toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

民主党によるアンチ・ネオコン政策の象徴、「中小企業対策」への期待

toxandoria2009-09-11



【画像1】映画『ポー川のひかり(右上の画像はSophie Marceauhttp://image.blog.livedoor.jp/yaguchi16/imgs/2/2/228757d0.jpgより・・・映画『ポー川のひかり』とは無関係)


・・・画像は公式HPより、そのHPはコチラ → http://www.po-gawa.net/story.html(日本語の予告編あり)


・・・永遠に心に残る映画『木靴の樹カンヌ国際映画祭グランプリ受賞/参照、http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=9657エルマンノ・オルミ監督作品「ポー川のひかり(原題:100本の釘、Centochiodi)が上映中。




…久しぶりの豊かな感情移入、イタリア・ボロ―ニャ近郊の美しいポー川の流れと周辺の風景、宗教も含めて官僚化したグローバリズム時代の「知識」に対するささやかなレジスタンスと人間が生きる意味を深く、愛おしく、美しく感じさせる感動の映像美。


・・・この映画の前で多言は無用だが、なぜかカトリック教会推薦付きの映画。


【画像2】Centochiodi Trailer


【画像3】仙台近郊、初秋の風景(2009.9.11、撮影)







【画像4】Luciano Pavarotti - Non Ti Scordar De Me


(米ネオコンが操った小泉・安倍・福田・麻生政権・・・その結果、危うく国民皆保険の原則を捨てかけた日本)


直近の記事「小選挙区・比例部分の定数減で「小政党抹消→ファシズム化」を深謀する民主党への警告、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090909」では、民主党マニフェスト政権公約に掲げた「衆院議員の比例代表定数80削減」の錯誤について強く批判した。しかし、民主党が掲げる政策の中にはアンチ・ネオコン政策の象徴としての「中小企業対策」への期待があることを評価しておくべきだ。


それは、「国民皆保険制度の導入プラン」について、チェンジを掲げて登場した米オバマ大統領が、いまやホワイトハウス内のネオコン派と交尾(つる)んだ関連財界(保険・製薬・医療関連業界)のロビー活動(政治資金のバラマキによる共和・民主両議員の籠絡、タウン・ミーティングにおけるイノセント大衆層の扇動)に苦しめられつつある現実が、今後の政治動向の展開次第では、日本と全く無縁な対岸の火事とは決して考えられないからだ。特に、日本国民は、アメリカにおける医療・保険事情の残酷きわまりない現実を再度直視しておく必要がある。


(関連参考情報=アメリカにおける医療・保険事情の残酷きわまりない現実)


◆米医療保険法案の早期可決を・・・オバマ大統領、異例の議会演説、http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091001000289.html


◆「米国の医療ケアがいかに父を殺したか」。あらためて考える医療の質=病院にとってのお客は患者である父ではなく、6000万円にもなる高齢者医療保険だった・・・65歳未満で高齢者保険に入れず、民間医療保険にも加入していない人が同じ状況だったら、約6000万円の支払いを科せられるhttp://mediasabor.jp/2009/09/post_688.html


◆2009-08-25toxandoriaの日記/米国における医療保険制度の現状=恐るべき惨状、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090825


ネオコン一派の日本への干渉といえば、“ジェラルド・カーティス(コロンビア大学教授)小泉純一郎”コネクションによる「民主党が掲げる日米関係チェンジにかかわる鳩山論文」へのニューヨークタイムズ電子版など、一部の米メディアを使った批判問題が注目されたが、そのような可能性が十分あり得るとしても、コトはそれほど単純ではない。


ネオコンの影響と強欲金融市場主義の一掃(チェンジ)を掲げ、それが圧倒的に国民から支持されたという形で華々しいデビューを飾ったはずのオバマ大統領であったが、実際に蓋を開けてみると、その政権中枢には国際金融マフィアとネオコンの息がかかった人物たちがシッカリ鎮座していたことは周知のとおりだ。


例えば、大統領首席補佐官にはネオコン派のシオニストユダヤ人であるラーム・エマニュエルが、財務長官には国際金融マフィアの一人であるティモシー・ガードナーが、経済顧問には同じく金融マフィアのボス格のローレンス・ヘンリー・サマーズらが就くという具合で、オバマ政権の中枢は殆どがネオコン派と国際金融マフィアが占めているというのが、残念なことではあるが現実なのだ。


日本では“腐れ自民党”が「8.30総選挙」で一般国民の意思によって木端微塵に粉砕され、戦後60年を超えて、漸く、国民目線の重視を訴える「鳩山・民主党政権」が日本のチェンジを掲げて誕生することになったのだが、その負けた「自民党の腐敗の原因」が、実は米ネオコン一派による深謀遠慮で用意周到な姦計と工作の当然の帰結であるということを自覚しておくべきだ。無論、それは、ネオコン一派も予期できなかった“腐れ自民党”の敗北という結末であったという訳だが・・・。


自民党の腐敗”は戦後の長い日米関係の歴史時間の中で十分に養分を与えられて熟成されたものであるが、特にネオコンの影響が顕著となったのはニューヨーク・タイムズに“冷めたピザ”ほどの魅力しかないと揶揄された小渕恵三・内閣(1998〜2000年/翌2001年から対日・年次改革要望書が開始)頃からのことだ。そして、“サメの脳みそ”程度の森喜郎・短命内閣(2000年)を継いだヒトラー気負いの冷血宰相・小泉純一郎・内閣(2001年4月26〜2005年9月26)以降は、ネオコンの影響が露骨になったことは周知のとおりだ。


市場原理主義に基づく郵政民営化や私利私欲のハイエナ資本主義の横行、そして労働規制の撤廃による格差拡大と労働環境の劣化、あるいは後期高齢者医療制度など人権無視で残酷な福祉・医療環境破壊の置き土産を今に残す小泉内閣の対米盲従・隷属ぶりは酷いものだったが、それにも増して国益を損なったのは、自らの能力上の欠陥を自覚せぬまま、徹底的にネオコンの狙いどおりに動き回り、戦前型の大政翼賛と軍事国体のアナクロ極右の空気を表舞台へ呼び出した勘違い宰相の安倍晋三(同内閣/ 2006年9月26日 - 2007年8月27日)である。


そして、このネオコン影響下の「“小泉〜安倍〜福田〜麻生”腐れ自民党」で郵政民営化労働市場と金融市場の規制緩和を煽りまくった竹中平蔵が、責任回避のため、いつのまにか政権の中枢から手際よく逃げ出して、慶応大教授の身分のまま年俸1億円(推定)パソナ会長に就任したことがセレブ情報の如く報じられた。小泉純一郎の“世襲国会議員四代目・進次郎の襲名披露”といい、竹中平蔵のずる賢さといい、『ネオコン買弁資本主義』を代表する植民地・日本の現地総督の観があり、小泉・竹中らの存在は、まさに下層の領民を圧制で苦しめたり、不正を働いたりした江戸時代の悪代官さながらのあくどさではないか。


<注>買弁資本主義


・・・買弁とは、中国の清朝末期〜人民共和国成立期までに活躍した、外国の商社・銀行などの仲介者となった中国人商人のこと。これが転じ、外国政府あるいは外国金融資本等に隷属して中間利益を得たり、自国と自国民の利益を抑圧する売国ビジネスが跋扈する資本主義。市場原理主義下における<格差発生否定論>など、堕落した<ご都合主義アカデミズムの詭弁/関連参照、下記★>を弄しつつ『小泉劇場』で米国型市場原理主義の旗を振り、郵政民営化を煽った竹中平蔵は、まさに現代日本の“買弁資本主義”と“奴隷労働産業”の頭目である。


(関連参照、下記▲)


竹中平蔵 人材派遣のパソナから巨額報酬(推定1億円)・・・「小泉・竹中改革」で派遣業務の規制が緩和され業績が急拡大。竹中はこのパソナから巨額の役員報酬を受け取る。まさに国家の主権者たる一般国民を小馬鹿にした行為だ!、http://mscience.jp/truth/?p=253


竹中平蔵パソナ会長就任は先般から話題になっている、例の「腐れ自民党の置き土産=国営・官僚天下り斡旋システム」をパソナが一手に引き受けたそのご褒美というもののようですね、http://osaka-style.blog.eonet.jp/default/2009/08/post-7da9.html


2ch ダイジェスト『人材派遣大手のパソナ会長に竹中平蔵氏が就任』、http://digest2chnewsplus.blog59.fc2.com/blog-entry-9019.html


そのため、「教育基本法改悪」、「テロ特措法」、「防衛庁の省への昇格」、「米軍再編成措置法」、「国家公務員法改定天下り公認)」を強行して、社会保険庁の解体と完全民営化を目指すステップとして2006年2月に「健康保険法等の一部を改正する法律案」が国会に提出され、「全国健康保険協会」を2008年10月に新設して「政府管掌健康保険」の扱いは社会保険庁(国営)から同協会(国・民中間)に移管する法律とが可決成立し、同法は2006年6月21日に公布された。


恐るべきことだが、そのままの流れが順調に続けば、現在のオバマアメリカとは全く正反対に、日本の『国民皆保険の原則』は放棄される方向へ進むはずであった。まったく世界の流れを読む能力に欠けた安倍晋三は、ひたすら権勢欲に突き動かされて些かも国民を顧みようとしなかったため、ネオコンが巧妙に仕向けた「日本会議がリードするアナクロ極右の異常な価値観」と「エゴイスティックな市場・自由原理主義的価値感」の股裂き状態に嵌り、余りの苦痛で、無責任にも政権を放り投げた。その後、福田→麻生と再び無駄な時間が浪費されたが、ここにきて漸く一般国民も呆れ果て、“腐れ自民党”を遂に見放したという訳である。


しかし、先に述べたとおり、米オバマ政権の中枢はネオコン派と国際金融マフィア派が占拠している状態なので、いつ「オバマのチェンジ」が揺り戻し始めてもおかしなことではない。それどころか、チェンジを偽装した新たな形でネオコン派による陰湿な罠が日本へ仕掛けられる可能性が高いとみておくべきだ。そして。ここで特に留意すべきは、民主党が改革のターゲットとする「政財官トライアングル」の「財」の部分、つまり米ネオコンと阿吽の呼吸で同調してきた輸出型大企業を主軸とする経団連等の財界(今まで自民党へ莫大な政治資金を供給してきた)との関わり方である。



(日本経済の基礎体力向上の可能性としての中小企業対策の重要性)


アメリカ社会における「国民皆保険の原則」をめぐる無知や誤解と混乱、そしてその不在故の悲惨を直視すると、既に、それが当然のこととして存在する日本の現状を大切に維持すべきことの意義が十分に理解できるはずだ。そして、何よりも留意すべきは、国民の多くに職場を提供するという意味で日本の経済活力の基盤となる中小企業で働く、総就業人口の約7割に相当する人々(その詳細は後述)の健康を維持し、彼らが元気で働くための安心感を提供するのが政治の最重要課題であることも理解できよう。


ともかくも、鳩山民主党は、このような小泉政権以降の“ネオコンに体よく手玉に取られてきた”方向性(日本国民の生命・財産と国益を搾り取ろうとする“買弁資本主義”と竹中平蔵に象徴される日本の“奴隷労働産業“社会化)からの軌道修正を図ることを宣言しているかに見える。従って、一見地味ではあるが、その民主党プランの中で特に高く評価できると思われるのが「中小企業対策=中小企業担当大臣の創設」である。


大雑把に日本経済における中小企業の位置づけを見るための対GDP占有率データが見つからなかったので、下記グラフ【全産業売上高に占める中小企業売上高の割合】で推計しておくと、中小企業のGDP寄与率は日本経済全体の約45%程度と見ることができる。しかし、全企業数に占める中小企業の割合は99%以上で、同じく従業員の割合は約70%なので、日本における大企業と中小企業の生産性の格差の大きさが歴然としている。


中小企業の定義は国によって異なるため、あまり意味のあることとは言えないが、一応の比較として先進国の事例を挙げると、フランスの中小企業のGDP寄与率は53.2%、同じくドイツは57.9%となっているので、やはり日本の中小企業のGDP寄与率は低いと言わざるを得ないだろう(関連参照、下記▲)


▲フランスの中小企業金融、http://www.k.jfc.go.jp/pfcj/pdf/kihou2005_08a.pdf


▲ドイツにおける中小企業政策、http://www.eco.nihon-u.ac.jp/assets/files/32hirasawa.pdf


また、各経済指標の圧倒的部分を占める中小企業が我が国の経済全体で占める位置づけは下の各【グラフ】のとおりであるので、この民主党の中小企業対策が軌道に乗れば、GDPが伸びる可能性が高まるだけでなく、ネオコンに煽られた「小泉・竹中改革」によって底が抜けてしまったような状態にある、わが国の雇用・就業環境と産業構造全体に画期的な改革効果が現れる可能性がある(グラフの出典:日本経済教育センター、http://www.keikyo-center.or.jp/tool/graph.html#


ついでながら、20世紀前半のワイマール共和国〜ナチスドイツ時代の「ドイツ合理化運動」の歴史的性格の研究から、その特徴となる点を抽出してみると以下のとおり興味深いことが見えてくる(出典:書 評/山崎敏夫著『ヴァイマル期ドイツ合理化運動の展開』、http://www.ritsbagakkai.jp/pdf/411_08.pdf


a インフレ期に隠蔽された過剰資本の整理が不徹底で過剰生産能力問題が発生した/国内市場の未成熟と輸出困難のジレンマ⇔中小企業の未成熟が連動し悪循環となる


b 大企業に傾斜した重工業が大きな比重を占めた/産業連関的な狭隘さが合理化運動の限界を規定した⇔同じく中小企業の未成熟が連動し悪循環となる


c 国家支援下のドイツ経済性本部の宣伝活動が労働者と労働組合を巻き込んで建前上の「労使協調路線」が推進された(事実上の政官財トライアングルの存在が後押しした)


d しかし、その実情は「資本側に降りかかる一切の負担を労働側に転嫁」することであった


このような20世紀前半の「ドイツ合理化運動」の実像は、奇しくも現代日本における「労使の馴れ合いによる御用組合」、「政官財トライアングル」および「ネオコン市場原理主義(国際金融マフィア)が結託した米国の市場原理主義型資本主義」の特徴に重なって見える。そして、何よりも特徴的なことは、“一切の負担を労働者側に転嫁してあたりまえとする”こと、言い換えれば“一切の負担を一般国民側に転嫁してあたりまえとする”ということである。


つまり、これはグローバリズム時代を積極的に資本主義の発達に活かそうとする考え方と根本的に矛盾している。例えば、日本国内に限ってみると、従業員数で国全体の7割を占める中小企業が、対GDP寄与率45%に留まらざるを得ないところで、更に大企業に傾斜的メリットをもたらす大幅な法人税減税を経団連が求めていることは、「ドイツ合理化運動」が資本側に降りかかる一切の負担を労働側に転嫁していたことと相似している。


しかも、このような法人税減税は必然的に将来において大幅な消費税増税による国庫のバランスを求めることになるので、後述するトヨタ等輸出型大企業の「消費税の輸出戻し税」にかかわる余りにも理不尽な実状(=消費税増税になるにつれ輸出型大企業の利益増が見込めるというメカニズム)を放置することは、反社会的行為レベルの問題ではないか。このように差別的弱者層を意図的に創り、明らかに不利益な立場を押しつけるネオコン的資本主義の本性はナチズムの“武力による経済拡大・発展戦略”と何ら変わるところはないのである。


【画像/グラフ】中小企業が我が国の経済全体で占める位置づけ、ほか】







ところで、民主党の「“買弁資本主義”による被害者の立場にある中小企業支援の具体策」の柱は以下(1)〜(2)の二つになる。


(1)中小企業いじめ防止法の制定・・・ほとんど絶対的優位に立つ大企業による中小企業いじめをなくすことが目的。中小企業いじめの酷い事例に次のようなものがある。



●優越した地位を盾に取った製品引き渡し後の強引な値引き要求週刊朝日、2009.9.18号)


●先ず優越した立場で圧力をかけ「製品+設計図」を納入させ下請企業から只で「設計図」をパクり、その設計図で人件費が割安な中国での生産を開始する(同上)



トヨタ等輸出型大企業による「対下請け消費税相当額の値引要求」・・・その結果、これら輸出型の大企業は「仕入れ代にかかわる消費税負担を現実的に逃れることができる」とともに「下請けが負担して納めた消費税部分の還付(ほぼ消費税の輸出戻し税の形で)を受け取ることが可能」となり、多額の利益を貪るパターンとなっており、これが「構造的大格差」固定の一因となっている(この詳細は下記◆を参照乞う)。


◆2005-10-05toxandoriaの日記/トヨタ等輸出型大企業の「消費税の輸出戻し税」についての厳密な考え方(映画「蝉しぐれ」に見る冷酷な暴政の伝統)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051005


(関連参考情報)


★消費税の仕組みhttp://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/h20/pdf/a-4.pdf


★林 佳宏:消費税の課題http://www.eco.wakayama-u.ac.jp/~ykawabat/ykawa/1998/Ronbun/hayashi.pdf


★林 明(税理士):輸出企業に消費税が還付される仕組みhttp://hb8.seikyou.ne.jp/home/o-shoudanren/hayasi.pdf.pdf


(2)地域金融円滑化法の制定・・・各金融機関に対して中小企業への融資状況の公開を義務付けることがミソで、うまく実効が上がれば、中小企業の資金繰り倒産の減少が期待できる。


・・・以下は[2009-09-09toxandoriaの日記/小選挙区・比例部分の定数減で「小政党抹消→ファシズム化」を深謀する民主党への警告、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090909]へのコメント&レスの転載である・・・


zhivago1917


『比例削減問題は頭の痛いところです…。』(2009/09/09 19:20)


toxandoria


『zhivago1917さま、ありがとうございます。


この“悩ましき問題”の根本は<民主主義のルール>の在り方ではないかと思っています。


つまり、民主主義での決議を“多数決で割り切るべき”か、結局は“多数決しか方法があり得ないながらも、その多数決の視点を補完するためにも、更に多様な少数意見へも十分に配慮すべきと考える”か否かの問題ではないかと思います。


前者で割り切れば、今までの自公連立と同じ“数の横暴=数の暴力的論理”ということになり、お互い様ながらも他者に対する責任こそが正義だとする立場からすれば、後者こそが望ましいということになります。


個別に見れば例外はあるかも知れませんが、ともかく自由原理を最重視するアメリカ型(というより小泉純一郎竹中平蔵らが好むネオコン型)の民主主義は前者の立場であり、フランスなど欧州型(共和型)の民主主義は後者の立場に立っていると思われます。


今や、オバマ大統領の「国民皆保険制度の導入プラン」が風前の灯となりつつあるのも、保険・医療・製薬等関連業界の圧倒的なロビー活動の影響のほかに、このような意味での民主主義のあり方の根本的違いが大きく影響していると思います。


オバマ大統領の如き欧州型(共和型)の民主主義、つまり共通善(自由よりも他者への責任が大切とする理念)を信奉する大統領が圧倒的な支持(多数決)で選出されても、今度は、その“数による暴力的論理”に絶えず脅かされることになります。


従って、今回の政権交代で実現した「民社国連立政権」は決してアメリカ型(というよりネオコン型)の民主主義へ流れぬように踏ん張って欲しいと思っています。』(2009/09/10 05:51)


もえおじ


『国会議員削減(比例代表定数80削減)を批判されるのは自由ですが、現実に本当に問題なのはマニフェストの中身です。 たとえ議員定数が削減されてもマ ニフェストがしっかりしていれば、さほど問題ではありません。 私自身は、むしろ参議院を廃止して一院制にすべきだと考えています。


民主党マニフェストを判断する際に大切なのは、現在の日本の課題が、おそらく以下の3つに集約されるという前提です。


(1)産業競争力の再生、社会基盤の構築 (2) 低下した教育・社会保障の維持向上 (3) 財政再建


(1)には、仰る通り中小企業の復活が重要でしょう。日本版の(オバマ政策と同様の)ニューディール政策も必要だと思います。危惧されるのは、(2)で民主党が福祉政策のために大幅な歳出の拡大を行うことで、結果的に赤字国債を大量に発行せざるを得なくなる可能性です。3)に失敗すれば、結局は自民党政権に逆戻りすることになります。』(2009/09/10 22:44)


toxandoria


『“もえおじ”さま、ありがとうございます。


マニフェスト議員定数減”というプラトニックな方向について、toxandoriaは不正権力とカルト的空気の跋扈、倫理感覚と共通善意識の不在など、凡ゆる意味で日本における民主主義が経験不足の現況では“時期尚早”の感がします。それは措くとして・・・。


ご指摘のとおり、(1)〜(3)は最も重要な課題だと思います。しかし、これらは「トリレンマ問題」に似たエポケーなので、結局は、三者を現実的に、かつシビアにバランスさせて行くしか方法はないと思います。


そして、日本の場合、その突破口は、やはり民主党が掲げるとおり官僚支配構造の打破(改革)だと思います。が、より具体的に見れば、そのターゲットとすべきものは「政・官・財のトライアングル癒着・談合」です。


そして、何よりも、民主党自身が、この「政・官・財のトライアングル癒着・談合・交尾」の宿痾(嗜癖・性癖)と無縁ではあり得ないはずです。


国民皆保険制度の導入プラン」について、オバマ大統領がホワイトハウス内のネオコン派と交尾(つる)んだ関連財界のロビー活動(政治資金のバラマキ投入、イノセント大衆層の扇動)に苦しめられつつあるのと似た構図が、さっそく「民社国連立政権」を襲うことになると思います。


そして、その“とば口”となるのが“民主党の支持母体の一つである”電機労連と財界(経済界)が猛反発する「温室効果ガス、25%削減」ではないかと思います。』(2009/09/11 06:09)


もえおじ (125.54.8.126)


議員定数に関しては、日本の国土の規模、人口規模を考えると、少ないとは言えません。 むしろ、ほとんど何も仕事をしない参議院議員の数を縮小すべきです。


> (1)〜(3)…は「トリレンマ問題」に似たエポケーなので、結局は、三者を現実的に、かつシビアにバランスさせて行くしか方法はないと思います。


国民は、官僚支配構造の打破に手を付けただけでは、民主党を評価しないでしょう。4年以内に生活が向上し、しかも、消費税値上げを回避できなければ、「民主党は、自民党と同じ」ということになります。


政権公約に含まれると考えられる 「政・官・財の癒着解体」は、あくまで(1)〜(3)実現の為の一里塚に過ぎません。 現実の経済・財政状況はとても厳しく、たとえ癒着解体がある程度達成できても、景気悪化や国家財政ひっ迫が起きれば全体として民主党は失敗したことになります。


その意味で、個人的には民主党マニフェストの「子育て支援」「教育費補助」にはとても懐疑的です。 順番としては、歳出削減の実現(おそらく、特別会計の切り崩し)と財政健全化見通しが立ってから、教育・社会保障の維持向上(最低保障年金の導入)に手を付けるべきです。


さらに、従来型のばら撒き公共事業を廃止したとしても、本当の意味での社会基盤インフラの整備のための財源見通しは立っておらず、やはり景気の大幅な拡大と増税法人税所得税の税率を以前の高累進率に戻す)が条件になると考えます。』


toxandoria


『“もえおじ”さま、ありがとうございます。


大きな失敗で政権交代が繰り返されるようになれば、今までの日本より進歩することになると思います。


些かのスキャンダルの要因などが加われば、民主主義には簡単に衆愚政治に転化するという性質(弱点)が付きまとうので、どの方向へ向かうことになるのか、たしかにつらいところがあります。』(2009/09/12 06:02)


【エピローグ/画像5】Josep Carreras - Tu 、Ca Nun Chiagne