toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

国民主権(三権分立)を無視し核・放射能拡散ゾンビ「国策原発」の保証人を務める“お白洲型” 日本司法官僚の犯罪(続、原発輸出編)1/2

toxandoria2011-11-05




【抜粋−1】


・・・[3−2「国策原発の保証人を務める“お白洲型”日本司法官僚」と「野田政権の原発・二枚舌国際ショー」の相乗効果によって高まる、天文学的な巨額国民負担発生の可能性]より・・・


原子力ルネッサンス>について『原発不都合な真実http://www.47news.jp/47topics/e/220023.php』が興味深い指摘をしている。それによると、米国ではオバマ大統領がいくら旗を振っても、原発立地地域の住民らによる反原発意識が高まっていることもあり、最早、リアル・ビジネス世界では政策効果への厳格な評価から天然ガスや再生エネルギーへ関心が移っているので誰も原発を相手にしていない。相変わらず原発が積極推進されようとしているのは先進国では日・仏の如き<上意下達型で効率無視(既得権益重視)の国策原発>か、中国・ベトナム・インド・トルコ・ヨルダンなど高度成長を焦る発展途上国だけだ。


だから、話はアベコベなのであって、フクシマ3.11原発過酷事故で原発が制御不能に陥る危険性と原発政策の誤りを実証的に経験した日本が先ず率先してやるべきは、<IAEA国際原子力機関/米国クリプトクラシーの代理機関)の核非拡散目的の核平和利用の手段である<原子力ルネサンスなる非効率で傲慢な詭弁に忠実な原発政策>なるアナクロ・ハイリスク政策を一刻も早く捨てる決断をすることだ。


その前提となるのが、真摯な深い反省に基づくフクシマ3.11原発過酷事故についての厳格な検証、およびその過酷な放射能汚染などに対する事故対応経験についての正確な情報を内外へ向けて積極的に発信し続けるとともに、一方で天然ガスや再生エネルギーの活用方向へ経済再生の軸足を急いで移すことだ。故に、野田政権が形振り構わず<国内老朽原発の再稼働と原発輸出>に向かって猪突猛進する現在の民主党政権の政策方向性は決定的な誤りなのだ。


【抜粋−2】


・・・[≪参考資料≫シンポジウム「脱原発から廃炉への道筋−『福島』の再生に向けて/プロローグ」(11/3、於・福島市日弁連公害環境委員会・原子力部会主催)の概要報告]より・・・


まず、いかに原発が大きな危険をもたらすか理解してほしい。そしてエネルギーはかならず自然から得るものであり、廃棄物を自然に戻すものである。


しかし、原子力については廃棄の方法が全く整っていない。にもかかわらず稼動されている。原発に限らず日本では、1960年以来、それぞれの地域がモノカルチャー的役割を担わされている。東京中心に「ここは原発」「ここは○○」といった単作型の産業となり、複合型の産業という観点からすれば弱弱しい産業になっている。


中心市街地の空洞化(シャッター通り化)は、周辺農業に展望がないことから大型店の誘致に走っていることが大きな要因。同じことが国土全体に現れているのが原発の立地。産業を複合的に豊かにするのではなく、ある種の迷惑料が払われている(一部の既得権益側の利益を守るため原発マネーのばら撒きが行われている←toxandoria補足)状況で、これは国土政策全体の問題である。


(関連参考ツイッター情報)


hanachancause 2011.11.06 08:32
これは氷山の一角、全国の原発立地自治体は原発マネーに感電して”全身総シビレ&涎ダラ〜リ”の状態!⇒電力2社から計157億円青森・東通村、使途明かさず http://t.asahi.com/4iha


hanachancause 2011.11.06 17:15
これも氷山の一角!電力会社は原発立地自治体を巨額の原発マネーでシビレさせ思う儘に操縦し各自治体から自立心を奪うとともに、そのツケを我々が知らぬ間に遣り放題で電気料金へ転嫁してきた!⇒原発集中県・福井に電力会社から匿名寄付502億円 J-CAST http://www.j-cast.com/tv/2011/11/04112147.html


【参考動画】Lara Fabian - J'y Crois(I Believe) Vidéo officielle


【参考画像】サー・ジョン・エヴァレット・ミレー『オフェーリア』

Sir John Everett Millais(1829-1896)「Ophelia」1851 – 1852 Oil on canvas 76.2 cm × 111.8 cm Tate Britain, London


・・・エヴァレット・ミレーは、ロセッティらとともにラファエル前派(19世紀アカデミズムの美術教育に異を唱え、厳密に形式化した技術規範よりもラファエル以前のイタリアの画家たちの素朴で誠実な作風の中に新たな美の再生の契機ともいうべき霊感の源泉を求めた一派)の運動を起こした画家として重要だ。また、一般にはロンドンのテート美術館が所蔵する、このシェークスピアの名場面とされる『オフェーリア』の作者として良く知られるが、挿絵画家としても名高く、特にテニスンの詩に添えた木版画が優れている。


・・・シェイクスピア作『ハムレット』のヒロインであるオフェーリアは、愛する婚約者ハムレットに父を殺されたため心を狂わせて水死する訳だが、この余りにも有名なサー・ジョン・エヴァレット・ミレーの絵画が表象するのは「純潔な少女と水と死が混然一体化し霊感的で美しく悲しい人間存在のイメージ」である。いわば、それは自然環境と一体化して、こよなく美しくスピリチュアル化しつつある人間存在の極みを描いた傑作といってよいだろう。


・・・『亡霊』とは、言い換えれば、多くの日本国民の間で漂いつつ、そこ此処のトポスでランダムに濃縮され絶えず消えては生まれる、一種の極度に不安な心理や不満の心を中核として日々に形成され続け、しかも国民一人ひとりにとっては自分自身でも掴みどころや自覚が殆どなく、まるで鵺(ヌエ)か夜叉の叫び声の如くに心の内外を駆け抜けるばかりの、遣る背なく物悲しく、そして時には美しく甘美なこともある狂おしい情念の塊のことだ。


・・・だが、未だこのように人間が比喩的な意味で『亡霊』でいられる時代のうちは救いがあると見なすべきだろう。しかし、今や我が日本では、その人間存在トータルと、それを支える自然・社会環境あるいは国土そのものが『亡霊』ならぬ殆ど『ゾンビ&ゾンビ環境』へ過剰傾斜する恐れが強まりつつある。本来、我われ人間はゾンビと亡霊の成分を宿命的に併せ持つ存在であったので、その両成分の配分の程度に応じて同じ人間が『亡霊』と『ゾンビ』の狭間を悩ましく揺れ動く存在のはずであったのだが・・・。


・・・ところで、哲学者・永井均氏による幽霊とゾンビの違いについての定義が興味深い。それによると、ゾンビとは<外見上は身体的にも生理学的にも人間そっくりなのだが、実は中身(つまり幽霊的・霊感的な意味での人間的な意識)が一切存在しない完全にヴァーチャル(計算的・抽象論理的・機械形式的・外形イメージ的)な存在者>のことだ。


・・・その逆に、永井均氏は、中身(幽霊的・霊感的な意味でのスピリチュアルな意識)は存在するが、外形的・機械形式的でヴァーチャルな身体成分を持たず完璧にメンタル(言い換えれば現象的、つまり100%スピリチュアル)な人間的存在をピンゾと呼ぶ(このゾンビとピンゾの定義の出典⇒永井均ほか著『私の哲学を哲学する』−講談社−)。


・・・また、永井氏によれば、このような人間におけるゾンビ(実は、想定的な超自我の謂いと考えられる)化の可能性を明快に示したのが、あのルネ・デカルトの『省察』における思考実験(Je pense, donc je suis)である。故に、真面目にデカルトを読んだ人が、デカルトの言説を正しく理解した瞬間から、疑う余地なく、その読者の内に存在する「私」は「想定された超自我」なる「ゾンビ化した自分」と見なさざるを得なくなるのだ。


・・・その挙句の果てとして、いまフクシマ3.11原発過酷事故後の日本を覆いつつあるのは、政府・東電らが次々と発表する<放射能汚染にかかわる偽情報(とても人間的には信用ならぬ、いわばゾンビ語と化した言語・データ情報)>に絶えず目くるめくほど踊らされながら、民主主義国家の国民として安心して生活できる生活空間(水、空気、食、住と自然・生活が調和した環境)が日々に我々の目の前から消滅しつつあるという、あの霊感的でオフェーリア的なスピリトウス(スピリット)がもたらすものとは全く異質な、そして、とてもいたたまれぬほどの不安感・恐怖感の拡がりということなのだ。


・・・つまり、このフクシマ3.11原発過酷事故後に日本を覆いつつある異様な不安感・恐怖感の正体がピンゾならずゾンビである以上は、我々の人間精神に対し良きにつけ悪しきにつけヒューマンなインスピレーションを与え続けてきたスピリチュアル(霊的)な美しい存在が、この日本の未来に帰還してくれることは今や決してあり得なくなったといえそうだ。


・・・本来、スピリチュアルなものとは、比喩的に言えば、自然や偶然の邂逅などの影響を受けがちな広義の外部経済の如きetwasであり、ケインズが『雇用・利子および貨幣の一般理論』の中で最重視したのも実はそのことであった。それこそが、我われ自身は殆ど気づかぬ人間の内的世界あるいは広範な自然・社会・文化環境の全てに繋がる無限の可能性であり、それが凡ゆるものの再生・循環・共生の希望を秘めた深層の海(米国型の“1%VS99%”搾取植民地型世界の対極)であったはずなのだ。


・・・しかしながら、最早、いま我々の目の前に見えるのはサー・ジョン・エヴァレット・ミレー作『オフェーリア』風の<美しくも霊感的で人間的な意味で甘美な死のイメージ(しかも、それは自然環境とのハーモニーを通じて新たな再生への希望にすら変わり得るもの)>ではない。


・・・それどころか、いま我々の目の前に見えるのは<放射能で酷く汚染した空気・水・食料と野田“二枚舌”民主党政権原発再稼働・原発新設・原発輸出の意欲的促進>で人心が益々荒廃するばかりの日本社会の悲惨な姿である。(注:二枚舌の意味=脱原発依存を騙りつつ、片や原発再稼働・原発新設・原発輸出を推進しようとする野田政権のイカサマ原発&バカTPP政治)


・・・しかも、それは、これから更に、おどろおどろしくもゾッとするほど悲惨な段階までゾンビ空間化の度合いを高めることになるだろう。その先に見えるのは、もはや原発ゾンビ以外は人間も幽霊も精霊も棲むことができぬまで過酷に放射能で汚染された、そして偽ケインズ主義と偽装設計主義(高々のところ、国民層の数%を占めるにすぎぬ原発既得権益層の利益を優先的に謀る目的で<自由市場主義を騙る、まことに強欲で狡猾な過剰設計主義>に蹂躙され尽くし荒廃し切った日本国土の無残な姿であるだろう。


・・・以下『〜〜〜』は、河合祥一郎編『幽霊学入門』-新書館-(p4-5)からの部分引用・・・


『人は自分を超えたところにある<何か>と繋がり、呼応するときに大きな力を発揮する。インスピレーション(inspiration)を得るというのも息を吸う(inspirate)ことで自分の中に<霊(スピリトウス)>を呼び込む謂いにほかならない。・・・途中、略・・・だから、ちっぽけな<近代的自我(デカルト)>を超えるスピリトウス(霊なるもの、時空を超えた自然環境的・精神環境的・文化的な堆積と深淵)に思いを馳せてみよう。霊について考えることは、私たち自身がこれからどのようなスピリットで生きていくべきかのヒントとなろう。ハムレットが亡霊と対話することで“生きるとは何か”を考えたように、人は霊(スピリトウス)と向き合って初めて己の生き方を知ることができるのではなかろうか。』


(プロローグ)トルコ地震(10/23)と“メツァモール原発事故(アルメニア)の情報”が意味すること


10月 25日(火曜日) 16:06、イラン・ラジオの日本向けネット版は『10/23のトルコ地震で、隣国アルメニア原発震源地、トルコ東部・ワン県から約185km)に被害』とのニュースを流した。それによると、アルメニアのメツァモール原発からの放射能漏れの量はそれほど多くはないが周辺地域で検出された放射能の量は基準値を超えているらしい、とされている(http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=22102:2011-10-25-11-37-35&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116)。


その後、日経が報じたところでは(http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E4E2E7918DE0E4E3E2E0E2E3E39494E3E2E2E2)、同じ内容を地震直後にトルコ紙が報じたため、これを否定するアルメニア側(トルコと歴史的な対立関係にある)は「トルコの反応は政治的だ!」と非難する一幕もあったようだ。その後、このニュース自体が誤報だったとの情報もあるが、真相は不明のままだ
http://wiliki.zukeran.org/index.cgi?%A5%A2%A5%EB%A5%E1%A5%CB%A5%A2%A4%CE%A5%E1%A5%C4%A5%A1%A5%E2%A1%BC%A5%EB%B8%B6%C8%AF)。


ことの真偽はともかくとして、アルメニアのメツァモール原発が<世界一危険な原発>とされてきたことは事実だ。旧ソ連時代にアルメニアが譲り受けたとされるメツァモール原発チェルノブイリ原発であり、英インディペンデント・オン・サンデー紙のフクシマ後の調査で世界442箇所のうち最も危険とされた10原発の一つ)が<世界一危険な原発>であるとされる訳については下記の記事◆が詳しいので参照願いたい。


◆廣瀬陽子:世界で最も危険な原発アルメニア原発
http://synodos.livedoor.biz/archives/1759243.html


◆大地震多発地帯、止められぬ「最も危険な原発」(読売)、
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110513-OYT1T01099.htm


それはさておくとして、ここで指摘しておくべきは、このように危険な原発が、国際連合傘下の独立機関IAEA国際原子力機関/とはいえ、米国主導で出来たため事実上は米国の強い影響下にある)の管理下にあるということだ。つまり、原発は、原子力の平和利用を促進しつつ核が軍事転用されないようにするための保障措置の実施を監視する国際機関(言い換えれば、核の平和利用を口実とする原発(核利用≒発電という一応の安全装置付の(筈の?)事実上の原爆)の推進機関であり、決して核不拡散を実行する機関ではない)であるIAEA国際原子力機関)のお墨付きを得ていることだ。


そして、ここには根本的にフクシマ3.11原発過酷事故の対応が進まず、その完全終息の見通しも立たぬ最中にも拘らず、原発利用の更なる日本経済のエンジン化を謀る財界らの強い圧力の下で、日本の原発をヨルダン・ベトナム・トルコなどカントリー・リスクが非常に高い国々へ輸出しようとする民主党政権の二枚舌政策(原子村・電力業界・原発関連政財官界・御用大労働界の野合交尾関係を前提とする脱原発依存原発輸出の促進)を支持するというIAEA国際原子力機関)のまことに御都合主義的な<詭弁平和主義=平和のための原発(≒原爆)利用>の問題が重なっている。


(関連参考ツイッター情報)


hanachancause 2011.10.26 16:52
アナトリア(トルコ)〜東アナトリアアルメニア)断層は直下型大地震の多発地帯、英インディペンデント・オン・サンデー紙のフクシマ後の調査で世界442箇所のうち最も危険とされた10原発の一つがアルメニアのメツァモール原発。日本政府がその隣国で同じ地震大国のトルコへ原発輸出を謀る不可解。


hanachancause 2011.10.30 21:17
デタラメ原発のインドと協定結ぶデタラメ野田政権、そのインドを新原発の実験場にするフランス・アレバ社のデタラメぶりも怖い!⇒日本より怖いインド流「デタラメ」原発 | ニューズウィーク日本版
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111029/k10013598421000.html


hanachancause 2011.10.26 17:52:40
地震頻度上位8カ国=中国、インドネシア、イラン、日本、アフガニスタン、トルコ、メキシコ、インド/被災死亡者数上位8カ国=イラン、アルメニア、トルコ、インド、メキシコ、アフガニスタン、日本、イタリア:1980−2000/年、http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4380.html


1 フクシマ3.11原発過酷事故への真摯な反省を放擲し「偽脱原発依存ショー」化した二枚舌ヒラメ型・野田政権(民主党原発輸出政策の無責任)


1−1 決断を迫られるヨルダン原子力協定(輸出)問題(民主党原発輸出』政策の無責任−1)/<対国内=菅政権の「脱原発依存」の踏襲、対国外=原発輸出促進>なる二枚舌ショー


(ヨルダン原子力協定(輸出)の概要)・・・http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo13/siryo1_1.pdfより


原子力発電の導入・拡大を企図する国の増加(原子力ルネサンス
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/100702.pdf)を背景として,国際的な受注合戦が激化。


● こうした中,ヨルダンは、100万kW級の原子炉を2基(1サイト)建設する計画(2014年に着工,2019年に運転開始予定)を有しており,国際的な入札により受注業者を選定しようとしている。


● ヨルダンは,我が国の安全かつ最新の原子力関連資機材及び技術に強い関心を示している。


● 現時点で受注先候補として,日仏の合弁企業,ロシア企業,カナダ企業の3社が残っており,現時点では2011年9月にも行われる見通しの選定に向け,現在,各国とも官民で働きかけを行っている。


● この協定は,両国間の原子力の平和的利用分野における協力を実現する上で必要となる法的枠組みを定めるもの(2010年9月に署名)。


協定の概要(要点)・・・当協定は、2011.3.11後の3.31に参院本会議で可決されていた。


核物質等の平和的目的に限った利用
核物質への国際原子力機関IAEA)による保障措置の適用(査察等)
原子力安全関連条約に基づく措置の実施
核物質を適切に防護する措置の適用
核物質等の管轄外(第三国)への移転の規制
この協定の適用を受ける核物質のヨルダンにおける濃縮・再処理の禁止


(ヨルダン原子力協定(輸出)の問題点)


●8/26、衆院外務委員会で採決予定であったところ、参考人の強い反対意見(ポスト・フクシマ3.11の混迷と原発絶対神話が崩れた現況下で決めたら国際的信用を失うなどの理由)で見送られた。が、閉会中審査(継続審査)扱いが可決されているので予断を許さない。


三菱重工=仏アレバの企業連合、露アトムストロイエクスポート、カナダAECLの三社が応札して、11月までに企業が選定される予定という事情で、野田政権(政府)は決定を急いでいる。


原発に関する自らの不始末、フクシマ3.11事故の決着と見通しが立たぬなかで、その決定を強行することは国際道義上からすれば、本来は許されるはずがない。


●特に、問題視されながらも、日本政府と東電が意図的に避けていると見なすべき「地震動による原発中枢部分あるいは配管等の脆・劣化部分の直接破断可能性」の問題が未解明であることは見過ごすべきでない。


●核のゴミに関わる最終処分(場)についての現実的な解決手段を持たぬままで、そのツケをヨルダンほか世界中にばらまき、最終処理の巨額負担あるいは、万が一の場合には天文学的な巨額賠償金を日本国民へ負わせることにもなりかねない原発輸出は安易に拡大すべきでない。


●野田政権は国内では官政権の脱原発依存を踏襲すると言明する一方で、原発輸出の方向性が鮮明化しつつある。これは、<日本は唯一の被爆国だ、だから核の平和利用と核不拡散の立場を堅持する>との言説を前提する立場だが、それは事実上の米国の代理機関たるIAEA国際原子力機関)と原発関連企業の詭弁代読の姿勢に過ぎない。


●だから、この不可解な二元論をフクシマ3.11原発過酷事故への徹底かつ真摯な反省なしに強行しようとする、野田政権の矛盾した非倫理的・非人道的な姿勢は醜悪ですらある。


ヨルダン王国地政学的・地質学的な特殊性)


ヨルダン王国立憲君主制/国土面積9.21万k㎡:日本の約1/4、人口630万人、その8割は砂漠地帯で死海の北東側の首都アンマンを中心とするパレスチナ側に人口が集中している)の首都はアンマンで、イスラエルパレスチナ暫定自治区サウジアラビアイラク、シリアと接する。イスラエルパレスチナ暫定自治区とはヨルダン川死海が境となっている。


立憲君主制ではあるが、首相を国王が任命する形である事実上の王権支配に近いため、国民に直接選ばれた議会から首相を選出するよう要求するムスリム同胞団やアラブ民族主義政党、左派政党らの抗議デモが時々起こっている。


●また、アブドゥッラー国王やラーニア王妃とその一族の浪費癖を批判する声明が出されたりしており、必ずしも政情が安定化しているとは言い切れない。


アカバ湾から死海を経てヨルダン川を遡り、ゴラン高原に達する直線状の谷地形は活構造帯であり、プレート境界断層でもあり、紀元前にこの地域で地震(直下型)が生じたことが判っている(画像はhttp://www.geo-yokoi.co.jp/Iseki/HrbKmrn.htmより/太線が紅海からアカバ湾、ヨルダン渓谷に沿うプレート境界断層/太線の右がアラビアプレート、左がアフリカプレート)。


●当然ながら、ヨルダンは、このような地震国であるため、基本的に核廃棄物の最終処分には適さないと考えられている。


●更に、その地質学的に見たプレート境界断層(シリア・アフリカ断層)における直下型地震の可能性に加えて、原発立地にとって危険なのは、ヨルダンが砂漠型の乾燥地帯であるため冷却水の確保が困難なことだ。


●そもそも、ヨルダンはザルカ川という小さな川があるだけで、慢性的な水不足の地域である。そのため原発用の冷却水は近隣にあるキルベット・アル・サムラ下水処理場から水を引いた貯水池を作り、その水を使うとされているが、電気が止まるとそのポンプ・アップも不可能となる(この問題点の詳細は、下記▼を参照乞う)。


▼日本ヨルダン原子力協定の愚(河野太郎ブログ)http://www.taro.org/2011/08/post-1074.php


●また、原発建設予定地のアル=マジダルは首都アンマンから北東40kmのところで、その100km圏内にはシリア南部、パレスチナヨルダン川西南地区の全域、ヨルダンの工業地帯ザルカーなどが入る。


●つまり、ヨルダン国内だけでも、この辺りにはパレスチナからの流入者も含め約600万人の人口が密集しているので、万一にも原発が事故れば甚大な被害が周辺国へ波及することが予想される。


●加えて、上の河野太郎ブログによれば、ヨルダンの政府財政は深刻な状況にあり、対外的な債務残高は2009年末で約5000億円。建設予定の二基の原子力のコストは約一兆円になるので対外債務は一気に倍以上になる。GDPが約2超円ほどの経済規模だから、このプロジェクトはGDPの半分の大きさに匹敵することになる。


●外務省のサイトでも「都市・地方間の所得格差、高い水準で推移する貧困率・失業率、慢性的な財政ギャップなど構造的な問題を抱え、依然として外国からの資金援助、地域の治安情勢、外国からの短期的な資本流入の動向等に左右されやすい脆弱性がある」という記述があり、原発建設には甚大な事故可能性に高い財務リスクが付帯することになる。


●このように、多角的にザッと検証したたけでもヨルダンへの原発輸出には大きなリスクが付きまとっていることが分かる。


●因みに、ヨルダンでは2008年に全世界埋蔵量の2%に相当するウラン鉱床が発見され、仏アレバ社が採掘権契約を結んだ。世界中のウラン鉱床では採掘後にウラン混じりの鉱滓と残土が放置されているのが現実だが、仮に計画中の原発1基100万kwが1年間稼働すると、ドラム缶700万本の鉱滓と残土がヨルダンで新たに放置されることになる(http://www.labornetjp.org/news/2011/1317956760563staff01)。


●従って、自身が国内の原発で未だに収拾の目途がつかない過酷事故を抱えながら、建前上の自己責任(原発事故対応は原発立地国の責任とされる原則)と<原爆被害国故の核平和利用の特権>なるIAEA国際原子力機関)お墨付きの屁理屈を振りかざす日本政府の態度こそ、まさに無責任の極みである。


1−2 もはや片足を踏み入れてしまった危険なベトナム原発輸出(民主党原発輸出』政策の無責任−2)


ベトナム原発輸出の概要)・・・当協定は、2011年1月に署名されていた。http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo13/siryo1_1.pdfより


原子力発電の導入・拡大を企図する国の増加(原子力ルネサンス
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/100702.pdf)を背景として,国際的な受注合戦が激化。


● こうした中,ベトナムは,南東部ニントゥアン省ビンハイ村の2サイトに100万kW級の原子炉を各2基(計4基)建設予定(2009年11月、国会承認済み)。さらに2030年までに追加的に計10基の原子炉を建設予定。


● 第2サイトの2基の建設については,2010年10月に日本が協力パートナーに決定。1号機は2021年運転開始予定,2号機は2022年運転開始予定。現在,フィージビリティスタディの実施等必要な作業について協議を行っている。


● この協定は,両国間の原子力の平和的利用分野における協力を実現する上で必要となる法的枠組みを定めるものであり,上記の協力パートナーの決定を踏まえた将来的な原子力関連資機材等の移転を実現するためにも早期の締結が重要(2011年1月に署名)。


協定の概要(要点)・・・


核物質等の平和的目的に限った利用
核物質への国際原子力機関IAEA)による保障措置の適用(査察等)
原子力安全関連条約に基づく措置の実施
核物質を適切に防護する措置の適用
核物質等の管轄外(第三国)への移転の規制
この協定の適用を受ける核物質のベトナムにおける濃縮・再処理の禁止


ベトナムにおける地震の可能性について)・・・http://www.hotnam.com/news/080528073635.html
http://fromvietnam.sblo.jp/article/34268557.html
より


画像はhttp://news.livedoor.com/article/detail/5816791/より



●2011.8.15-17日、原発設置予定地のニントウアン省で行われた第9回原子力科学技術全国会議で、ベトナム原子力エネルギー協会のチャン・フー・ファット会長は「建設予定地内に断層があるので、予定地を変えるべきだ」と発言している(http://news.livedoor.com/article/detail/5816791/)。


●いままで、ベトナムは地質構造の上から比較的安全な位置にあると見なされてきた。そして、北部でのみマグニチュード6以上の地震が起きる可能性があるが、南部ではM5.5以下しか起こらないとしていた。


●が、近年は「この考えは改めなければならない。いつ起こるかはわからないが、ホーチミン市(南部)の軟弱な地盤はM5程度の地震で深刻な被害となる可能性がある」と指摘されるようになった(南部地質図協会、ドン・ファン・リン氏)。また、同協会のキャット・ニュエン・フン氏は「サイゴン川断層沿いにM1.2〜1.8の地震が起きる兆候があり、サイゴン川断層は現在も活動している」と語っている。


●結局、ベトナムでも50年に一回はM6〜7クラスの地震が起こっており、この100年でM6クラスは32回、M7クラスは3回も起きているということのようなので、地質構造上から安全でベトナム地震国でないという認識は急速に改められつつある(http://fromvietnam.sblo.jp/article/34268557.html)。


<注記>関連情報


VIET-JOニュース:「もしもハノイ地震が起こったら」
http://www.viet-jo.com/news/special/050501121855.html


HOTNAMニュース:「ベトナム地震対策――ホーチミン市、M5で深刻な被害」
http://www.hotnam.com/news/080528073635.html


ベトナム原発輸出の問題点)


●第1サイトの原発2基はロシアが受注したが、第2サイトの2基については、2010年10月の日越首脳会談(菅政権)で日本が受注する予定となった。このため、通産省が本年度に20億円の予算を計上しており、目下、日本原子力発電http://www.japc.co.jp/)がFS(事業化調査)に取り組み中だ。


●一方、ベトナム原発については、最近になって認識が改められつつある表記の直下型地震リスクの他に、管理能力そのもの(ガバナンス)についての、途上国ならではの脆弱性が指摘されている(参照⇒
http://news.livedoor.com/article/detail/5816791/)。


●最も根本的なこととして、そもそも原発の立地地域住民(漁業、果樹栽培、農業が盛んな地域)が原発を望んでいないということがあることに加え、特殊な政体(ベトナム共産党による事実上の一党独裁政治/国土面積329,560km²、日本の約90%相当/人口約8,400万人、)ゆえの、事故や安全にかかわる情報公開の制限(秘匿性)の問題がある。


●更に問題とすべきは、ベトナムなど途上国向けに日本が進めている「パッケージ型インフラ展開」の手法による原発輸出政策だ。「パッケージ型インフラ展開」とは、言い換えれば、日本国内で進めてきた公的資金の先行・同時投入(原発マネーのばらまき)による海外版「原発銀座」の形成である。


●具体的に見ると、原発関連への融資(財務省所管特殊会社国際協力銀行JBICルート)、人材育成・研修等への技術協力支援(経産省所管・国際協力機構JICAルート)、原発受注誘導の事業化調査FS(同JBICルート)、現地取引企業の債務リスク用保険(経産省所管独立行政法人日本貿易保険NEXIルート)などである。


●これら、海外版「途上国向け原発銀座」形成のための諸組織が財務省経産省所管の天下り組織であることは言うまでもないが、特に注視すべきは、ここで投下された巨額「海外版原発マネ」ーの照準が日本の原発関連メーカーを向いていること、万一にも原発事故等で投下資金の焦げ付きが発生すると、それら全てが日本国民の重い税負担となり帰ってくることだ。


●因みに、ここ約10年間で海外版「途上国向け原発銀座」形成で投入された日本の公的資金の累計は、少なく見ても約1.2兆円の巨額となっている。無論、これにはJBIC、JICA、NEXIら“広義の原子村系天下り組織”の人件費等は入っておらず、それは純然たる「途上国向け原発銀座マネー」の部分だけの話である(参照⇒http://jp.devex.com/news/nuclear_ngo.html)。


●加えて、脱原発依存の方向を菅政権から引き継いだはずの野田政権が、今や、フクシマ3.11過酷原発事故の甚大な被害拡大と国民の苦しみも物かはの感じで、この原発トップセールス(海外版「途上国向け原発銀座」形成戦略)の方向へ、殆ど猪突猛進と言ってよい姿で走り始めたことは<過酷な原発危機or事故の海外編>再来を予感させる。


●それは、万一にも輸出原発が過酷に事故れば、そこで必ず発生する巨額賠償金まで日本国民へ覆い被さって来る可能性があるからだ。が、その詳細は後述する。ともかくも、このような角度からみても、フクシマの過酷な経験を無反省の儘にした、些か破れかぶれにすら見える民主党・野田政権による『原発輸出』政策の促進は無責任の極みである。


1−3 日本原発の「絶対安全、環境保全、経済性」などを騙る、フィンランドポーランドへの原発輸出(民主党原発輸出』政策の無責任−3)


フィンランド原発をめぐる概要)


(1)フィンランド原発とエネルギー事情


●ロイター通信などによると、10月5日にフィンランドの電力会社フェンノボイマが、福島第1原発過酷事故後では世界初の原発新規立地となる新しい原子力発電所を同国西部のピュハヨキに建設すると発表した。


●総事業費は40〜60億ユーロ(4100億〜6100億円)で、フェンノボイマは東芝とフランスの原子力大手アレバに入札参加を促しており、2012年か2013年に2社のうちから建設業者を決定して2015年の建設開始を目指すとされている。


●福島第1原発の事故後にフィンランド政府の指示で建設計画に対する安全の確認作業が行われたが、計画継続を問題視する声は国会議員の中に殆どなかったとされる


フィンランドは、歴史的・地政学的理由で、ロシアから輸入する石油や天然ガスへの依存状態を改善するため更にもう1基原発を建設する計画で、将来的には原発は7基となる見通しだ。


・・・以下◆は、「靴家さちこ/フィンランドで福島事故後はどう見られたか」
http://www.realiser.org/report/lifestyle/article/index.php?id=300より転載・・・


◆北海道の総人口よりやや少ない530万人が住むフィンランドには日本の約9割の国土面積に2か所の原発、4基の原子炉が設置されている。


◆長い冬の寒冷な気候と暗さと、製紙・パルプ産業に支えられた国の経済事情からしても、国民一人当たりおよそ16,000 kWhという大量な電力が必要とされ、電力の30%は原子力に頼っている。


フィンランドは、欧州ではフランスと並ぶ<国策の原発推進国>であり、フクシマ3.11以前から予定されていた1基の原子炉も、現在建設計画がされている原子炉2基も建設は予定通り続行されている。


放射能の危険は良く知られているものの、<原子力ベースの電力は廉価であるという考えが広く共有されている>フィンランドでは、北緯60度前後と高緯度な地形でオゾン層破壊の脅威にさらされているため、CO2を排出するエネルギーへの後戻りは許されない。


◆ウランも国内に埋蔵しており、天然ガスや石油をロシアの輸入に頼るのは、政治的にもできるだけ避けたいという事情がある。さらに硬い岩盤に覆われ、体感できないほどの地震が年に数十回起こるだけという地形上、地震への脅威は無い。


(2)フィンランド国民の「原発新設とフクシマ後の日本」に対する考え方、及びその評価


・・・既述の<「靴家さちこ/フィンランドで福島事故後はどう見られたか」
http://www.realiser.org/report/lifestyle/article/index.php?id=300>を参照しつつ、以下に要点を箇条書きで纏める・・・


フィンランドでは、古く硬い岩盤の国土で地震への脅威がないこと、ウランが国内に埋蔵されていること、最終処分場(ヘルシンキから北西240キロ、オルキルオト原発から東に約1キロの場所にあるオンカロ)が造られたこと、安全が十分に確保されていると理解されていること、などに加え既述の地政学的事情(ロシアへの資源依存から出来得る限り距離を置いておきたいという政治的事情)と原発の経済性への信頼から過半以上の国民が原発を支持している。


●しかし、<このようなフィンランドの事情と諸条件は日本には当て嵌らないので、フクシマ3.11原発過酷事故が起こった日本は原発の利用を直ぐに止めるべきだ>と多くのフィンランド国民は思っている。また、フィンランド国民は、日本で今回起こった不幸な境遇を非常に心配しており、この不幸な出来事に心から深く同情している。


●無論、自国の原発の危険性と日本原発の絶対安全への疑義などを懸念するフィンランド国民も少ないわけではない。このため、フィンランドも再生エネルギーの拡大へも力を入れ始めており、緑の党、グリーン・ピースだけでなく一般市民による反原発デモも起こっているが、まだ過半超の国民はフィンランド原発を安全だと理解している。


●<フィンランドと日本が置かれた諸条件の違いを前提にすれば日本は原発を直ぐ止めるべきだが(直ぐ止めても代替エネルギーへの転換が容易な環境にあるので)、環境条件から再生エネルギーの可能性が小さいのでフィンランド原発を続ける>という選択的な考え方は、なるほど合理的といえる。つまり、<分かり切ったリスクを犯してまで、しかも事故の収束と十分な検証・反省もない儘に原発再稼働のムリをしようとする日本の考え方がおかしい>ともいえる訳だ。


●それに、自国の原発政策を支持するフィンランドの国民性には、その前提となることがある。それは、フィンランドには一貫して民主主義を深化させてきたという、政治環境と国民自身に自負できるだけの歴史があることだ。


●それは、国民一般の意思と政府の意思(政策方向)を極力一致させようとする厳しい努力、言い換えれば、それはフィンランド国民が自己責任で選択した結果であり、それが政府に対する信頼の基になっている。“無党派層には寝ていてもらった方が日本のためだ”などとの不埒な本心を隠して、国民を騙し続けてきた(今も騙している)日本とは、この点が根本的に違う。


●ただ、原発の安全性の根本(圧力容器等の脆性劣化、配管劣化・破断の問題など)と原発の経済性の問題については、フクシマ3.11過酷原発事故およびドイツの脱原発決定の根本理由とプロセスなどからフィンランドも学ぶべき点が多いはずであり(詳細は後述)、ここからフィンランド脱原発へ転じる可能性は残されている。


●従って、日本政府は原発フィンランドへ売り込まんとする経産省原発メーカーや財界の要求に流されてトップセールスに突っ走るだけでなく、フクシマ3.11過酷原発事故の十分な検証と反省に関わる情報を正直にフィンランド側へ伝えるべきだ。さもなければ、民主党・野田政権の『原発輸出』政策は国際詐欺師的な無責任ということになる。


ポーランド原発計画について)


(1)ポーランド原発計画概観


●自由化(1989)後のポーランド経済は順調に推移しており、ポーランドの2009年の経済成長率は1.2%で、欧州連合EU、加盟2004)の中で唯一成長を達成した国となり、同国の1人当たりGDP国内総生産)が2009年にEU平均の50%から56%に拡大したが、これは過去最高の伸びであった。


●2010年も世界的な大規模金融緩和の環境下でその経済成長は維持され、現在のポーランドはヨーロッパ随一の経済成長国であり、2011年7月からはEUの議長国を務めている。


●このポーランド(国土面積312,685km²、日本の8割程度、人口3800万人)には、1980年代初めに原発建設を決定したが、チェルノブイリ原発事故を深刻に受け止めた議会が1990年11月に原発建設計画を中止した経緯がある。


●しかし、このような絶好調の経済成長故の更なる電力ニーズ、火力発電源である石炭(自給率100%で電力源の約9割)により環境汚染の悪化が進んでいる、それに次ぐ天然ガス資源(電力源の3%)をロシアに依存している(フィンランドと同様に、ロシアからのエネルギー資源上の影響力を小さくしたい歴史的・地政学的願望がある)、欧州最古の地質の一部で地震の心配がない(ただ、今までなかっただけで絶対ないとは言えないが)、などの事情から、原発の本格導入の準備に入っていた。


(2)対ポーランド原発輸出の動向


●2011年10月9日に投票が行われたポーランド総選挙でトゥスク首相の続投が信認されたことを受けて、ポーランド国営電力PGEが、11月から同国初の原子力発電所で使われる原子炉2基の入札を開始すると報じられた(2011/10/17、参照⇒
http://www.emeye.jp/disp%2FOEE%2F2011%2F1017%2Fstockname_1017_010%2F0%2F1/)。


●入札額は最低でも350億ズロチ(約8600億円)と、同国の入札史上最高額になるとみられ、入札に関心を示したのは日立製作所と米複合企業大手GEの合弁会社日立GEニュークリア・エナジー東芝傘下の米原子力大手ウエスチングハウス、世界最大の原子力複合企業アレバとされる。


●このほか、日本の三菱商事韓国電力公社(KEPCO)、三菱重工業とアレバの合弁会社ATMEA、カナダ原子力公社(AECL)もPGEの説明会に参加している。原子炉の入札は来年1月に締め切られ13年に落札者が決定する予定、原発の第1号機は20年に稼働する計画となっている。


●また、先手を狙ったGE日立ニュークリア・エナジーは9月28日にワルシャワのエンジニアリング会社「エネルゴプロジェクト・ワルシャワ(EW)」とポーランドでの原発建設に向けた協力関係で覚書を締結したことが報じられている(参照⇒http://www.sankeibiz.jp/business/news/110729/bsc1107290942002-n1.htm)。


(3)ポーランド原発計画についての問題点


●6月の時点で、トゥスク内閣の連立与党の一部からは、フクシマ3.11過酷原発事故を受けて、国民には懸念の声もあるので国民投票を実施すべきであるという声がでていること、あるいはドイツ・ブランデンブルク州政府(ポーランドと隣接する地域)が、原子力発電所の建設計画について再考を求めるようポーランドへ働きかけているとの情報もある。


ポーランド緑の党や市民の一部からは根強い反原発の声もあり、例えばビシニフスキ・再生エネルギー研究所長のような「再生エネルギーと効率的な石炭火力を使えば原発は要らないのに政府が無視している」との指摘もあり(http://www.emeye.jp/disp%2FOEE%2F2011%2F1017%2Fstockname_1017_010%2F0%2F1/)、ポーランド国民の中には、自国の原発の危険性と日本原発の絶対安全への疑念をもつ人々も多い。


●トゥスク内閣は10月9日の総選挙の信認の結果で国民投票がスルーできると考えているようだが、2013年に落札者が決定するまでの間における反対派の動向次第では、必ずしもそのように運ぶかどうかは分からない。それは、フクシマ3.11過酷原発事故後に行われたアンケート調査では反対派が若干上回っていたという情報もあるからだ。


●今のところトゥスク内閣への国民の支持とビジネスレベルでの内外企業の積極さが目立っているが、ポーランド国民の意思しだいという状況なので、いずれになるとしても、その結果についてはフィンランドと似たような事情(脱原発の可能性も視野に入る得るだけの十分なフレキシビリティを市民が持っている)だと理解すべきだろう。


●ただ、ここでも際立つのは、原子村・原子力業界・関連財界および同大労組勢力と一体化した民主党・野田政権の積極的な原発トップセールスの動きであり(脱原発依存の菅政権もしたたかな二枚舌政権であった訳だが、政権交代時に野田政権が国民向けにヒラメ・スタイルの一芝居を打って、その二枚舌政策を巧妙に引き継いだ結果としての)、それは2010.3.31に経産省(菅政権)とポーランドが結んだ「原子力協力文書(下記★)」に明瞭に表れている。


★エネルギー安全保障と地球温暖化対策の観点から結ばれた、ポーランドとの原子力平和利用に関する協力文書http://www.meti.go.jp/press/20100331006/20100331006.pdf


・・・以下は、(続:原発輸出編)2/2 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20111106 へ続く・・・