toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

ビロード革命の光が焙り出す“機密費ドロとマスゴミの癒着”が牛耳る日本型「政治経済」の貧困

toxandoria2009-11-24



【画像1】チェコビロード革命20周年のキャンドルサービス



・・・これらの画像は『ALLVOICES/The leading source for credible citizen reporting』http://www.allvoices.com/news/4639005-prague-glimpsed-czechs-velvet-sweepingより


11月17日、チェコプラハでは「ビロード革命(1989)」から20周年の節目を迎え市民数千人の参加を得た記念式典が、平和裏に行われた。革命の時にキャンドルを持ちデモ行進した学生らを偲んで、式典へ参加した市民は会場で蝋燭に火をともした。


デモ隊と警察が衝突した当時の現場では、革命を主導したハヴェル前大統領が献花し“あのデモ行進で歴史が動き出した・・・”と演説し、その式典にはクラウス大統領らが出席し、クリントン国務長官からもメッセージが寄せられた、と報じられている(情報源 ⇒表記ALLVOICES)。


(注記)ビロード革命
・・・1989年11月17日、ベルリン壁崩壊から8日後にプラハの学生デモへ当時の官憲による暴力制圧が契機となって起こったチェコの革命。その後、連日のように5万〜10万単位の市民が広場に集まるようになり、ヴァーツラフ・ハヴェルの「市民フォーラム」活動という大きなうねりへ発展した。そして、1993年1月には共産主義独裁によるチェコスロバキア連邦制が崩壊した。


ところで、11月19日には欧州連合(EU)の大統領(EUの最高意思決定機関である欧州理事会の常任議長)に“ヘルマン・ファンロウパウ”ベルギー首相が選ばれた。ベルギーという小国の政治家がEU大統領に選ばれた背景には様々な事情がある。が、敢えてチェコの立場から見れば、それはEUチェコのクラウス大統領が示してきた懸念を、つまり大国であるドイツとフランスおよびロシアへの強い警戒感をやわらげつつEU統合理念の中の「寛容と調和」それに「不戦への意志」を最高価値として選んだということだ。


実は、2009年7月からEUの議長国となったスウェーデンは、チェコハンガリーなど中東欧諸国の歴史的・経路依存的な合理主義思考に基づきつつ、グレイゾーン(EUの東方に位置するモルドヴァアルメニアアゼルバイジャングルジアウクライナベラルーシの六カ国)でのリスク回避も視野に入れた「マクロプルーデンス・モデル(Macro Prudence Model)」の理念下で新たな「市民社会ディスコース」(市民社会との対話を深化させる工夫)への取り組みを実現しようとしてきた。


それは、これまでの政治・経済のあり方の根本を徹底批判しつつ「人間主義の視点を回復させた新たな統治手法」に取り組むことで政府(EU及び各国)の統治機能それ自体の信用を復興させない限り、昨年末いらい世界を覆っている「米国発の大金融危機」は、その根底から絶対に終息し得ないという危機感を共有することであり、この考え方は「Trans‐Atlantic Agenda」として、米国のオバマ大統領の理念(プラハ宣言で核廃絶を唱えたオバマのCHANGE)とも繋がっている。また、そのEU欧州連合)の中枢に位置するベルギーで『非核三原則を法制化する動きがある』ことも視野に入れておくべきである。


(関連参考情報)


ベルギー議会に非核法案 NATOのおひざ元で、http://www.47news.jp/news/2009/10/post_20091015222405.html


ベルギー:戦術核、米に撤去要請 議会が書簡、http://mainichi.jp/select/world/news/20090923ddm007030104000c.html


「ゲッティンゲン」 バルバラ (不定期連載「世界の反戦歌・反戦詩から」)、http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1524.html


因みに、チェコは旧東欧圏諸国の中でも、その目覚ましい経済発展の実績が高く評価されている。例えば、OECD相対貧困率(mid-2000s)を見ると、チェコは5.8%であり、これは加盟国の中でスウェーデン5.3%に次ぐ低さである。一方、日本の同貧困率は14.9%で、メキシコ18.4%、トルコ17.5%、米国17.1%に次いで4番目に貧困率が高い(OECD加盟国の平均は10.6%/情報源 ⇒ http://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=POVERTY)。また、政権交代後の日本政府の発表(2009)で、日本の同貧困率(2006)は15.7%である。


この日本の惨状は、明らかに戦後60年の長期におよぶ自民党政治の腐敗・堕落によるものとみなすことができる。そして、その極みが、「小泉=竹中詐欺劇場」による<トリクルダウン構造=日本のあるべき姿の基本を“平等と効率のトレードオフ”を極端に警戒する社会制度(個人の能力を過剰に無視すると悪平等が生まれると主張するネオリベラリズム型の格差格大を煽る社会制度)>への改革ということであった。


この点が、新たに“ヘルマン・ファンロウパウ”ベルギー首相を初代大統領に選んだ欧州連合(EU)と日本(=戦後60年になんなんとしてきた自民党による政治)の違いであり、それは<富の独占・偏在による格差がもたらす不平等と社会全体の非効率のトレードオフ>への危機感を最大限に重視する社会制度を理想とするということだ。しかし、当然ながら、そこで市場経済を捨てるということは意味していない。


グローバル化の波に洗われる今の日本で最も求められるのは、使い捨て労働力という「奴隷的な非正規雇用の拡大」と「流動性が低い労働環境に閉じ込められた知的労働者層の内向きで閉鎖的な労働環境」という、謂わば“日本型の特異な雇用・労働環境を支える二つの悪しきベクトルを逆転させるチェンジ”である。なお、このことをより深く理解するには「経済学についての二つの論理水準」(労働を道具と見なし権力にかしずく論理=学問体系全体の流れを説明する論理、働くことの意義(公平・寛容・ヒューマンネットワーク)を重視する論理=権利と分配のための論理)ということを説明すべきだが、ここでは敢えて深入りを避けておく。


ともかくも、かくの如き悲惨を日本にもたらした「戦後60年の長期におよぶ自民党政治の腐敗・堕落」の象徴が、渦中の『機密費ネコババ』問題であり、その堕落ぶりを象徴するのが、自民党中川秀直官房長官に纏わる疑惑である。ネット上では、この官房機密費によるメディア(マスコミ人、ジャーナリスト)への籠絡工作までもが暴かれ始めている。


これが、先進民主主義国家の出来事であるとは俄かには信じ難いことだ。日本国民は、世界でも稀な記者クラブ制(あるのはジンバブエと日本だけ?)に甘んじるマスゴミにも根本から襟を正すよう求めるべきではないか?そして、メディア自身も、チェコ市民の如くに日本国民が「Trans‐Atlantic Agenda」の方向へ一刻も早く歩み出せるよう、本来のジャーナリズムの仕事へ立ち戻るべき時ではないか?


(関連参考情報)


官房機密費の持ち逃げにメディアは甘過ぎる、http://news.livedoor.com/article/detail/4463475/


麻生政権が衆院選直前に「官房機密費」でマスメディアを懐柔した模様 、http://alcyone.seesaa.net/article/133779793.html


内閣官房機密費を持ち逃げしたのではないか!?・・・使途不明の官房機密費/自公政権―総選挙2日後に2億5000万円(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場)、http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51275198.html


・・・以下では、[とかく噂の絶えない「内閣官房機密費」の使途(永田町異聞)、http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10393994010.html]から、自民党中川秀直官房長官に纏わる疑惑のかかわる部分を転載させていただく・・・


・・・前略・・・


官房長官時代の2000年10月、順調に見えた中川秀直氏の政治家人生を狂わす大スキャンダルが発覚した。愛人と寝室にいる写真を写真週刊誌に掲載され、覚せい剤容疑のかかる愛人に捜査情報を漏らした録音テープがテレビで流された。


国会で追及され、責任を取って官房長官を辞任した中川は「事実無根」として、週刊誌側に慰謝料を求める裁判を起こしたが、これがかえって裏目に出た。2000年の7月と8月に中川が官房長官の権限で、官房機密費から2億2000万円を引き出していたことが分かり、内閣官房広島地裁の求めに応じて、その証拠文書を提出していたのである。


その事実がマスコミで報道された直後の2004年2月10日、衆議院予算委員会で、民主党木下厚はその資金の使途を追及した。木下はさすがに「女性問題の尻拭い」とまでは言わなかったが、そうした私的流用を疑っていたことは間違いない。


このとき、答弁したのが当時の福田康夫官房長官と、杉浦会計検査院長。いずれも逃げの一手で、その後、中川氏自身もいっさい説明していないため、真相はいまだ藪の中である。


一昨日、平野官房長官が発表した官房機密費の支出記録によると、自公政権は毎年12億円前後を国庫から引き出していた。今年度は14億6000万円ほどの官房機密費予算を計上、うち8億5000万円を麻生政権が引き出し、鳩山政権は9月と10月の2回にわたり、6000万円ずつを請求している。


外務省機密費は、在外公館の情報収集や要人接待の名目で、内閣官房より多い30億円ていどのワクが設けられているが、このなかから内閣官房へ上納する仕組みがあるのはよく知られている。2000年4月、森喜朗が大統領就任直前のプーチンと会うさい、鈴木宗男が官房機密費から支出された1億円を用意して同行したことも有名な話だ。


そのほか、首をひねる使途のいくつかを下記にあげてみる。


かつて宇野内閣で官房長官をつとめた塩川正十郎氏。「現ナマでやるか一席を設けて、機密費を野党対策に使っている」(テレビでの発言)。


村山内閣の官房長官野坂浩賢氏。「最も多い使い道はせんべつだ。与野党問わず国会議員が海外視察に出かけるときに渡した」(新聞のインタビュー記事)


加藤鉱一が官房長官時代、地元の芋煮会の会費に機密費を使ったという、せこい話も伝わっている。


民主党は野党時代、機密費公表法案を国会に提出した経緯がある。支払記録を保存し、機密性の高いものは25年後、それ以外は10年後に公表するという内容だ。


こういう法律ができると、私的流用を防止することができる一方、国家のインテリジェンスにかかわる支出を制約する面もある。


国益に寄与する機密情報の収集に実際、どれだけこの資金が使われてきたかは不明だが、与党になった立場からは、機密費をできるだけ温存しておきたいというのがホンネだろう。


ただし、かつての自民党政権のように機密費を使いまくって平然としていられる時代ではない。


平成13年02月09日の衆院予算委員会で、共産党志位和夫は、内閣官房と外務省だけで機密費が72億円にのぼり、その予算の使いきり率が100%に近いと指摘、「年度末に私的な飲み食いに化けている証拠だ」と追及したことがある。


痛くもない腹を探られないよう、鳩山政権は機密費を厳密に運用して、使用額を必要最小限度にとどめるのが賢明といえよう


・・・ここで、引用おわり・・・


【エピローグ画像】


プラハアールヌーボーの総決算とされる『プラハ市民会館』(2009.3.21、撮影)


・・・この建物は、建築家アントニーン・バルシャーネック(Antonin Balshanek)とポリーフカ(Oswald Polivka)が協力して建てたもの。


・・・内部には、スメタナ・ホールなど大小五つのホールがあり、『国際音楽祭プラハの春』のメイン会場となる。また、一年をとおしてチェコ・フィルの演奏などが行われており、プラハ市民の誇りとなっている建物である。


Pas sans toi(I won't live without you) - Lara Fabian