toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

国民・国庫ヒーヒー、大企業・高額所得層ウハウハの財界・財務省・マスコミ仕掛の舞台で踊るカラ菅内閣の貧困ビジネス的断末魔

toxandoria2011-03-02



【エピローグ動画】Lara Fabian - La Difference (Live TV5)

・・・画像はhttp://bit.ly/g1QbRDより。


1 「国民・国庫ヒーヒー、高額所得層らウハウハ」となった背景


<注記>下記グラフの出典:財務省ホームページ、http://www.mof.go.jp/index.htm


(グラフ1)一般会計税収の推移・・・大きいグラフはコチラ⇒http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/003.htm


(グラフ2)主要税目の税収(一般会計分)の推移・・・大きいグラフはコチラ⇒http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm


(グラフ3)一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移・・・大きいグラフはコチラ⇒http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/003.htm


(グラフ4)所得税の税率の推移(イメージ図)・・・大きいグラフはコチラ⇒http://www.mof.go.jp/genan22/zei001e.htm


(グラフ5)申告納税者の所得税負担率(平成19年分)・・・大きいグラフはコチラ⇒http://www.mof.go.jp/genan22/zei001e.htm#02


(グラフ6)租税負担率の内訳の国際比較・・・大きいグラフはコチラ⇒ http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/021.htm


先ず、グラフ1とグラフ2を見て直ぐに気付くのは「平成3年をピークに一般会計税収、所得税法人税が見事に揃って急激に落ち込み始め(法人税は少しずれて平成元年がピーク)、三者は見事に足並みを揃えて現在のボトムに至っている(無論、途中で数回の揺り戻しも観測されるが)」ということだ。


これを、ザッと大掴みの数字で表せば「バブル頂点比で所得税が−約14兆円、法人税も同比−約13兆円という大きな落ち込み」で、「所得税法人税の落ち込み額の合計は約27兆円の巨額」である。バブル発生初期(1988)→平成21年(2009)で見ても「所得税−5.1兆円、法人税−12.0兆円で落ち込み額の合計は、やはり約17兆円の巨額」となっている。


プラザ合意(昭和60年/1985)後の、やむなく行われた大金融緩和でバブルが発生(崩壊=1990・秋)し、その結果として各税収が押し上がったので、その後の落ち込み落差が拡大したとも言えるが、ここで注目するのはそのことではない。グラフ3からは、少し開始時期はズレるが、所得税法人税の落ち込み期とほぼ並行して、対ピーク(平成2年/1990)比で平成21年の税収が−21.4兆円という巨額のDNになったことが分る。


また、グラフ4からは、昭和61年(1986)まで70%であった所得(累進)税の最高税率が昭和62年(1987)〜平成6年(1994)は50%に、平成7年(1995)〜現行は、ほぼ40%まで引き下げられてきたことが分る。片や、このような所得税最高税率の引き下げと法人税減収傾向を補う形で、平成元年(1989/細川内閣)に3%の消費税が導入され、それから8年後の平成9年(1997/橋本内閣)には、それが5%(国税4%+地方税1%)に引き上げられた。


一方、グラフ6からは、欧米諸国と較べて日本の総体としての個人所得税負担率が低いことが分るが、この点は社会保険料事業主負担の問題(日本は相対的に小さい)、社会福祉制度上の違い(最低所得保障制等)との絡みで一概に比較はできない。


ただ、これをグラフ5と併せて見ると直観できるのだが、ここから窺えるのは、1億円以上の高額所得層の人々が、かなり急傾斜の逆累進課税となっているため、日本では “より高額所得層であるほど”自らの所得に見合う応能負担から逃れている(逆に見れば、多数派の中位〜下位所得層が厳しく徴収される一方で)という現実があることだ。


また、わが国には、これに輪を掛けて高額所得層を利する課税システムが存在する。それは、大きな余裕のある高額所得層に有利な低率の申告分離課税が選択できるということだ。本来であれば、最高税率を海外並みに引き下げた時に資産所得も合わせた総合課税とすべきであったのに申告分離課税を残してきたという訳だ。


これら全ての税制と税率が低所得層からの搾取目的の作為(悪意)で設計されたとは考えにくいものの、例えば、かつて消費税を5%へ引き上げる直前のタイミングで当時の大蔵省(現財務省)が巨額不良債権の存在等に関わる消費税引き上げに不都合な情報を意識的に隠蔽したため、橋本内閣が誤った政治判断で財政再建名目の消費税率の引き上げと緊縮財政政策へ舵を切ってしまい、そのことが爾後から現在に至る超長期デフレ・スパイラルの原因になったという見方も可能である。


その結果、既述のとおりのことだが、歳入欠陥(平成3年以降〜現在におよぶ一般会計税収の必然的な落ち込み傾向)が露呈し、遂に平成21年度の公債発行額は、平成3年(1991=6.7兆円)のボトム比で7.76倍の52.0兆円(2009年)まで、公債(国債)発行累計の残高は919兆円(2010年12月末現在、http://bit.ly/g4YJHD)まで拡大してしまった。


いずれにせよ、以上を概観するだけでも、我が国の現行税制が<一定水準以上の消費性向が低い(貨幣速度が遅い)高額所得層>に異様なほど優しく、経済成長のエンジンたるべき<消費性向が高い(最低限の日常生活維持のため、やむなく貨幣速度が速く(消費性向が高く)なる)中間下位層〜低所得層に及ぶ一般国民層>に対しては非常に厳しいという、不可思議なほど不合理な徴税制度となっていることが分る。


つまり、総じて言えば<我が国における現行の税制全体が逆累進的で反経済成長的な性格を帯びている=意図的に日本の経済社会を貧困ビジネス化しているのでは?とさえ思われてくる>ということだ。


従って、この根本的な<我が国の税制度の非合理、アンチ経済成長的欠陥>の是正に取り組むどころか、逆に、この非合理に追い打ちを掛ける形で、しかもこの不況のタイミングで“明らかに逆累進性が高い消費税の税率を引き上げ、法人税を引き下げ、TPP開国に積極対応しようとする菅総理の考え方”は非合理、半狂乱どころか、まさに狂気の極みである(関連参照、下記◆)。


◆米国の対日「TPP開国」無理強いの深層、「菅政権&主要メディア」フレンジ―(半狂乱)の証明、http://bit.ly/g71U44


なお、菅民主党内閣が昨秋ごろから急に喚きだした「消費税上げ、法人減税、TPP開国」(米国の対日“社会・文化・経済についての追い剥ぎ・強盗・レイプ強要”に匹敵する、強引な“TPP開国”要求の受け入れ)の問題は、実は、ここで見た<国の現行税制が一定水準以上の消費性向が低い高額所得層に異様なほど優しく、消費性向が高い中間下位〜低位所得層に及ぶ多数派一般国民層に対して非常に厳しい徴税制度となっている=菅政権による貧困ビジネス型日本経済の設計>という現実と奥深い部分で繋がっている。


ここで言う<菅政権による貧困ビジネス型日本経済の設計>とは、菅政権の中枢を牛耳る<極左一派、米国型新自由主義(右派リバタリアン)かぶれのアカデミズム(学者)一派、官界(特に財務省と司法官僚)、財界&大労組らが、歴史も伝統文化も国民主権も民主主義もクソ喰らえで、ひたすら仲間内既得権益の保守目的だけで癒着したビザール政治権力(bizarre/奇妙な権力)化していること>を指す。


喩えれば、この現代日本のビザール政治権力の立ち位置は、売春宿・違法高利貸金業らの悪徳ビジネス、あるいは貧困ビジネス業界の酷薄な経営者の立場のようなものだ。そのことを象徴する典型的な事例が、最近起こったばかりの、あの「武富士オーナーの一族に対する2千億の税還付問題」である(参照、下記ツイッター情報)。


hanachancause 2011.02.20 21:29:58
武富士・2千億の税還付問題がタイトな国財政へ痛手(2/19日経)←のろま&臆病な最高裁判決と理不尽な年利4%に関わる法改正の遅れ、全てが司法自身の責任&立法(国会)及び厳しく批判すべきメディアの責任、全てが他人事で無責任Cf. http://bit.ly/huwt2s


hanachancause 2011.02.20 18:22:31
利息4百億+計2千億が武富士・息子へ還付の最高裁判決http://bit.ly/eLCuR2⇔「司法改革で法の支配が強まった」←コレは新聞のトンデモ解説、実は悪質税回避の手管に司法が手玉に取られてる、故に最高裁は4百億も利息つかぬよう迅速判決すべきだった。


hanachancause 2011.02.19 22:47:45
このアンバランスは何だ、普通の人間には理解不可能!→武富士・未請求の過払い利息債権者は最大で200万人、金額で2兆円程度vs還付される2千億円は俊樹氏の個人資産となるhttp://bit.ly/eLQ3yz


ともかくも、この「現代日本における貧困ビジネス型(多数派の中間下位層〜弱者層を重点捕食するタイプ)のビザール政治権力」の謎を解くキーワードは「契約の束理論、シャウプ税制、アメリカン・ケインジアニズム(偽ケインジアニズム=現代の主流経済学派)」であるが、それについての詳細は後述する。


2 国民・国庫ヒーヒー、輸出型大企業がウハウハな逃税の実情(ネオリベの屁理屈に騙されたカラ菅がバカ菅であることの証明)


逃税(逃げ税)の典型パターン(モデルケース)としては、1993〜1996年の4年間にわたり日本と米国の間で住民票を移動させることで、この間の日本国内での住民税を払っていなかったとされ、これを報じた写真週刊誌『フライデー』(講談社)が、結局は裁判で敗訴(最高裁判所講談社側の上告を棄却したため)したことが思い出される。


しかし、この問題については「法律的にも実務的にも住民税は所得税を前提にしており、住民税は実質的には「所得税付加税」である。判決が係争期間中の竹中に関する所得税の課税関係を全く検討・考慮しなかったことは税法学的に誤りである」という法律専門家の立場もあることを、我われ日本国民は客観的かつ冷静にに理解しておくべきと考えられる(参照⇒http://bit.ly/cYlU1O)。


それはともかくとして、現行の「法人税制と消費税」には<早急に是正すべき深刻な空洞化>という重大な欠陥問題がある。しかし、菅政権もメディアも、これらの点について殆ど触れることはなく、まるで天の声のオウム返しでもあるかの如く<法人減税、消費税上げ、TPP開国>の三題バカ話を繰り返し、自らのコトバに酔った菅総理などはまるでカダフィを気取るかのように、“それでも日本国民は私を愛してる!”と言わんばかりだ。オ―、気持ち悪ッ。


民主主義社会における<徴税の公平性>とは、納税義務がある人々から平等に税金を徴収する<応能負担>と、所得水準が高い人と低い人の経済格差を一定範囲内で縮小する<所得の再分配機能>ということにある。このため、貧富の格差を一切配慮せず一律に税率をかける、わが国のような消費税の不合理なありかたについて、富岡幸雄氏(大蔵事務官、国税査察官を経た租税学者、中央大学名誉教授)は次のように語る(出典:背信の税制-講談社文庫-)


・・・人間は生きるため常に物やサービスを消費する。これに税金をかける消費税は、いわば<人間それ自体に税金をかける人頭税>の如きものだ。だから、旧来の政・官・財の癒着構造による利益誘導型政治がもたらした矛盾とツケを温存するため導入された日本型の一律消費税(食料品などについてキメ細かく例外措置を講ずる欧州型付加価値税とは別もの)の税率は最低限に抑えるべきだ。そして、やはり<徴税の基本は累進型の所得税>とすべきである。・・・


<注記>逃げ税の達人(?)こと、日本ネオリベ派代表の経済学者・竹中平蔵氏は人頭税論者?(最近、カラ菅総理は・玄場・内閣府特命担当大臣を経由してネオリベを熱心にお勉強中らしい)

・・・http://bit.ly/f1Am3tより引用・転載する・・・


今日は別の、もうちょっとすごいのを引用しておきたい。(以下は、佐藤雅彦竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』(日本経済新聞社、2002)からの引用)


佐藤 (前略)いったいこの世の中に「理想の税」というのは存在しているのか、あるいはこうすればより「理想に近い税のあり方」になるはずだというのがあるのなら、最終的にはその辺までさらにお聞きしたいなと思っているんですけど。


竹中 いきなり理想の税は何かと聞かれるとすごく難しいんですけど、この話の出発点として、あえて話をややこしくさせるために答えるなら、私は人頭税というのが理想の税だと思うんですね。


佐藤 人頭税


竹中 そうです。佐藤さんにも、私にも、皆同じ金額をかけるんです。国民一人ひとりの頭数にかけるわけですから、これほど簡単なものはないですね。(後略)


竹中大臣の理想の税は、人頭税。要するに、所得が100万円の人も、所得が1億円の人も同じ金額の税を負担せよということです。これに賛成する方は、竹中氏を応援しましょう。


・・・・・


だから、消費税の値上げを論じる前に現行法人税制の盲点(消費税上げの代替財源)を、もう一度、総点検することを富岡幸雄氏は提案する。そして、その一例として富岡氏は「法人間配当無税」を取り上げる(出典:http://bit.ly/dJBbDT)。富岡氏によれば、わが国には、法人擬制説の法理(つまり、大企業を個人株主の集合体と見なす)に従うという理由で、二重課税を排除するという観点から「法人間配当無税」という優遇税制が存在する。


具体的に言えば、この「法人間配当無税」とは、大企業が他企業の株式を所有することで得る配当金を、その大企業は個人株主の集合体と見なす(米国流の<契約の束>理論による)ことで、個人からの二重課税を避けるため無税として扱うという優遇制度である。富岡氏の試算では、この「法人間配当無税」による課税除外分が過去6年間で31.7兆円あり、このうち輸出型巨大企業分が9割で、27.9兆円も存在する。このため、現行では国ベースの法人税だけで8.37兆円、年間ベースで約2兆円の財源を失っていることになる。


同じく、富岡氏によれば、この他にも様々な優遇措置が存在するうえに、意外なところにも「法人税の盲点」が存在するという。例えば、「課税ベース×税率=税額で、特に輸出型巨大企業では各種優遇措置等による対課税基準浸食(エロージョン)と税金の隠れ場(シェルター)などにかかわる意図的操作が可能となる」ので、課税ベースの空洞化という問題が起こっている。それ故、<法人税では表面税率の上下だけでは税収の実態は見えにくい>のが現実だとされる。


従って、全体の約98%が資本金百万未満の中小企業であるという日本の産業・経済の実態からすると、このような構図でエロージョンとシェルターを持つ輸出型大企業などの真の法人税率は現実的には、かなり低い(企業によってバラつくが、総じて30%程度以下になるらしい)ことになる。故に、これは相対比較の視点になるが、日本では、大企業の表面(名目)上の法人税の一部が、真面目に納税する中小企業へ転嫁される形となっている。これでは奴隷型産業構造ではないか?


因みに、これも富岡氏の試算によるが、このような観点からメスを入れてみると、メインタックスである所得税法人税の不公正(税金逃れ)の是正だけで、平成4年データですら消費税額の約2倍に相当する約12.3兆円もの税金の取り漏れがあることが分っている。今、同じことを試算した場合でも、ほぼ同様の結果、つまり少なくとも約15〜20兆円程の税金の取り漏れがあることが予想される。なんと、多数派(中間層〜低所得層)の一般国民を小馬鹿にした、まるでザルの如き法人税制ではないか!これを考えると、竹中平蔵人頭税なども一般国民を小馬鹿にした与太話である。


消費税には、輸入戻し税の問題がある。輸入戻し税の全額(2010年度で約2.5兆円)が輸出企業のまる儲けになるというのは消費税(一率付加価値税)における「消費税負担⇒転嫁の構造」にかかわる誤解だが、問題は、この戻し税の受け手が(輸出型)巨大企業に集中している点にある。


仮に、悪しき慣行として、これら輸出型大企業が、ほぼ消費税率に相当する程度の値引き要求を下請けに強制することを許すとすれば(これも奴隷型産業構造or日本経済の貧困ビジネス化?)、その値引き要求額に相当する金額は大企業側のまる儲け(大企業がストロー効果で下請けから利益を吸い上げること)になるという訳だ。これは、まるでオドロオドロしい寄生虫型経営か、あるいは吸血鬼型経営ではないか?


また、大企業の内部留保が244兆円(2009年度/前年比11兆円増)になったらしいが(http://bit.ly/ajUjxv)、これは、直接的には正社員を低賃金の非定期雇用へ切り替えたことなどのコストダウン努力の成果であると考えられる。が、それだけではなく正社員→派遣社員化による節税効果ということがあるのだ。


例えば、一部の正社員を派遣に切り替えた大手企業Aが大手派遣会社Bと派遣の利用契約を結ぶ場合、<派遣と仕入課税額控除(Bが別の派遣会社Cから外注受け入れの形を採ると仕入課税控除が可能となる/参照⇒『消費税の代表的節税策』http://bit.ly/hlQOcw)の組合わせ>で節税効果が生まれる。ただ、これには「社員に支払う給与と社会保険料の合計額」が「それを派遣に切り替えて派遣会社に払う派遣料」と同額という条件を満たさぬと節税にはならない。そして、無論、この対処方法は合法である。


しかし、問題はそれに止まらない。例えば、菅政権の目論見どおり消費税が5%→10%程度に上がると、現行の5%ではそれほど節税効果が大きいとはいえない、この方法による節税規模が拡大するため「規模の効果」が生まれて、特に大企業にとっては見逃せぬ魅力(経費節減効果)の新たなターゲット・ポイントが生まれることになる。その結果、再び、大企業等が非定期雇用拡大へ走り始める可能性が大となる。


しかも、カラ菅総理お気に入りの<平成のTPP開国>で東南アジア等からの低賃金労働力(少なくとも日本の1/5〜1/10以下の低賃金水準と国内労働力との過酷な競争となる!)へ切り替える動きが加速すれば、日本の賃金水準の劣化と失業問題は更に深刻化する恐れがある。


他方、5%の法人減税にしても、現行の経常利益に課税する課税システム上から日本の経済成長には結び付かず、せいぜいのところ内部留保の上積み、株主配当(特に外人株主はウハウハで大歓迎!)、あるいは役員賞与の増額に化けるだけだ。


つまり、その結果、苦しみが増すのは財源の欠減が増える国庫とツケ回しの結果として税負担増となる国民なので、ますます「国庫・国民ヒーヒー、大企業ウハウハ」となるだけだ。財務省が、この法人減税の愚行の意味を分らぬはずはないので、今回は財界を喜ばすことだけに目的がある(つまり、経団連・大労組と財務省が癒着している)のだろう。


無論、外形標準課税ならその意味は異なるのだが、仮にその外形課税が採用されているとしても、今度は、この不景気の最中に増税すれば、それは消費税を上げることと同義で、消費と経済活動に冷や水を浴びせることになるので、不景気状態をより悪化させてしまう。


いずれにしても、国庫と国民側からすれば、不景気の最中に法人減税することは愚の骨頂であり、このように子供でも分かる簡単な理屈が理解できないカラ菅総理は、やはり本当にオツムがカラなのか、あるいはヒョットすると国民主権などどうでも良いと考える正真正銘の冷血漢ということなのだろう。


従って、このような観点から見ても、むしろ景気を冷やし更なる税収減を招く可能性の方が大きい<カラ菅総理が掲げる「法人減税、消費税上げ、平成のTPP開国」なる三点セットのキャッチ・フレーズ政策>は、まさに狂気化した「ビザール政治権力(bizarre/奇妙な権力)」の暴走以外の何物でもない。


むしろ、ここで検証した、現行法人税制と消費税に関わる<早急に是正すべき深刻な空洞化=水もれが激しいので殆どザル化した状態の現行法人税制と消費税制の大穴>という重大な欠陥の是正に取り組むことを最優先すべきである。その方が景気を冷やす可能性は小さく、消費税を上げるよりも遥かに大きな税収増(少なくとも10〜15兆円規模以上の)が望めるはずだ。


そして、「一国経済=政府支出+民間投資+民間消費+(輸出−輸入)」であることを想起しつつ、ここで日本政府が景気対策として急ぎやるべきなのは、先ず累進所得税の上限税率を元に戻し(上げ)て、消費性向が低い(貨幣速度が遅い)高額所得層が過剰に抱え込む(滞留させるかマネーゲーム化した投機へつぎ込んで儲けている)米国ドル増刷(見境ないQE(量的緩和)で量産され続けるドル紙幣(シニョリッジ特権))に呼応して派生した過剰流動性の一部(巨大資産バブルのメタボ贅肉と悪玉コレステロール)を適正規模まで刈り取ることだ。


それでも未だ彼ら高額所得層の儲け(資産の拡大傾向)は大きいので、何処かのネオリベ派の経済学者(例えば、竹中平蔵ら?)が厳かにのたまうような、ベンチャー企業家・資本家・株主・事業主・投機家ら高額所得層がヤル気を失って景気が酷く悪化・沈滞するなどという与太話はあり得ないことなのだ。


むしろ、現在の異常なほどの全世界的な金融緩和(過剰流動性)下で発生した巨大金融資産バブルのメタボ贅肉と脂肪(悪玉コレステロール)が削ぎ取れることで、日本の経済全体が活性化するため、彼ら高額所得層にとっても日本の将来の資本主義システムが安定化するので、また彼らとて恐慌の発生などは避けたい訳だから、高額所得層自身の将来利益も持続・拡大する可能性が高くなるのだ。だから、カラ菅内閣が目指す<日本経済の貧困ビジネス化政策>は、冷静かつ客観的に見れば、まさに愚の骨頂の極みであることが直ぐ分かるはずだ。


更に、その税収増に見合う形で必要な公共投資と農林漁業・商業・ローカル産業等の地域振興策に取り組み、消費性向が低い高額所得層の過剰マネー(巨大資産バブル部分のメタボ贅肉と悪玉コレステロール)をリアル・ビジネマネーへ転移して、その部分の貨幣速度を加速する(中間層〜低所得層の賃金増と雇用増を図りつつ、日本全体の消費性向を刺激し活性化する)方向へ発想を切り替えることが肝要だ。これによってこそ、更なる内需型の景気浮揚効果と未来の税収増が期待できることになる。


3 マスメディアを筆頭に曲解されてきた前川リポートの核心的含意(成熟型へ向かう日本経済は輸出型から内需型へ国家戦略的に転換すべきということ)


プラザ合意」(1985)の翌年に「前川レポート」(中曽根康弘内閣が日米経済摩擦によるアメリカの対日強行圧力を打開するために設置した首相の私的諮問機関『国際協調のための経済構造調整研究会』による報告書http://bit.ly/139Oys)が発表された(プラザ合意の意義と、その後の日本経済への影響については下記★を参照乞う)。


★ブレトンウッズ体制以降のアメリカ・マネタリズム政策の深層≒TPPが象徴する輸出型企業至上主義(ドル蓄積型重商主義)」の幻想が二クソンショック後のドル“悪貨仕立“の罠である、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20110217


前川レポートの意義は<円高への流れに転じた為替環境に合わせ爾後は輸出型から内需型へ転換すべき>との指摘にあるのだが、その意義の理解が遍く不徹底のまま急激な大金融緩和による「バブル⇒同崩壊」を経て<無駄を正当化する自民党型の無責任バラマキの時代(失われた15年)>へ突入した。


それから15年後、本物の構造改革規制緩和=市場化・民営化への傾斜)を謳う小泉内閣(2001〜2006)が登場するが、これは新聞・TV等メディアが演出したB層戦略に基づく「小泉劇場への熱狂」がもたらしたもの。そのため、ここでも未だ「前川レポート(国家戦略的な内需重視の重要性)」の意義は正しく理解されなかった。


それどころか、内需のエンジンたるべき98%の中小企業と地方の保護を犠牲にしても輸出型大企業を優先して業績回復すればトリクルダウンで、必ず上がった利益は弱者から底辺の国民層へ向かって遍く滴ると喧伝され、それを財界・御用労組・財務省・マスメディア連合が煽りたてた(関連参照、下記▲)。


GDPの8〜9割を占める「先進国を名乗るには恥ずべき日本独特の封建的産業構造問題に苦しむ残余99%の中小企業振興策」こそが焦眉の重要課題、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20110217


そして、小泉劇場は公共事業に巣食う政治家(特に旧田中派)を悪しき構造の象徴として狙い撃ちし、方便として使われたのが「小さな政府論」(新自由主義思想)とワシントンコンセンサスであり、参謀的ブレーン役を務めたのが逃税の達人こと、竹中平蔵であった。


小泉が不良債権の強行処理をした後、2003年から株価が上昇し2008年頃まで緩やかに景気が回復した。これを小泉・竹中および財界・財務省・メディア連合は「新自由主義思想に基づく構造改革」の成果だと誇った。が、それは米国や中国への輸出増(外需への傾斜)の結果であり、現実には全国津々浦々にシャッター通りと野放図な規制緩和で発生した中小事業者らの共倒れの悲惨な姿が出現し、非正規雇用と賃金格差が拡大する超格差社会が深刻化した。


4 騙されても、騙されても“女ならぬ日本人は本当に嘘(貧困ビジネス化した政治権力&同政策)が好きなんだネ〜”


【参考動画】


プラザ合意」(1985)から現在に至る円高(ドル安)へ向かう執拗なベクトルは、ドル自体が歴史の必然的な流れの中で、それ相応の位置を絶えず求めてきたと見なすことが可能である。無論、前の記事で書いたが米国伝統のドル・シニョリッジ政策(二クソンショック後のドル“悪貨仕立“の罠、http://bit.ly/g71U44)の一環と見ることも可能であるが・・・(参照、既述の★)。


いずれにせよ、円高でドルが減価するという為替環境の下で、価値の高まる円が価値の下がるドルに対して一方的に平伏し続けるように見えるのは、筋論から言えば主客転倒でオカシナことだ。もっとも、これは減価トレンドのドル建て米国債の方が評価高傾向の円建て日本国債より各格付け機関の評価が各段に高くトップクラスであるという不可解とも絡んでいる。


この<ドルvs円/クロス逆評価>の不可解を解くカギは、成熟国家(世界最大の債権国=対外純資産が世界一、2009年・約270兆円、対2006年比1.25倍の伸長ペース/http://bit.ly/cyrpHd)としての日本政府側の産業・貿易・雇用政策の根本スタンスの採り方の如何にある。既に、1995年以降の円安対応で見られた<生産拠点の海外移転>は一巡しており、いま必要なのはこれに画期的な発想転換を急ぎ加えることだ。


仮に、更に円高が進み1ドル50円時代も指呼の間と見なすべきならば(参照:浜矩子『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』http://amzn.to/i5meqO)、海外における個々の事例の円建て表示は縮小するものの投資案件数等は拡大する(単純なドル貯込み⇒ドル減価待ちスタンスへの積極的対抗策となり得る)と考えられるので、優良海外投資のリターンである所得収支の黒字は益々増加する可能性が高い。そして、この傾向は、既述の<日本の対外純資産が世界一、2009年(約270兆円)は対2006年比1.25倍>という実績に一部現れている。


従って、いま重要なのは、政治主導で、このように殆ど不可避とさえ見えるドル高傾向への流れを、世界経済の中での成熟債権国としての日本経済の更なる基盤強化に繋げる工夫に取り組みつつ、対海外直接投資と内需活性化の両面に応用可能な方向へ発想を転換して、輸出工業系大企業特化型(無国籍グローバル企業化しつつある一握りの大企業)のドル重商主義体制から力点を移動させることである。


然るに、財界・財務省マスゴミ連合の我田引水型<錯誤シナリオ>に誑かされた菅政権は<市場原理主義・超規制緩和・工業系大企業特化型輸出依存への過剰傾斜から覚醒した>内需重視型 (地方・地域および中小企業重視型) 経済への展望に欠ける故に、「TPP開国(開国どころか日本国家の身ぐるみ売却政策!)・消費税上げ・法人減税」なる真逆の愚策で日本を根底から破壊しつつある。


因みに、何を血迷っているのか分からないが、この<真逆政策の典型>である「TPP開国へ備える聖域なき超規制緩和」を急ぎ推し進めるため、菅政権は蓮舫行政刷新担当相の指揮の下で来る3月6日〜7日の日程で派手なメディア・プロパガンダショー(ボランティアも大勢集めたB総向けお祭り騒ぎ)を企画している(参照、下記▼)。


▼ジャーナリスト・東谷暁 規制仕分けという茶番劇、http://bit.ly/fqKJuY


ところで、「平成のTPP開国」の危険性(米国の日本属州化戦略に飲み込まれる危険性)とバカバカしさについては、下記記事◆で書いたことだが、ここで少しだけ補足しておく。


◆米国の対日「TPP開国」無理強いの深層、「菅政権&主要メディア」フレンジ―(半狂乱)の証明、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20110217


TPPが原則として例外を認めぬ「非常に特殊な(日本にとっては非常に危険な)貿易自由化協定」であることから、米をはじめとする国内の農業・漁業が壊滅的な打撃を受けるとして反発する声も上がっている訳だが、何故に米国はこのように横柄な要求を日本へ一方的に押しつけるのであろうか。敗戦国日本の宿命だと言ってしまえば、それまでだが、この背景にはアメリカに特有な法思想の歴史があるのだ。ただ、留意すべきは、日本側でも、経団連と連合およびネオリベ派の学者や主要メディア・トップらが米国に対して誘い水を流した節もあることだ。


シャウプ勧告以降(現在の法人税制は1949〜50年のシャウプ勧告(参照⇒http://bit.ly/g4zC4I)に始まる)の法人税を巡る法解釈上のご都合主義(法人擬制説と法人実在説の苦し紛れのようなアドホックな使い分け)から小泉政権時代に特に目立ち始めた新自由主義政策の導入に至るまでの経緯を垣間見て改めて認識させられることがある(関連参照、下記★)。


★「財務省の論理」の出発点(シャウプ勧告と米国型法人擬制説的解釈による法人税の導入)、http://bit.ly/fhxX4V


<注記>法人擬制説、法人実在説


・・・法人擬制説は法人を出資者である個人株主の集合体と見なす(擬制する)立場で、法人実在説は法人を個人から独立した、むしろ個々人より強固で確固たる課税主体である(法人は実在する)と見る考え方である。


・・・国によって、どちらの法理解釈へ傾斜するかは様々であるが、「わが国の法人税徴収では法人擬制説の立場に立っている」ことになる。なお、民法上の法理解釈では法人実在説が採られることが多い。


それは、やはり既に約60年前のシャウプ勧告に始まる戦後から一貫してわが国は<法人を巡る法的環境>が、<契約の束>型社会であるアメリカの大きな影響下に置かれ続けているということだ。そして、ここに財務省の論理の原点があることは、もはや言うまでもないことだ。


<契約の束>とは、「企業を株主・経営者・従業員・取引先・債権者らのステイクホルダー(Stakeholder/機会利益に関する利害関係者)が個別に締結する多くの契約が束になった存在」と見なす考え方で、基本的に会社が自然の人間に準ずる特別な人格を持つ存在とは見なさぬという考え方だ。それ故、例えばアメリカの企業犯罪の多くでは企業自身が裁かれるというよりもステイクホルダーとしての個人型犯罪として裁かれることが多くなる訳だ。


このような意味での、アメリカ型の<契約の束>化した社会の特徴を短く言うならば、それは一種の捕食動物化した個々人と言う、契約を口実とする強欲ステークホルダーによる弱肉強食型の過酷な競争社会であり、それが過熱した典型事例こそ、あの2008年のリーマンショックで世界に大パニックをもたらした金融市場原理主義の暴走ということであったのだ。


このようなアメリカ型社会では、法人擬制説と特に親和性が高いもう一つの<トリクルダウン理論>の役割が期待されてきた。<トリクルダウン理論>とは、税制面・雇用政策面などから分配上の格差拡大を作為的に拡大しつつ、市場機能と雇用の超流動化を介して連鎖的にもたらされる巨額の付加価値創造の一部が少数派の川上(勝ち組)から過半以上の多数派の川下(負け組)へ向け滴り落ちる結果として、社会全体の経済水準がエンドレスに底上げしつつ向上するという考え方である。


<契約の束>理論と親和性が高いアメリカの主流経済学である新古典派経済学(ニュー・クラシカル→サプライサイド経済学/参照http://bit.ly/g71U44)には、人間の労働力も商品と見なすことが可能で、労働力としての個々の人間にも「マリアビリティ(malleability/非摩擦性、商品としての容易な移動能力)」があるという特異な考え方が存在する(出典:宇沢弘文『社会的共通資本』-岩波新書-)。


本来、我われのような普通の人間の常識からすれば、家族を抱えて一定地域の住民として日常生活を送る人間といえども“それにはマリアビリティがあるから商品化可能だ”という考え方は異常である。が、新古典派経済学(例えば竹中平蔵らのサプライサイド経済学)では、これがノーマルだと見なしている。しかも、この考え方は自由貿易論の拡大解釈的な理解を背景とするTPPに対して合法性と強力な理論武装のパワーを与えている。


つまり、もはや成熟経済で円高の日本は発展途上国から廉価な商品としての労働力を積極的に受け入れ国内のネイティブ労働力も非定期雇用化を促進し、即ち労働力の商品化を押し進め、労働力としての日本国民のマリアビリティを加速して企業の経営効率と株主配当の高度化を図るべきだということになる。そして、その経営が高度化した日本企業を積極的に外資へ開放して(買収させて)くれということになる。


また、新古典派の流れに属するアメリカン・ケインジアニズム(ケインズ解釈を誤っているので偽ケインジアニズムとも呼ばれる)には、ケインズの考え方とは真逆で「対象とする現実経済に関わるフィールドの制度的、社会的、技術的な諸条件(論理だけでは把握できない現実の人間社会の混沌とした部分)を的確に反映しているかどうかという観点」は無視して、机上の思考実験で論理的に考察した結果としての合理主義的な経済学こそが正統だという考え方がある(出典::宇沢弘文『経済学の考え方』-岩波新書-)。これも、TPPによる日本の歴史・伝統・文化の破壊を正当化する論拠となっているので、まことに恐ろしいことだ。


なお、TPPの<日本の社会・文化・政治・経済のトータルを破壊する危険性>に対する警告、およびTPP反対論にかかわる主要な情報の一部を、参考マデ以下に纏めて掲載しておく。


1/3【討論!】TPP問題と日本の行方http://bit.ly/h9QWGC


2/3【討論!】TPP問題と日本の行方http://bit.ly/hcoXns


3/3【討論!】TPP問題と日本の行方http://bit.ly/gDqLbO


菅総理は「TPP参加が人間的尊厳の破壊であることを一刻も早く自覚せよ!」→宇沢弘文東京大学名誉教授「菅政権のめざすことと、その背景(上)」http://bit.ly/eSPR1T


菅総理は「TPP参加が人間的尊厳の破壊であることを一刻も早く自覚せよ!」→宇沢弘文東京大学名誉教授「菅政権のめざすことと、その背景(下)」http://bit.ly/gEgS98


TPP反対の大義農山漁村文化協会http://bit.ly/i1Hy4l


ともかくも、財界・財務省マスゴミ連合の錯誤シナリオにかぶれた菅政権はTPPで更なる資本流動加速化を謳うが新興国の経済過熱・インフレ亢進・急激バブル化は新興諸国震源の同時多発型恐慌の恐れさえある(http://amzn.to/i5meqO)。要は今こそグローバルなバランス政策への知恵が試されているのだ。


つまり、いま先進国(震源地=米国のQE量的緩和)政策)から新興諸国へ流れ込む投機資金が逆流する資本逃避が新興国バブル崩壊の引金になるとも予想し得るので、財政悪化に苦しむ先進国景気の回復前に新興国バブル崩壊が起こらぬとは言い切れない状況となりつつあるということだ。http://amzn.to/i5meqO


故に、これは既述のことだが、累進課税強化(消費税増、法人減税ではなく)で投機バブルの過剰部分を適切に刈り取り国庫へ入れて財政再建を図る一方で、対輸出型大企業への過剰傾斜ではなく、残余98%を占める中小企業と地方産業の強化策で内需拡大へ梃入れを図るべきなのだ(関連参照:.ケインズ一般理論15章についての記述、ブログ記事http://bit.ly/g71U44への“ぴっちゃん”さまのコメント=末尾のエピローグ)。


然るに、エゴ(自己利益)剥き出しの経団連・連合・財務省・マスメディアは、<今こそ絶対に必要なグローバル・バランス政策>の真逆を菅政権へ吹き込み、消費税増、法人減税、TPPのゴリ押しを深謀しているが、日本の社会基盤(多数派の中間&低所得層)の破壊は、経団連・連合・財務省・マスメディアをも含めた、もろともの自滅であることを自覚すべきだ。


顧みると、輸出立国である故に大金融緩和で円安誘導すべしとの内需を軽視する感覚が「プラザ合意」後も伝統の如く定着してきた。そして、これが富裕層優遇の累進税最高税率緩和(低速度マネー増加策)と同時進行したため、それ以降20年に及び所得税収がダウンしたが(バブル頂点比で−約14兆円、法人税も同比−約13兆円/バブル発生初期(1988)→平成21年(2009)で見ても「所得税−5.1兆円、法人税−12.0兆円で落ち込み額の合計は、やはり約17兆円の巨額」となっている)、巨視的に俯瞰すればコレこそが日本財政悪化の核心部分と見るべきだろう。


結局、財界・財務省・マスメディアのエゴ的筋書に騙された菅政権が<市場原理・規制緩和・輸出型大企業への過剰傾斜>の流れのままで、更なる内需軽視の<TPP・消費税増・法人減税>なる真逆の対策を採るならば、高消費性向(高速度マネー)を担うべきメジャーな中・低所得層が激しく痛み日本経済が徹底破壊される恐れがあるということなのだ。


これは、まさに真逆の<錯誤の処方箋>に嵌ったカラ菅政権による『日本総貧困ビジネス化』という名の<政治的自爆劇>だ。それはフレンジー(半狂乱)という意味で、非正統な政治権力がもたらす不条理な悲劇とも言えるだろう。いい加減にしてほしい! その<フレンジー爆弾炸裂>で大きなダメージを被るのは我われ日本国の主権者たる一般国民層であるのだから。


(エピローグ)


・・・以下は、“国民・国庫ヒーヒー、大企業・高額所得層ウハウハ状態”を取り上げた当記事へのヒントを与えてくれた“ポーランド在住・ぴっちゃん”さまのコメント(to『米国の対日「TPP開国」無理強いの深層、「菅政権&主要メディア」フレンジ―(半狂乱)の証明』、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20110217)の転載・・・


ぴっちゃん 2011/02/18 01:57


以下は直観的な話で申し訳ないのですが、ケインズの一般理論の15章を読んでみると、なかなか面白いことが書いてあります。
http://www.marxists.org/reference/subject/economics/keynes/general-theory/ch15.htm


(海外のマル経の人たちの団体のサイトで原文があるのは、とても便利ですが、これ著作権大丈夫なのかなぁ?と思わないでもないのですが、ケインズが亡くなってからかなり経つので、たぶん大丈夫なのでしょうね)


市中におけるマネーの保有の動機には


1. 通常の出費と収入の間を埋めておくため、財やサービスの取引をするため、あるいは何かあって急な出費とか必要になった時のため、という動機


2. 投機に使う動機


の2つがあります。


それでなのですが、1の分は総生産を貨幣の所得速度(以下、貨幣速度)で割ったもので、このときケインズが考えていると思わしきことを簡単に言うと、貨幣速度というのはその国の税制や法規制などといった経済制度にかかわる独特の値をとるということです。そして当然のことながら総生産に対して貨幣速度が低いほど、1の分が増える。


一方、2の分は金利でその量が変化します。つまり流動性選好のことです。だいたいですが、金利が低くなるとこれが増える傾向にあるとケインズは考えています。要するに市中金利が低ければ低いほどとみんなお金借りて資産の取引でバクチを打とうとするのです。


そして、貨幣速度というのは金銭のやりとりが伴う取引の回転の速さのことですから、流動性選好(簡単に言うと投機目的の取引を選ぶこと)が増えると貨幣速度が落ちて、流動性選好が増えると貨幣速度が上がる。そして流動性選好は金利が低くなると増える傾向にあるから、貨幣速度は金利が低いほど高い傾向にある。


つまり、金利が低いと市中に出したお金が1(所得や取引や予備の動機)よりも2(投機の動機)で増えてしまう(信用創造される)傾向に陥りやすいということです。


この最後の分だけ聞くとなんだ当然の話じゃないか、いちいちそんなわかりきったこと書くなよ、と思われるでしょうが、そこに至るまでに述べたアセスメントは、以下の議論にとって、とても大事ですからそこをまず押さえておいてください。


というのも、金利を低くして1が増えないとは、ケインズは言ってないのです。というより、ケインズの説明からわかるように、増えないほうが傾向としておかしいのです。


ようするに、金利を低くして市中の投機を拡大しても、投機の拡大ほどのペースではないにしても財やサービスの取引動機や予備的な動機の貨幣保有も増える、と彼は言ってるのです。


つまり、どういうことかというと、投機の拡大がのちのちどうなろうと知ったこっちゃない、というなら、金融緩和でインフレが起こせないということはない、とケインズは言ってるのです。


だから、リフレ派のひとたちとその反対者の多くのひとたちの間で交わされている激論は、わたしには、完全に的外れに見えます。
いまの日本のような状態でインフレが人工的に起こせるかどうかというと、結論は、「起こせる」です。ただし、「そのあとのことはケ・セラ・セラならば」の条件付きで、ということになります。(あと、ちなみに「金利」というのにも中央銀行政策金利と市中で実際の取引につかわれている金利との間にかい離があり、ケインズはこれについてもとても面白いことを言ってるのですが、これはまた別の話なので省きます。)


さて、ここからが大事で、金利を下げてマネーサプライを拡大したとき、投機が拡大してしまう傾向にあるのは、低金利のほかに貨幣速度を上昇させるなんらかの要因があるということです。


それは上で言ったように、税制や法規制などといった制度です。低金利だけでなく、制度面が緩いと貨幣速度も大きくなってしまうのです。


このマクロの話は、ミクロ経済においてはたとえばどういうことかというと、減税したり規制緩和したりすると、みんな市場参入してその市場が供給過剰になるということです。歯医者を増やしすぎてその地域で歯科医院一軒一軒の獲得できる患者数が減るので利益が出なくなるということです。


出店規制が緩くて牛丼屋が価格競争して同業者やその従業員がみんな疲れ切ってしまうことです。参入規制が緩和されてタクシーが多くなって運ちゃんたちの生活が成り立たなくなることです。


つまり、これでわかるように、貨幣速度を大きくしてしまう要因は、サプライサイド経済学の「構造改革」のことなのでした。ようするにいまの経済状況では「働いたらだめ」なのです。みんなががんばると、みんなが共倒れになっちゃうのです。よく合成の誤謬といいますが、つまりそれです。


さて、じゃ構造改革をやめて法人税や消費税を引き上げたり、規制を強化したりするとどうなるか、というと、おそらくまず個人消費が冷え込み、そのため民間投資も冷え込み、雇用が縮小するでしょう。


八方ふさがり?いえいえ、そんなことはないのです。


そこでまた上の1と2の話になるのですが、これまでの話の中で頭の中で設定していた状況は、2が拡大していることです。つまりみんなが資産の市場でバクチをやっており、そこでのお金と資産のやりとりも活発で、そこでの信用創造がどんどん起きているということは、当然のことながら資産価格が上昇し儲けが出ている。


つまり2のおかげで大儲けしているリッチマンがたくさんいるのです。いまだったら投資銀行業務関係の人たちでしょう。


そしてその人たちがガッポリ稼いで、ガッポリ税金を・・・払ってないのです。


この30年間で所得税の最大税率は70%から40%にまで下がってしまいました。


だから政府はヒーヒー、投資銀行とかやってるひとたちはウハウハ。


投資家のひとたちはどんどん資産を膨らませる一方、政府は税収が減ってるので公共投資がどんどんできなくなります。社会保障の運営も苦しくなる。


そこで「公共投資は無駄だ」とか、「社会保障を改革しろ(つまり削れ)」だとかそういう議論が噴出するのです。


これは完全に的外れです。


解決は当然のことながら簡単、増税です。ケインズの話からわかることは、金融緩和をしてるなら、ちゃんと増税で国庫に入れる分を増やしなさい、ということです。


それは、ガッポリ儲けてるくせに消費性向や蓄財のスピードから考えるとたいして税金払ってなかったと言える人たちに、その儲け分から自動的にちゃんと税金を払ってもらえばいいのです。


そのために必要なのは、これも当然ながら、累進税率の強化、財政の健全化の柱はこれ以外にありません。公金によるマネー拡大の受益者たちが公金の出元に貢献するのは当然のことでしょう?所得階層が高いほどこの受益者たちで占められているのです。
ですから累進税率の強化、これしかありません。せめて30年前のように最大税率を70%まですぐに戻すことです。これで日本の財政は一気に改善するでしょう。


同じ増税でも消費税増税などもってのほかです。なぜなら公金によるマネー拡大の受益者たちほど所得が高いのですから、当然のことながら消費性向が小さいからです。


つまり消費税をはじめとした定率税制にはあきあらかにこういう意味での逆進性があり、こういった税制を財政健全化のツールにするのは、したがって完全に誤りです。消費税率を上げれば全体の民間消費が確実に冷え込みます。


定率をもちいる類の税制での増税は、その対象とする市場の過熱を抑止するのを本来の目的とすべきです。だから消費税増税はいまの経済条件ではもってのほかです。


一国の経済は、政府支出、民間投資、民間消費、(輸出−輸入)の4つの和です。したがって、政府支出を拡大する、ということでなく、政府支出が拡大できるようにすればいいのです。それは増税です。そして、上に書いた通り所得税の累進税率の強化がもっとも理にかなっているのです。


日本、いや世界のエリートでこれを主張する人はほとんどいません。みんな高額所得者たちばかりですから、自分たち自身の「階級」の不利益になることは言いたくないのです。


だから、高額所得者狙い撃ちの増税は勤労意欲を削ぐとかいうヘンテコな議論がでてくるのです。そんなのを裏付けるデータはひとつもありません。当然でしょう。高額所得者ほど消費性向が低いので、もし累進税率を強化しても彼らが蓄財できるだけの税率である限りは、人々の「ビッグになりたい」と野望は失われません。1970-80年代だって落合選手や永ちゃんは、今の二流以下の収入ですが、充分ビッグでした。


したがって、これは階級闘争ではありません。彼らが言い出せない理由を知っても、感情論は危険です。単に累進課税の強化が合理的だからこそ累進課税の強化をすべきなのです。各所得階層における消費性向や資産の平均的な伸び具合をほかの所得階層と比較することを考えれば、所得税の累進税率を強化することがもっとも合理的だというのは、簡単に理解できる話です。


理論的にはこの結論が正しいとしたら、あとはそれを実現できるかという政治力学だけの話です。日本やアメリカだと、そういう話をめぐって政界はかなり剣呑なことになりそうな気がします。世の中いろんな人や団体がいますから。


これにいちばん反対しそうな人たちはリバタリアンたちですね。より具体的に、たとえば政党を挙げれば、民主の一部、自民の一部、みんなの党です。だから自民はかなり内部改革しないと民主に対抗できる政策は、党内の構造的な理由のため、打ち出せません。
あとはまあ、構成員みんなが高額所得者となる経営者団体、そして銀行・証券・その他金融の業界、この辺はかなり反対しそうですね。彼らの資産を奪うのではなく、彼らの将来の所得に対してこれこれの分はいただきますよ、という政策なのに、きっと彼らは財産権の侵害だとかいう詭弁を使うにきまってます。


中小企業は賛成派にまわったほうがいいですよ。なぜなら財政を健全化し、公共投資の原資を作り、(おそらく同じ流れで年金などといった外の基金も改善し)、かつ中低所得者の税負担分の伸びはなるべく低く抑える、といったことにおいて一貫性をもつ政策なのですから。


一気に書いてしまいましたので、文章がかなり散漫で、きっと読みにくいかと思いますが、ご勘弁ください。何か疑問な点があれば、指摘していただければ幸いです。


toxandoria 2011/02/20 16:59


“ぴっちゃん”様 コメントありがとうございます。


とても良くわかります。ご指摘の問題点の周辺をウロウロしていた感がありましたので、論理的によく理解できました。


仰るとおりで、菅民主党政権(従来の自民政権も同穴の狢ですが)の政策(消費税上げ、法人税下げetc)のやろうとしているのは、ご指摘の論点からすれば真逆です。


ちょうど今、読み始めたばかりの浜 矩子氏の新著『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』も、ご指摘の視点とは異なりますが、菅内閣の方向性の誤り(分配軽視)も指摘しているようです。


いずれ、ご指摘の論点などを参考にさせて頂いて、新しい記事を作りたいと思っております。