかし、市場にかかわる活動単位(企業、人など)の経済活動の自由は保障される。


(3)ただ、国は市場における独占・寡占状態が発生せぬよう監視しなければならない。


(4)同時に、国は国民一人ひとりが自らの責任で行動して経済的に自立することを奨励し、そうなるように支援しなければならない。 』


◆[2007-12-20付toxandoriaの日記/日本政府の「不都合な真実」を覆い隠す「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュース、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071220]で取り上げた、現代日本の「共和主義意識の不在」の問題は、このような近代における民主主義意識の発展・成熟史の流れからも見ておく必要があると思います。


◆「小泉劇場→安部の美しい国→福田あわわわ〜!政治」という具合に、コレデモか、これでもかとヤラセ&偽装政治のプロセスを踏まされても、未だに政権与党も、過半のメディアも、過半の国民も、この問題点に殆ど気づいていないようです。だからこそ、いつまで経っても行く先が見えない閉塞感に囚われ堂々巡りをするばかりとなる訳です。


・・・・・以下は[2007-12-20付toxandoriaの日記/日本政府の「不都合な真実」を覆い隠す「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュース、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071220]への「コメント&レス」の再録です(toxandoriaのレスは部分的に補筆してあります)。


ロキ 2007/12/21 15:35


いつも鋭い論考を拝読させていただいています。今回の実験について、私も少し書いてみました。


「世界の趨勢に背を向けた弾道ミサイル迎撃試験」、http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-date-20071219.html



toxandoria 2007/12/21 20:03


ロキさま、コメントありがとうございます。


早速、記事を読ませて頂きましたが、ご紹介のテレビ朝日報道ステーション」の動画は早くも“no longer available”になっていました。


『日米平和友好(有効?)協会の巨魁が住む暗闇』は、よほど奥が深く悪質なんでしょうね。


実は、何度か試みたのですがトラックバックが、そちらへ送れない状態になっています。機能的に気に入り“はてな”を使っていますが、トラックバックに関するかぎり不具合なことが多いという印象が強くなっています。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


ロキ 2007/12/21 21:36


ご訪問とコメント、ありがとうございます。実は私もTBできず、コメント欄に書いた次第です。


報道ステーション」の動画、同じものを同じブログに、今度は私がアップしておきましたので、よろしくお願いします。



toxandoria 2007/12/22 07:49


ロキさま、この「報道ステーション」は、たまたま見落としていたので助かりました。


やはり、日本政府は殆ど完璧に「米国軍需産業」の思う壺に嵌り、操られていますね。そして、石破・防衛相はその「米国軍需産業」側の代弁者(ソール・エイジェント=日本支社長)を見事に演じています。 “米国から買う武器の値段が高すぎるという議論はエモーショナル(感情論)だ!”とは、余りにも一般国民を小ばかにした噴飯ものの「脅迫的セールス・トーク」(=説得を目的とした脅かし のプレゼンテーション)です。


西洋中世の『騎士による馬上槍試合トーナメント』用武具の如く、スピード不足で役に立たない「壮大な金食い虫のMDシステム(=『完全・完璧・先端システム』を偽装したオトナの玩具)」を涎(ヨダレ)を垂らしてジーっと三白眼で凝視する、軍事オタクの石破・防衛相をイメージするとゾッとします。


米国のミ サイルメーカー・レイセオンが作る1発15億円のミサイル弾が日本で数百億円(推定/日本政府は非公開としているので勝手に推計したもの)に化けるとは驚 きです。これが累積して1〜2兆円にも及ぶ国民の税金が「米国軍需産業」へ流れることになる・・・、この恐るべき現実(トリック)をどれだけの日本国民が自覚しているのでしょうか?


やはり、NHKを始め大方のメディアが「米国軍需産業」と軍事オタクの石破・防衛相の広報機関のような態度で、「海上迎撃ミサイル(SM3)成功=称賛」のニュースを流していたのは問題だと思います。


福田政権からの「放送命令」が出ていたのでしょうか?「米国軍需産業」のキックバック防衛省の“たかり悪徳官僚”のみならずメディアの一部にも流れているらしいという「悪い噂」を思い出してしまいました。


ともかくも、カナダ、ポーランドなどの一般国民に、このような<「米国軍需産業」サイドの偽装>を見抜くだけの“十分に冷静な共和主義意識に基づく批判力”が定着していることにも改めて驚かされました。


<参考・対防衛省“水増し請求”関連報道>


◆『山田洋行・宮崎被告が“毒ガス処理”で“日米平和・文化交流協会、専務理事・ 秋山氏”へ1億円提供、資金源=対防衛庁/水増し請求(情報源:2007年12月26日付・読売新聞ネットニュース)、http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071226i101.htm