toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

絶対新自由主義を掲げる日本版ネオ・ファシズムの着床

toxandoria2010-07-03

<注記1>右上の画像は、ポーランドの古都クラクフの風景…http://www.polinfojp.com/cafe/photo.htmより


【プロローグ画像】絶対新自由主義に弄ばれるグローバリズムの世界(Charles Chaplin The Great Dictator)…擬人化して表せば、カルト同然の絶対新自由主義は、“果てしなき経済圏拡大”を求めて地球をもてあそぶヒトラーのイメージに重なる。


<注記2>この内容は、下(■)の記事に付け加えた(Appendix/2010.7.2)を中心に関連する文脈を独立させたものである。


■[机上の妄想]米型新自由主義に感染しネオ・ファシズムの空気が漂う菅民主党政権の危うさについての考察、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20100701


(Appendix/2010.7.2/絶対新自由主義を掲げる日本版ネオ・ファシズムの着床)


実は、そのネオ・ファシズムの胎児が現在の菅政権自身の中に宿っていたことが分かり驚かされる筈だ。翻れば、メディアの手を借りつつ小沢一派の一掃を演出したため支持率急回復に成功し意気揚々とスタートした菅・民主党政権であったが、その実像をよくよく凝視するとネオ・ファシズムの精の一滴が既に着床してしまったことが分かる。


例えば、官房長官・千石、財務大臣・野田、国交省大臣・前原、民主党幹事長・枝野らは民主党内の政策集団凌雲会」に所属するが、この「凌雲会」の信条が実は新自由主義(ネオリべラリズム)なのだ。つまり、彼らは所属する党が民主党というだけであって、 その<根本信条>は小泉純一郎竹中平蔵らと全く同じ<絶対(カルト)化した米国型新自由主義教団>への信仰であったという訳だ。


しかも、「民主党」と「自民党、みんな(ネオリベラリズム信者)の党ら野党」間の妖しげな野合の蠢きを繋ぎつつ先導するのが自民党政権時代の機密費汚染にドップリ浸かりながら鉄面皮で口を拭い続ける主要メディアだという事実にも注目すべきだ。特に悪質と思われるのは、この汚れ切った主要メディアの一角で未だにオピニョン・リーダーを自負する朝日新聞船橋洋一主筆竹中平蔵の盟友)だ。


(関連ツイッター情報)


hanachancause 2010.07.03 19:39
朝日新聞船橋洋一菅総理によって駐米大使に任命されることが内定? (http://bit.ly/9uJLTh)← コレで買弁駐米大使(=日本担当アメリカ大使ワシントン駐在)が誕生し、菅民主党内閣が小泉劇場以上に国民を小馬鹿にした“パンパン日本政府”であることが証明されるだろう。


hanachancause 2010.07.03 22:17
仰天デス!RT @komichi2: @hana @jh8bss @tokudasu @hanae: このリストの「F」の項をご覧あれ。http://bit.ly/9etKRp  CIAの手先である人物が次期駐米大使とは、「マジですか?」「何のブッラクジョークですか!?」と……。


hanachancause 2010.07.03 23:44
矢張り! RT @Bell_Boyd: 朝日新聞船橋洋一主筆は「竹中平蔵と共に」フレッド・バーグステン米国国際経済研究所(IIE)で研究員として働いており、国際金融資本の強い影響下にある人物です。 ← <注>ピーターソン国際経済研究所(http://www.iie.com/)のこと?フレッド・バーグステンは、そのIIE所長


このような我が国におけるネオ・ファシズム化への流れに抵抗し、厳しく批判するのは「メディアとアーカイヴ」の役割だ。が、残念ながら、我が国で、そのメディアは死に体である。一方、アメリカでは少なくともhttp://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20100701【参考画像/映画『イ ンサイダー』…市場原理、正義(人権、内部告発、訴訟社会)、ジャー ナリズムの相克】で記したとおり、メディア活動は辛うじて機能しているようだ。


そもそも、「メディアとアーカイヴ」の役割とは、生まれつき頭が悪いか、自我が強すぎるのか、あるいは根っからの悪意が宿っている故かなどの理由はともかくとして、他人の話に耳を傾けることを一向に潔しとせぬ頑固な悪ガキ共は、逐一、彼らの悪事の証拠を突き付けて有無を言わせぬように指導し、反省させ続ける必要があるのと同じことなのだ。残念ながら、日本国民にはこの理解が不足しているようだ。


翻れば、このことは、特捜部(検察)が推論型(シミュレーション)論理に拘り固着(事実証拠に基づく)論理を軽視すること、政治世界(例えば、小泉一家と稲川会の癒着など/参照、http://sun.ap.teacup.com/souun/2641.html)と相撲協会・芸能界などがヤクザ&●暴との腐れ縁に甘んじ続けること、あるいはメディア経営幹部・ジャーナリスト・評論家らの機密費汚染などと同根である。


かくして日本中の人々の多くが冷静な事実認識と創造的な意味での公共と客観性を重んじる意識に欠けており、そのうえに税金や労働環境から医療・社会保障政策までの全てが他人任せで、しかも移り気で忘れっぽいという性格がその推論型(シミュレーション)論理に甘んじるという病状を重篤化させているようだ。


(関連ツイッター情報)


hanachancause 2010.07.02 21:57
@dzaemonn 今日の朝日に珍しく冷静な記事『核密約文書私蔵の怪』がありました、日米核密約の公文書が元首相宅にあったり、そのことに社会が無関心であることに「東アジア近代史学会」が危機感を覚えたことを紹介しています。官僚・国民・政治家・メディアら全ての日本人の劣悪なアーカイヴ意識が問題です。


しかも、我が国のアーカイヴ環境は先進国としては恥ずべきほど未整備である上に、形ばかりの法制はあるものの肝心のアーカイヴ意識が著しく貧弱であり、おそらく欧米からアジアに及ぶ先進諸国の中では最劣等に位置するはずだ。


因みに、ヨーロッパでナチス絶滅収容所ユダヤ人、ポーランド人らが絶滅処理された場所)が最も多く存在したとされるポーランドでは、なんとポーランド人がユダヤ人を虐殺したとされる疑義(イエドヴァブネ事件)が湧き起こり、国民記憶院(1998年設立の国家機関)が熱心に資料調査と発掘調査に当り、結局、その事実を認定(2002年)している。


ともかくも、下の<関連ツイッター情報>を眺めれば、それは了解できる筈だ。あくまでも『極少の一部富裕層に配分が一極集中する超異常な米国=市場原理暴走の統制に失敗した米国型資本主義/トマス・ポッゲの指摘』を理想と掲げる、言い換えれば『絶対新自由主義を掲げる日本版ネオ・ファシズ ム』は既に胎動し始めたと見なすべきだ。そして、欧米諸国と異なり、日本が非常に不幸なのは、このように非(反)民主主義的で余りにも異常な政治状況(事実と現実を客観かつ冷静に凝視し、深く反省しつつ果敢に課題解決へ挑戦する姿勢の欠落)を批判すべき主要メディアが殆どゾンビ常態であることだ。


(再録/関連ツイッター情報)


hanachancause  2010.06.30 10:23
年金改革7原則 消えた「税方式」 民主案封じ野党誘う、http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2010/06/30/20100630ddm003010002000c.html ← なんだコレは!ますます自民党化する菅民主党政権、いっそ小泉進次郎に民主・自民の共同代表になってもらったらどうか?


hanachancause  2010.06.27 21:15
民主・枝野幹事長、みんなの党との連携に意欲、
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news2/20100627-OYT1T00551.htm ← 愈々、大衆迎合ネオリベラリズムの本性発揮!


hanachancause  2010.07.01 16:03
【QT】「ネオリベみんなの党」だけを特別扱いで優遇する(7/1朝刊)朝日新聞の編集方針は極めて異常である、http://bit.ly/bAJHjK  ←船橋主筆竹中平蔵の旧交の交尾み?


hanachancause 2010.07.04 06:38
【QT】漏れ出た菅内閣の税制改革概要、消費税は15%まで上げ資産税・相続税も上げ2020 年に財政を黒字化する計画、対して社会保障の支出については何も触れていないらしい(ヤッパリ!)。http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/739.html


【エピローグ画像】Chopin - Valentina Igoshina - Fantasie Impromptu


・・・・以下は、本文[■米型新自由主義に感染しネオ・ファシズムの空気が漂う菅民主党政権 の危うさについての考察]の簡略版である。詳細は本文を参照乞う。・・・・

■(簡略版)米型新自由主義に感染しネオ・ファシズムの空気が漂う菅民主党政権 の危うさについての考察  ⇒ 本文はコチラ http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20100701


(極少の超富裕層に配分が一極集中する米国発“世界共通の病理”)


カナダのトロントで開かれていた20カ国・地域(G20)首脳会合が6月27日の午後に閉幕した。この会議の期間中、トロント中心部で26日午後にグローバル化に反対する市民団体などの1万人近くが参加したデモがあった。


それはワシントン・コンセンサス以来の新自由主義の旗印で続行されるグローバリズム経済を安定的に保守・持続させようとするG20大義名分の下で、益々 拡大するばかりの「不平等と不公正でいびつな超富裕層への一極集中型の利益配分」という冷酷で非人間的な現実が、これからも引き続くことに対するトロント市民らの怒りだった。


(極少の一部富裕層に配分が一極集中する超異常な米国の現状)


トマス・ボッケ『なぜ遠くの貧しい人へ義務があるのか/世界的貧困と人権』(立岩真也・監訳、生活書院、2010.3刊)は『米国のトップ超富裕層0.01%(約3万人)が底辺貧困層1.5億人の約1/2(7500万人分相当)の所得を得ており、同じ人々は人類全体の下 半分の貧困所得層(07年、33億人)の2/3(22億人分相当)の所得を得ている。これは<米国という国の国家的統制力が殆ど崩壊していること>を示す 深刻な危機的状況だ。』という真に空恐ろしい事実を抉り出している。


従って、米国政府、IMF、日本の財務省&メディアら による「ワシントン・コンセンサス下での事実上の公認」の形で誕生した(その意味で、菅政権は生まれた瞬間から“米国発新自由主義の熱病”に感染してし まった/国内的に表現すればメディア・検察・財務省・財界等の実効権力に取り込まれて誕生した)「菅政権の強い財政、強い成長、強い福祉の均衡化」は子供 騙しの戯言以外の何物でもなく見えてくるはずだ。


だから、本来であれば、日本の真の国力回復のためには、今や日本の総就業者数 (ca.6400万人)の過半に迫ろうとする貧困層(ca.3000万人超/詳細、後述)に堕ちた人々を勇気づけ奮い立たせ、彼らの全てを含めた日本国民 を未来の日本経済力発展の為の新たな人的インフラとして再生することに視点を定めた上で、先ず菅首相自身の強力で自信に満ちた「福祉国家宣言」を最優先すべきであったのだ。


(米型新自由主義に感染し、一部の富裕層に配分が一極集中する日本の現状)


周知の通り、特に「小泉劇場」以降の日本でも<米国型の所得階層の二極化=一部の富裕層に所得配分が一極集中する傾向>が急速に進みつつある。例え ば、少し古いデータ(2006)だが、1千万円以上4.9%、1千万円未満~6百万円超16.2%、6百万円未満~3百万円超41.5%、3百万円未満 37.4%(ca3100万人)というデータがあり、最下(貧困)層は4割〜5割に迫る勢いとなっているhttp://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/200602120001/


そこへ管政権は<法人税減税等(ゴ―ン9億、ストリンガ8億ら日産等大企業の超高額役員報酬、一部上場平均 2.5〜3.0千万円が相場となる中で・・・)、高額所得者に利する累進税率放置、大企業に有利な対下請値引強要と一体化した輸出戻し消費税放置>と<低 所得層へ過酷な消費税増額>をぶつけてきた。


更に、概数比だが最下層ca.4割(年収3百万以下)の内訳では正規・非正規合算の「年収200万円未満」が2174万人で実に労働力総数6384 万人(2007)の34.1%を占める。つまり総就業者数の約1/3が「2百万円未満」という数字であり、消費税増のダメージは彼らを含めたca.4割の 日本の最下層の人々を激しく直撃する筈だ。菅政権が「強い財政、強い成長、強い福祉」の為にやろうとするのはかくの如く非情で誤ったことであり、それで大 きな経済成長が達成できる筈はあり得ないのだ(Cf. http://mgssi.com/terashima/nouriki0704.php


それに止まらずグローバル競争に名を借りて今や大企業の正社員もリストラ対象となっており、いったん失職すると巨額ローンや要介護の老親を抱えながら彼らの 中から最下層へ転落する人々が後を絶たない。しかも、今の雇用危機はクズネッツ曲線など従来型の景気循環で説明がつかず、それはグローバリズム時代の資本 主義(市場原理)そのものの変質、つまり極少数のトップに配分が必然的に集中するという資本主義構造そのものの変容に起因するものなのだ。


だから、菅政権が行うべきは北欧等に事例がある雇用流動化を視野に入れつつ国が雇用に重い責任を負うことの意義、および職業教育や失業手当等のセーフティ ネットに止まらず既婚者らへの住宅・子育て支援制度充実なども視野に入れた生活保障制度あるいは最低保証年金制導入等を明快に宣言することだ。これは内橋 克人氏の指摘だが、日本は「会社一元支配社会」で“忠誠心を質入れする会社福祉体系”に深く馴染み過ぎたため、政府も会社も国民も近代的福祉の意義を理解 せず今まで遣り過ごしてきてしまったのだ。


しかし、少なくとも政府自身が「税制と社会保障」による“勤労世帯の貧困化防止の意義”を理解できないのは先進国の一員として恥じであり、菅政権が未だに かくの如き低レベルな意識の儘であることに驚かされる。ならば、昨夏の政権交代は一体何だったのか?6月28日のNHK世論調査でも国民の多くは政府に対 し<福祉国家宣言を第一に求めている>ではないか?


(同じく一部の富裕層に配分が一極集中する中国の現状、および中国の意欲的な福祉改革宣言)


1990〜2004年の14年間における中国の家計所得の分析結果を紹介しておく(出典:トマス・ポッゲ『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか』)。そ れによると、10分割層中で最高位(超富裕)層に第6位(中位)層〜最低位(最貧困)層までの利益がソックリ転移し、最高位層の利益が1.4倍になってお り、グローバルリズムは、中国でも不平等な超格差社会を確実に実現しつつあることが分かる。


同じく、中国で富が一握りの超富裕層へ集まる傾向は資産格差の変遷でも表れており、例えば、最も資産がある最高位(超富裕)層は、1995年の時点で既に 下位58%を占める貧困層の合計額と同額の資産を保有する状態となっていた。更に、2002年になると、この最高位層は下位80%を占める(中位〜貧困) 層の合計額以上の資産を有する迄に格差が拡大しており、今や中国では最高位(超富裕)層への資産転移が劇的に進行しつつあるのだ。


一方、胡錦涛政権は、2006年頃から“民生重視、調和社会の実現”をキャッチ・フレーズに掲げて最優先課題として「医療制度改革」に取り組み始めたが、そのモ デルとされたのが日本の「国民皆保険」の理念であった。
この「中国の新医療制度改革」で注目すべきは、まず国家の責任によって公的「国民皆保険」を基本に据えた上で「市場主義と民営化」による活性化と効 率化 を実現しようとしていることである。


このような医療保険についての根本的な考え方は、今回の「アメリカ型医療保険改 革」よりも、むしろEU型『国民皆保険』に近いものと言えるだろう。そして、それは緒についたばかりなので先行きは未知数と いうところだが、日本とEUに学びつつ良いとこ取りをしながら失敗を正すという中国の姿勢については、我が国もそれを反面教師として見据えるべきである。


日本・EU等の先進事例に学びつつ良い所取りをし失敗を正して進むという『国民皆保険』に関わる“中国の積極果敢な姿勢”は見事な現実主義である。独創的 理想という意味でのオリジナルな正義論に由来せぬが故に、それは安易な借りものにすら見えるかも知れぬが、少なくとも人間の<生命棄損的貧困対策が最優先 事項であること>は万人にとり論を待たぬ最重要な現実だ。それと共に<全ての国民こそ最大のインフラだという命題>は万国共通の現実的真理でもある。


(米型新自由主義に感染しネオ・ファシズムの空気が漂う菅民主党政権の危うさ、そして我々のあるべき心構え)


“現実主義”を掲げた筈の菅民主党政権の最大の欠陥・弱点が、この中国の事例に見られるような意味での<最優先すべき現実>についての冷静な現実感覚の欠 落であることが分かる。つまり、現代中国は日本の水準を遥かに超えた過酷な市場原理主義の渦中にある訳なのだが、それにもかかわらず“中国政府は国家の責 任による公的「国民皆保険」の具体化を最優先する”と明快に宣言していたのだ。 


一方、菅総理自身までもが、日本が巨額債権国でもあることを抜きにして日本の「政府債務残高対GDP比」が大きいこと(2010/197.2)を借金だけ多いギ リシア債務問題と同一視する如き短絡的で恫喝的な対国民向け演説を繰り返してきた。が、それは必要以上にデマゴーグ的な響きとなり無辜の一般国民の危機意 識を過剰に煽るだけで日本経済の真の成長回復の為に何の役にも立たぬばかりか、むしろ酷く有害なことであった。


菅総理にとって最も肝要なのは、先ず北欧型に匹敵する<福祉国家・日本>を明快に宣言した上で、「プライマリーバランスの収支目標が一つの債務残高改善の 目安となる」こと、および「バランスシート上の純債務額(資産−負債)が意味すること=債権・債務国としての日本の特殊な財務事情(財務上の強み)」につ いて、分かり易く誠実な説明を対国民向けに行い、国内に一定の信用と安心感を醸成してから、果敢に内外の成長戦略と、より一層の財政改革等へ取り組むこと だったのだ(Cf. http://hw001.gate01.com/iica/0909mr.pdf  、 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/505


我が国の“労働力&消費者”としての最大インフラが富裕層・貧困層の別なく全国民の生命と健康であることは自明の理なので、その最重要インフラたる全国民 へ直接的に大きな影響を与え続ける<生命棄損的な貧困への重点対策>こそが最優先されるべきであるからだ。だから、菅総理は、小野善康教授の経済理論に加えて、もう一人のブレーン神野直彦教 授の社会・労働・福祉政策に関わる現実的な助言と方策を増税論議に先駆けて説明すべきであり、その意味で福祉国家づくりを全国民へ向けて先ず堂々と自信を 持って宣言すべきだったのだ。


昨夏の政権交代の意義を希薄化させつつあると言う意味でまことに勿体ないことなのだが、この肝心要の政策アピールの優先順位がぶれているが故に、良識ある 有権者の多くは、菅政権の些か自信なさそうな、それにも拘わらず妙に恫喝的な物言いを信用しかね戸惑っている訳だ。だから、日本の「政府債務残高対GDP 比」が大きいことをギリシア債務問題と同一視するが如き短絡的、恫喝的な対国民向け演説(財務省ベース?)を繰り返すのは愚の骨頂だ。むしろ、誠意と自信に満ちた政治パワーで国民の信用が構築されるならば財生再建は視野に入ったと見なすべきなのだ。


このような観点からすれば菅政権は初動段階から誤りの連続であったと指摘せざるを得ない。そして、その失敗の故に、それは菅政権自身が予期していたかどう かは知る由もないことだが、菅政権の一連の開き直りと強弁の経緯から或るオゾマシイ亡霊が姿を現しつつあるように感じられるのだ。それは、菅政権の周囲に 20世紀型ファシズムが形を変えた「ネオ・ファシズムの影」が漂うということだ。或いは、無自覚ながら菅総理の潜在意識の中にネオ・ファシズムのタネが 宿った可能性がある。それは、まさに神ならぬ悪魔による“無原罪のお宿り”とでも言うべき代物かもしれぬが。


実は、ここで最も懸念すべきは、菅総理が一般国民にとって最も難解と思われる、アカデミズム・ブレーン小野善康教授の持論を最重視 している点だ。そして、小野教授の持論の核心は『第三の道財政再建、経済成長、福祉強化の同時実現)をめざして景気が悪い時にこそ先ず増税して、それを雇用創出&内需拡大のた め適切に使えばデフレ脱却&景気回復が必ずできる』という主張。つまり、<鶏⇔卵>論争で鶏が元祖であるとする強弁・詭弁型の精緻な論理だ。


既に我が国は総就業人口の4〜5割が年収300万円以下の殆ど超貧困層化しており、そのうえ2006年にはOECDが “日本の相対的貧困率は今やOECD諸国でアメリカに次いで最も高い部類に属する”(対日経済審査報告書)と指摘した厳しい現実がある(出典、http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/a7a46973b48f0cf47a3a4b47e7024ac5)。別 に言えば、この日本の悲惨な貧困の現実の裏には、我が国における所得再分配機能破綻(事実上の崩壊)の問題が隠れているのだ。実は、所得再分配前の貧困率 が日本より高い国は数多くあるのだが、殆どの国は再分配後に貧困率が劇的に下がり結果的に日本よりも低い貧困水準に落ち着いている。


つまり、高齢者等の福祉費用を低所得者層に低累進性で負担させている形のため、逆に所得再分配によって貧困層が拡大するという異常事態が我が国で発 生しているのだ。これに最低賃金問題などの劣悪な賃金不平等要因等を加えると低所得層から中高所得層へ所得の逆再分配現象が現実にはもたらされているとい う訳だ(出典、http://blog.goo.ne.jp/syarin_saihakken/e/76054fb81bf0848023b1e362e4a7aa20)。


我々は、今こそ、これの相似形(政治力学のアーキテクチャ)を近代史の中で学んだことを思い出すべきだろう。それは、ヒトラー政権下で公共投資によ る完全雇用を目指し「財政の魔術師」とまで呼ばれた経済大臣ヒャルマル・シャハト(Horace Greeley Hjalmar Schacht/1877 -1970)のことだ。シャハトは、ヒトラー始め経済音痴であったナチス幹 部らを顎で使い自分がドイツを統治するという野望を持っていたとされる。


シャハトの公共投資による完全雇用(典型的机上の空論)は 破綻し、ナチスは見果てぬ夢に誘われるまま“果てしなき経済圏拡大”を求めて戦争へ突き進む。今の日本がナチス型戦争拡大へ突入することはあり得ぬとして も、政策行き詰まりのジレンマから、大政翼賛化した野合的な政治権力が劣悪労働環境拡大と小泉劇場を超える超格差拡大型の市場原理主義フロンティアへ突入 する可能性はあり得ると思うべきだ。


このように見れば、やはり我々は<菅・民主政権にファシズム親和型の深層心理を直感する理由> を冷静に、かつ自省的に見ておく必要がある。否、それは菅・民主政権だけのことではなく、今後、仮に政界再編等の事態で日本政治が更なる大混迷期に入った とき、我々は恐らく第二・第三の<ファシズム親和型の深層心理>が跋扈する姿を目撃することになるだろうからだ。