toxandoria:旧「toxandoriaの日記」

W,Ⅴ.O.クワインによれば、地理や歴史から物理学や数学、論理学までに至る知識や信念の総体は周縁部(フリンジ)でのみ経験と接する人工の構築物ないしは「境界条件が経験であるような力(持続的ダイナミズム)の場」とされ、この描像の下で理論(又はイデオローグ)と合致しない観察結果が得られたとき生ずるのは何らかの特定の仮説の撤回ではなく、信念体系内部の各命題に割り当てられていた真理値の再配分であり、そこには多くの選択の余地(つまり無限の可能性が絶えず拓ける状態)がある。中山康雄著『科学哲学』(人文書院)

■「リアル意識(感性・知性)Vs 実在(自然)」での地球誕生ら「メイヤスーの祖先以前性」の覚醒と、「リアリズム倫理」即ち“理由の空間”の展相(ポテンツ)の二点を喚起するのが“原因の空間”たる数学!∴ コンシリエンスこそが必須!(5/5)

■「リアル意識(感性・知性)Vs 実在(自然)」での地球誕生ら「メイヤスーの祖先以前性」の覚醒と、「リアリズム倫理」即ち“理由の空間”の展相(ポテンツ)の二点を喚起するのが“原因の空間”たる数学!∴ コンシリエンスこそが必須!(5/5)

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・・・Claude Monet『The Magpie』c.1868-1869. Oil on canvas. Musée d'Orsay, Paris, France.・・・

・・・note版はコチラ! https://note.com/toxandoria2/n/n4ea0f2eba0e6 

[前置] 特に「当内容と関連性がある過去記事(note版)」は下記(■)。
・・・■科学と倫理の距離は近い!/大格差、人間の壁がDX肥大症化!「リーン高度生産性Vs伝統労働力」はAI構造災に非ず重力・変分原理ら科学「知」に関わる根本的な誤謬 or 作為(Pseudo)の人災! https://note.com/toxandoria2/n/n7f729

 

(エピローグ) 「デカルト」と「メイヤスー(ポスト・カント哲学(ポスト・モダン思想)批判)」の狭間で想うこと・・・

ただの「思う」とは異なり「想う」とは自分の心で考えること(できれば、一人でも良いから愛すべきヒトらのことを意識しつつ)、更に言い換えれば内外のエトノス環境(Cf.→ 『原因の空間』(エトノス環境1)/第1章 D.デイヴィッドソン「トークン同一説」/非法則的一元論、…)らについて深く多面的に考えること。

それは、たとえどれほど優れたアンドロイド・ロボットが実現しても、かりに自分がアバターと化してメタバース(旧フェイスブック製)の中へ入れたとしても(w!)決して再現ができない、この宇宙で一回性の個性的なブラウジングによる<生の実存>である

(関連)アンドロイドで人そっくりの表情を実現し、心理学実験で検証=理研など ほか20220211宇都宮 充:PC-Watchニュース、https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1387741.html

(関連)・・・カズオ・イシグロの小説『日の名残り』において、貴族の館の執事だったスティーヴンは、伝聞と記憶を含めて一人称で第二次大戦前後のイギリス社会を語るそこには忘却からくる微妙な矛盾が含まれその重層性ゆえに全体としてリアルな世界が描き出されている物理学は、一人称で語りうるだろうか?…[森田邦久編著『現在という謎/時間の空間化批判』(勁草書房)、“あとがき”の冒頭より転載]https://note.com/toxandoria2/n/n7f729d5bf46c

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(関連)Roots 生命起源への旅/2月10日 木曜 22:00 -23:00 NHK BS4K、https://bangumi.org/si/-1?si_type=20&event_id=16547&program_date=20220210&service_id=101

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・・・およそ40億年前に地球上に登場したという最初の生命。どのように誕生したのか、壮大な物語が浮かび上がってきた。私たちの真のルーツをたどる。語り 萩原聖人&坂井真紀

・・・地球誕生後、隕石によって、様々な物質がもたらされたと考えられている。そこから生命に必要なタンパク質や遺伝子の材料がどうやってできたのか、どのようにして生命が形作られたのか、私たちのルーツは今もナゾのままだ。太古の地球で何が起きていたのか?日本の研究者たちが、常識にとらわれないアイデアで、壮大な仮説を組み上げていく。「生命繁栄」を支えるのに欠かせないものとは…?普遍的メッセージが浮かび上がる。

・・・[内容の要点/地球生命誕生の“ルーツが判明か?/「生命誕生に関わる“炭素グラファイト鉱物の発見”、そして“アミノ酸RNAリボソーム”の自己生成...」(...以降は省略)に関わる強力な仮説が浮上!]

(1)2017年、約40億年前の地層(地球への隕石衝突で月ができた45億年前から約5億年後の地層/カナダ、ラプラドル半島)で直径0.1ミリのルーツ物質(グラファイト“炭素鉱物”の微粒子:現在生きている生命と同成分構成の炭素)を発見(東大・小宮 剛教授/理学部 岩石学)。(2)…タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち11種類は隕石由来だが、9種類の出来方が謎だった...ので、「隕石に含まれる鉄やニッケルの合金(化学反応を促進!)に着目し「一段式火薬銃/衝撃圧縮装置」で人工の地球原始ガス(窒素、炭酸ガス)と水を注入したカプセルを約20万気圧で圧縮する実験を行った結果、「グリシン、アラニン」の二種類のアミノ酸ができた!故に、より高圧の隕石衝突が多発していた原始地球ではその他の7種類のアミノ酸も隕石衝突で作られた可能性が高いとの仮説が成り立つ(東北大・古川義博准教授/理学部 地学)。(3)タンパク質のRNAの四種の構成単位の間では「二種(核酸塩基、リボース)が共通単位」であること、および「核酸塩基とリボースが原始地球に存在した」のは知られていたが、その四種の構成単位が出来るプロセス解明が困難だったので、先ず原始地球にあったとされる「a水、bリボース、c N‐イソオキサゾリルウエア、dホウ酸」の組み合わせを加熱し、熱した砂上へ一晩放置したところ「e RNAの前段階物質」が形成された。更に、組み合わせ「e+水+鉄(反応促進物質)」を加熱したところ、シチジン(RNA構成単位の一つ)が生成された。そして、残る一つのRNA構成単位の生成方法も判明した!故に、原始地球環境の時にすでにRNAは出来ていたと考えてよいことになる!(岡村秀紀/東北大助教/多元物質科学研究所) (4)そのRNA(原始地球に存在した)とタンパク質の相互作用を見るため、「一つのRNAに対し1兆種類のタンパク質」を組み合わせて反応させたところ、幾つかの「RNAと一体化した構造」が出現し、その内の一つがリボソーム(RNAの情報からタンパク質を合成する装置)であることが分かった。(藤島浩介/東京工業大学准教授/地球生命研究所)...、(以下、省略)

◆[参考画像]水のイマージュ2@tadanoossan2/【QT】NGC1672(南天の「かじき座」の方向およそ5000万光年先にある渦巻銀河)の周囲に写る無数の光点の多くが遥か遠方にある銀河の輝き。NGC 1672の周囲に写る無数の光点、その形態が判別できぬ程小さく写る銀河にも数百億、数千億の星々、それらが夫々の歴史を歩む宇宙の広大さに気が遠くなる!→地球を凝視する「目」の様な渦巻銀河 ダークエネルギーカメラが撮影0209 sorae https://news.goo.ne.jp/article/sorae/world/sorae-sorae-85859.htmlhttps://news.goo.ne.jp/article/sorae/world/sorae-sorae-85859.html

スクリーンショット 2022-02-10 173506_Rを拡大表示

午後5:39 · 2022年2月10日·Twitter Web App https://twitter.com/tadanoossan2/status/1491693217880117251

(果たして時間と空間は実在するのか?)

カントは、著書「純粋理性批判」のなかで<時間と空間は、我われヒトが感性によってアプリオリ(直感的)に理解しているものだ>と説いている(逆説的に言えば、もし感性がなければ(or希薄であれば)オミクス生命論どころか時間も空間も理解できない?)。無論、ここで言う「時間と空間」は、あくまでも“哲学の世界”での「時間と空間」のことだ。

そして、同じく「時間と空間」に関わる<哲学と科学の間における認識の差異i.e.“メイヤスー・祖先以前性”の問題!>はどう埋まるのか?という疑問が湧いても当然である。無論、見方しだいであるが、これら両者の溝は中々埋まるものではなく、また無理に埋めようとする必要もないだろう。因みに、より厳密に見れば此れら時間と空間に個体生命であるヒトの認識(意識)を加えた三者の間において、真理値の階梯のようなことを考えるべきかも知れぬが、この点については別途に考察してみたい。

ただ、次に触れる「ヒッグズ機構」(ビッグバン以前の宇宙?も視野に入る)と「量子宇宙論」(Cf.→既出↑(関連情報エトセトラ)量子宇宙論的描像/佐々木節(元・京都大学基礎物理学研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授))らの登場によって、この両者の間の溝の問題が更に新たな展開を見せつつあるともいえるようだ

一方、橋本純一郎著「空間は実在するか」-インターナショナル新書-によれば、この宇宙に存在する質量を持つ物質は、宇宙の始まりから存在したのではなく、ビッグバン後の<ヒッグズ機構の作動>という後天的な出来事で生まれたとされる。そして、この「ヒッグズ機構」は、2012年7月4日に“CERNの2つの実験グループ”が「ヒッグス粒子」を発見したことによって確実視されることとなったhttps://go.nature.com/3BbHrjL)また、ヒッグス粒子を発見したアングレールとヒッグスは、2013年度のノーベル物理学賞を受賞している。

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そこで、この場面では「ミンコフスキー時空(数学上の空間)」を登場させる必要がある。実数と虚数が織りなすミンコフスキー時空は一般相対性理論(発表/1915~1916/演繹的理論)から導入された数学上の空間だが、それは「物理学ではミンコフスキー空間と呼ばれる)もので、アインシュタインの師であるヘルマン・ミンコフスキー(ドイツの数学者)が特殊相対性理論(操作的な実験観測)を定式化する枠組みとして導入した

そして、それは通常の三次元空間(ユークリッド空間)に時間と光速度を乗じた次元を加えた数学上の四次元空間(つまり時空)である(下図)。また、一般相対性理論で時空は物質の存在で歪むこととなり、この歪みが重力の正体であると説明されるhttps://mcm-www.jwu.ac.jp/~physm/buturi17/soutaisei/minko.html

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しかし、“真空のエネルギー(素粒子物理学における真空のエネルギーhttps://astro-dic.jp/vacuum-energy/が熱(転移熱)を持つ火の玉となり、ビッグバンを引き起こしたというインフレーション理論(言い換えれば、佐藤勝彦・東大理学部教授の『真空の相転移』論https://bit.ly/3uLz11chttps://astro-dic.jp/phase-transition-of-vacuum/)”によるビッグバン(ヒッグズ機構の作動)より前の「観測可能な宇宙の果て」がどうなっているかは分からないのが現実である

ただ、その更なる先にはマルチバース(多元宇宙)論らも登場しているが、“質量を持つ粒子も、時間も、空間も存在しないという「宇宙論の果て」を考える場面では、益々、従来にも増して数学・量子理論・重力量子論・物理学(物性物理)らの役割が重要となっているのは確かである(↓画像の出典:ビックバンモデルを正しく理解する/東京⼤学⼤学院 理学系研究科 物理学専攻 須藤 靖・教授 http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/mypresentation_2020j.html)。

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(参考/関連再録)マックス・テグマーク・著/谷本真幸・訳「数学的な宇宙(多宇宙理論) 究極の実在の姿を求めて」(講談社

・・・いまいちばんオリジナルな物理学者、マックス・テグマークが導く過去・現在・未来をたどる驚異の旅物理学、天文学、数学をもとに、著者は大胆な仮説「数学的宇宙仮説」――私たちの生きる物理的な現実世界は、数学的な構造をしている――そして、究極の「多宇宙理論」を展開します。人間とは何か?あなたは時間のどこにいるのか?人間は、取るに足りない存在なのか?多くの科学者、数学者から称賛を集めたまったく新しい万物の理論! https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0361240 <注>マックス・テグマーク(Max Erik Tegmark)・・・スウェーデン出身の理論物理学者・宇宙論マサチューセッツ工科大学教授。

・・・

同時に、更なる「新(素?)粒子」の発見(Cf.→特に下の『ヒッグス粒子の記事』で『今後の展望』の項を参照!)、ニュートリノ、ニュートラリーノ(ダークマター(暗黒物質)の証拠?とされる理論上の粒子)、重力波などの、新たな「宇宙観測」の課題への挑戦が次々と進行しつつある

(参考)【結局、その答えは“わからない!”が圧倒的に多数派!?/苦w】宇宙の果てには何があるの? 専門家に聞いてみた 2021111ギズモード・ジャパン、https://bit.ly/3gLukfq

(参考)【マルチバースの問題】残された謎[ホーキング博士、最後のセオリー:彼が多元的宇宙について考えた多元宇宙論(multiverse)とは?]…「宇宙定数」の正体を追え:一般相対性理論、L.M. クラウス(ケース・ウェスタン・リザーブ大学) M. S. ターナーシカゴ大学)/日経サイエンス https://www.nikkei-sci

(時空(時間と空間)はヒトを含めた動物がもつ還世界の幻想、ファンタジーなのか?)

◆(再録)「宇宙の果て」までの距離に通過した領域はその後の宇宙の膨張により(座標軸も)引き伸ばされているので、光が通ってきた経路の長さを今の宇宙(インフレーションで伸長する宇宙スケールの座標軸)で測れば、約464億光年(ミンコフスキー空間における計算上での全宇宙規模の膨張を考慮した絶対時間/ct=光速×時間 )は138億光年ではなかった?/138億年前の光が更に昔になる!?東京大学大学院理学系研究科天文学専攻教授・戸谷 友則http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56603

・・・関連参照/膨張宇宙モデルにおけるスケール因子が非線形波動に及ぼす影響について/津田谷 公利 弘前大学, 理工学研究科, 教授(科研)https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K03351/

ところで、一般相対性理論の時空と重力が融合した演繹的な描像は、たしかにその一部がリアル観測で科学的に検証されてはいるものの未だまだそれがファンタジーであるかもということが全否定された訳ではないようだ。            

(関連参照)→森田邦久編著「<現在>という謎 - 時間の空間化批判」(勁草書房)・・・[内容紹介]自然科学における時間は、私たちが感じる「ありありとした現在」を否定し、結果的に哲学者には時間を「空間化」しているように映る。時間や現在に対するそうした捉え方の違いはどこにあるのか。好評を博したシンポジウム「『現在』という謎」を軸に、物理学と哲学それぞれの立場からのコメントと応答も盛り込む、唯一無二の時間論集。/https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0902358

<注>「特殊相対性理論一般相対性理論」について
特殊相対性理論は、操作的な実験観測である「マクスウェル電磁気理論の対称性に依拠した、アインシュタインの『光の交信による現在”時間”』の測定(1905)」に基づく理論なので、「光の速さに近づくと時間が遅れる(速さは光速を超えることができない)」ことは、科学的事実として無視できない。一方、「リーマン幾何(測地線の方程式)+(古典)力学+重力重力場のアインシュタイン方程式)」に基づく一般相対性理論(発表/1915~1916)は演繹的な理論なのでそれが科学的事実であることを確定するため様々な観測が続けられている

(関連参照↓◆)。

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アインシュタインはどこまで正しい? 検証が進む相対性理論/真貝寿明(大阪工業大学情報科学部教授)https://www.oit.ac.jp/is/shinkai/nishinomiya/2020nishinomiya.pdfhttps://www.oit.ac.jp/is/shinkai/nishinomiya/2020nishinomiya.pdf

(たとえ時空が“幻想”だとしても、やはりヒトはその奇跡の一回性に生きる意義がある)

[第2章 カンタン・メイヤスー『祖先以前性』と、そのための『数学の役割』]でもふれたが、「生命あるヒトの意識のブラウジングのユニークさ」とは、生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが、1909年に提唱した「環世界説」(正確に言えば、個々の生き物は夫々の個性的な環世界で生きている可能性が高いので、我われもヒトの意識の環世界に生きているだけなのかもしれな

しかしながら、おそらく「この広大な宇宙の片隅にある、とてもちっぽけな?(そう言えるのか?/w)銀河系、つまり太陽系が属すこの「天の川銀河」の中の地球においてつまり「ほぼ同じ時空にいる!」という“幻想、ファンタジー”の環世界の中でほぼ同様に作動し共感し合えるブラウジング意識(マルチモーダル・ブラウジング効果)を共有しつつ日常を生きる我われヒトおよび全ての地球型生命の存在は、それだけでも奇跡的なことだと言うべきかもしれない

それは、このようなヒトの生命(ほぼ同様に作動しその気さえあれば、いつでも直ぐ共感し合える意識)の在り方が言い換えれば「この広大な(おそらく哲学的にも数学論的にも無限と見るべき)ミンコフスキー空間の時空宇宙空間において、“ほぼ同じ時空でのブラウジング意識”を同時に共有する生命の在り方」が普遍性を持てる“場”時空の差異による意識の混乱の影響を受けず奇跡の一回性の日常を送れる”場”は、おそらく銀河系内に限られる、と思われるからだ。つまり、地球型生命の存在そのものが奇跡と言えるかもしれないのだ

◆[関連情報]ペンローズの“忘れられた考案”が超ひも理論と結びついて新展開/日経サイエンス2010年8月号 https://www.nikkei-science.com/?p=16197 ・・・以下、関連部分の転載・・・

<注>ロジャー・ペンローズ(Sir Roger Penrose/1931‐  )・・・イギリス・エセックスコルチェスター生まれの天才的な数学者、宇宙物理学者、理論物理学者。

・・・ 物理学者・数学者として名高い英オックスフォード大学のペンローズは、1960年代後半に物理学の統一理論を打ち立てるための斬新な方法を考えついた。空間と時間のなかで粒子がどう運動し相互作用するかを説明しようとするのではなく、空間と時間そのものが、もっと深いレベルの実在から生まれてくる派生的なものなのだと、ペンローズは提唱した。だが、この「ツイスター理論」が広まることはなく、数少ない支持者も概念的な問題で身動きが取れなくなった。他の多くの統一理論の試みと同様、ツイスターは見捨てられた

・・・その数カ月後ウィッテン(E. Witten/超弦理論を提唱した理論物理学者)はツイスター理論とひも理論を結びつけた97ページに及ぶ論文を発表してツイスターを復活させひも理論を厳しく批判する人々にも強い印象を与えたこれをきっかけに、理論家たちは空間と時間とは何かを考え直している。そうした研究から、通常の素粒子物理学では非常に難しい問題を簡単に解く計算手法がすでに生まれた。「人生でこれほど物理学にワクワクしたことはない」というのは、この新分野に集中するためハーバード大学からプリンストン高等研究所に最近移ったひも理論研究者のアルカーニ=ハメッド(Nima Arkani-Hamed)だ。「世界で15人ほどのグループが日夜研究を続けており,この分野はいま猛烈なスピードで進展している」(画像↓『ツイスター理論の可視化(を試みたもの)』は、https://bit.ly/3Jm6svp より転載)。

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・・・ペンローズのもともとの狙いは、量子力学の原理を空間と時間にどのように適用するかを再検討することだった従来の考え方では極微の量子スケールでは時空の幾何構造が揺らぎ、事象どうしの関係が変わってくる。だとすると、ある事象を引き起こしたはずの事象がもはや原因ではなくなるなど、タイムトラベル物語に出てくるようなパラドックスが生じる。これに対しツイスター理論では因果の順序が第一の基本で、揺らぐことはない因果関係が揺らぐのではなく、事象が起こった場所と時間が揺らぐ

・・・[素粒子物理にも恩恵空間と時間をうまく再構築できるかどうかは別としてもツイスター理論とひも理論はすでに素粒子物理学者たちから大いに慕われている。単純な粒子衝突を記述する場合でも、何万もの項を含む一連の方程式が必要で、それらの項はかの物理学者ファインマン(Richard Feynman)が1940年代に考案した方法に基づいて書かれている。ほとんどすべての項は最終的には相殺されて消えるのだがどれが消えるかを前もって知ることはできないので、すべての項をゴリゴリ計算しなくてはならない

・・・これに対しツイスター理論とひも理論にヒントを得た新方法は、ファインマンの方法が考慮していなかった「対称性」に着目し計算の重荷となる項を最初から減らす。かつて数学の天才たちもお手上げだった計算が、たったの2~3週間で可能だ。「ファインマンがこれを見たら大喜びするに違いない」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のバーン(Zvi Bern)はいう。

・・・いま生まれつつある時空の新理論は仮説の段階だし、数学的に非常に難解なので、直接関係している物理学者たちでさえ進展状況を追いきれていないと認める。時空が派生構造にすぎないとしたら、それにもかかわらず私たちにこれほど現実的(リアル日常での意味!)に見えるのはなぜなのだろうか。理論家たちはまだ説明できていない。

(補足情報1)

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◆ 「自然を通底する重力とプランク定数ℎ」と「超ミクロのドブロイ波長・円運動・粒子質量」、「超マクロ暗黒物質」の連結は面白い。が、更に言えば「"対等共食"人類史の視座でもあるオミクス生命論(リアリズム倫理(Fiduciary)が必然となる!)」へ誘導するヒントも欲しい! →クエスチョン/ミクロ世界と宇宙の関係を考える 暗黒物質に挑む 人類史の視点から 東大入試問題から120朝日 https://www.asahi.com/articles/DA3S14769616.html https://toxandoria.hatenadiary.jp/entry/2021/02/02/022035

(補足情報2)トポロジー位相幾何学)世界の拡がり/超弦理論、極小曲面、クラインの壺、結び目理論、n次元超球体

超弦理論とは?・・・点粒子だと思われている素粒子が実はひもであるという仮説に基づく理論であり、時空構造など、大それた予言ができる可能性がある!/『超弦理論の魅力』京都大学基礎物理学研究所/杉本茂樹(京都大学・ 基礎物理学研究所教授)http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~shigeki.sugimoto/YITP50.pdf(↓超弦理論との関連から、数理物理フィールドで注目を浴びているカラビ・ヤウ多様体空間、イメージ画像のサンプルはウイキより)

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◆二次関数/極小曲面(石鹸膜の数学的抽象化):三次元空間で観察される二次元イメージ(特殊な事例/石鹸幕)https://www.math.kyushu-u.ac.jp/Ext-Course/Open-Lect/zi_liao_files/koiso2011.pdfhttps://www.math.kyushu-u.ac.jp/Ext-Course/Open-Lect/zi_liao_files/koiso2011.pdf            ・・・自然界で観察(実験を含む)される物理法則の多くは,「なんらかのエネルギーが最小または極小となる状態」として表現することができる。これを「変分原理」と呼び、このような最小値や極小値に関する問題を「変分問題」と呼ぶ。変分問題は、数学の理論としても、また自然現象を記述し解明する方法としても重要であり、物理学、工学その他さまざまな分野へも応用されている。

・・・極小曲面は、古典的な三次元ユークリッド空間 R3 内の立体の境界として得られる曲面である。例えば、球体の境界としての球面はそのようなものの例になっている。ユークリッド平面(二次元平面)の円周が三次元球体の表面(三次元球面)であるのと同じことで、三次元球面は四次元球体の表面、四次元球面は五次元球体の表面…ということになり、「n次元超球体の表面=(n-1)次元表面」の関係となる。

・・・このような入子構造の関係は、立方体・錐体・直方体・正多面体など無数に存在することになるが、各n次元多面体と二次元平面との関係、および半径rの場合の各表面積ないしは体積などは数学的に表現できる。また、このことから空間そのものも多次元の入子構造(あるいは結び目による結びつきの構造)、つまり結び目理論で無限に拡がっていることが推測される。

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・・・

クラインの壺とは?https://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A3%BA-56201

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クラインの壺の画像↑はウイキより

 

・・・

◆数学上の「結び目理論」の科学への応用-プリオン分子モデルとこころのモデルを中心として-河内明夫・名誉教授(大阪市立大学大学院理学研究科/<注>著名な結び目理論の研究家)]・・・数学の結び目理論とは「 結び目、 絡み目、 又は空間グラフ」について“モノとしては同じだが、 配置が異なる場合のその差異を数学を使って研究する学問”である。https://mathsoc.jp/publication/tushin/1404/1404kawauchi.pdf 

 

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(補足情報3)“当記事”全体に関わる補足

◆「高橋亀吉の眼差し=ヒト(日常の多様性でこそ生きられる)のための経済、およびロイ・ハロッド(シュンペーターに先行する経済動学化の祖)&ケインズ重視」との理解は慧眼
・・・(注)高橋亀吉(1891 – 1977/経済評論家・経済史研究者、石橋湛山と並ぶ日本の民間エコノミストの草分け的存在。元・東洋経済新報社編集長など歴任。https://kotobank.jp/word/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E4%BA%80%E5%90%89-92705

・・・例えば、ミルトン.フリードマンの市場原理主義(非ユークリッド重力理論の援用)も、or 流行りのAIディープラーニングと雖も、その実態は殆どが「高次元数学空間」の写像であり(但し、AIディープラーニング≠数学、である!)、それは「リアル自然&ヒトの日常」とは異次元!又、人間の思考と断絶するディープラーニングが人間社会&自然の多様性と対極の閉鎖性(分断・排他・差別別主義)の罠に落ち易い性向を持つ危険性のあることがAI研究者自身により自覚されつつある(Ex.↓★)。

アルゴリズムデータサイエンス機械学習ディープラーニングの限界、POSTD https://postd.cc/the-limitations-of-deep-learning/

★[深層計算(多層計算)の“ブラックボックス”問題]・・・深層計算ではベイズ統計の帰納論理(多層機械処理の不分明さ)だけでなく、「そもそも所定の母集団の概念がなく、得られたデータから確率を何回も更新する」が思想ベースとなっていることも当問題の一因!・・・に関するエトセトラ、https://toxandoria.hatenablog.com/entry/2019/09/02/125003

・・・故に、同じ経済動学の手法であるとしても、例えば宇沢弘文「不均衡動学」の如く、「経済成長=リーマン幾何学的な多次元空間における巡航速度(必須のベクトル成分)と理解しつつも、同時に、特に日本政府は、格差の是正&抑制への真剣な努力で、それが実際に「日常でリアルに生きるヒト」のため役立つよう、つまり、「Fiduciaryリアリズム倫理」(ベースは社会的共通資本を最重視することで、たとえば非ユークリッド(リーマン)曲面における接成分0の“曲線”あるいは曲面の測地的曲率ら、3次元空間で生活する一般の人々には中々実感し難い「抽象論理の成果」(or AI機械高度生産性)を、いわば我われが日常的に理解しやすい「“ユークリッド直線”(測地線)等に相当するリアル分配所得(生命論的、つまりエネルギー通貨的な経済価値)」へ読み替え翻訳できるようにする具体策(ベーシックインカムはそのための基本である!)へ取り組むことで経済学あるいはAIディープラーニング(膨大な数の高次元関数が連鎖する深層学習による特徴点の算出)など先端科学技術の成果を普通一般の人々が日々の幸福のため本格的に、かつ安心して日々に利用できるような方向へ大急ぎで社会的選択(政治経済)の軌道修正を図るべきである。 → 複雑経済の見方、先人(高橋亀吉)に学ぶ2.13日本経済新聞


・・・

宇沢弘文『社会的共通資本』についての補足

<注>(1)「不均衡動学の内容」および(2)「社会的共通資本と不均衡動学の関係」については、下記◆を参照乞う。

宇沢弘文「経済学の考え方」-岩波新書-(1)

◆大塚信一「宇沢弘文のメッセージ」-集英社新書-(1)

◆「環境」を分析できる理論に挑み続けた経済学者の遺言=佐々木実 2020年2月24エコノミスト https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200303/se1/00m/020/044000c (1)

市場原理主義ミルトン・フリードマンら)の天敵!宇沢論文「不均衡動学」の理論 https://toxandoria.hatenadiary.jp/entry/2021/02/02/022035 (1)

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宇沢弘文、傑作論文全ファイル-東洋経済新報社-(2)

宇沢弘文「経済動学の理論」:1986 -東大出版会-(2)

宇沢弘文著作習5「経済動学の理論」-岩波書店-(2)

・・・以上は、下記★より、部分転載/なお、『社会的共通資本』と一体、いわばそれと表裏の関係にあると見るべき宇沢弘文『不均衡動学』(動学経済理論)の委細については、同じく下記記事★を参照乞う。・・・

★日常を凝視するスウェーデンモデルへの宇沢弘文の貢献とFiduciary(リアリズム倫理)に無知なスガ「Kook権力」の玩具と化し不幸のどん底に嵌る日本国民!https://toxandoria.hatenadiary.jp/entry/2021/02/02/022035

宇沢弘文は、次のように説明している。まず概念的には、以下の三つに纏めることができるが、数学と言語は、「(3) 制度資本 : 教育,医療,金融,司法,文化」のカテゴリーに入る。

ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置.

社会全体にとっての共通の財産であり、それぞれの社会的共通資本にかかわる職業的専門化集団により、専門的知見と職業的倫理観にもとづき管理、運営される.

一人一人の人間的尊厳を守り,魂の自立を保ち,市民的自由を最大限に確保できるような社会を志向し,真の意味におけるリベラリズムの理念を具現化する.

具体的には、以下のように類型化できる。

(1) 自然環境 : 山,森林,川,湖沼,湿地帯,海洋,水,土壌,大気

(2) 社会的インフラストラクチャー : 道路,橋,鉄道,上・下水道,電力・ガス

(3) 制度資本 : 教育,医療,金融,司法,文化

・ この分類は必ずしも網羅的ではなく排他的でもないあくまで社会的共通資本の意味を明確にするための類型化である

・ それぞれの社会的共通資本にかかわる職業的専門化集団により、専門的知見と職業的倫理観(フィデューシャリー(fiduciary))にもとづき管理、運営される。

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◆【マックステグマーク『数学的な宇宙』と共鳴するペンローズの数学についての考え方

・・・(関連参照→第4章:「『原因の空間』と『理由の空間』の役割分担」なる覚醒の重要性)・・・

・・・「数学・物理学・ヒトの心」の共通原理の解明に挑むR.ペンローズの「数学」についての考え方(出典:R.ペンローズ『心は量子で語れるか』‐講談社‐/ペンローズの画像はウイキより・・・

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・・・当画像は、http://archive.boston.com/bostonglobe/ideas/brainiac/2011/06/plato_applied_m.html
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「数学・物理学・ヒトの心」の共通原理の解明に挑むR.ペンローズに因れば、これは一般的な常識には反することのように思われるが、最も厳密な科学である抽象的な「数学」(それは生きたヒトの脳内で無限に創生され得る!)は、如何に高度AI化・大容量化したコンピュータ上でもプログラム(化)が不可能であり、このことはゲーデル不完全性定理の変形で証明される

因みに、巨大量子メモリを持つスケーラブル量子コンピュータ(scalable quantum computer)を夢見る研究者の多くにとって(Cf.↓★)、目下のところ、波動関数(現在では量子論における状態(より正確には純粋状態)を表す複素数値関数を指す)は言わば量子情報(様々な物理量の確率分布の束)そのもののようだ(出典⇒https://bit.ly/3JJg830)。

しかも、R.ペンローズ『心は量子で語れるか』(講談社)は、量子論・数学論の立場からヒトの思考や意識の特色を探り、それらを前提に「物質から精神が生じるさま」の説明を試みるペンローズは意識の生ずる場所として生体中の微小管(microtubule)をその候補に挙げている(参照/↓注:生体中の微小管(microtubule))。しかし、それに止まらず量子力学を用いて説明できる現象が我われの周囲に偏在していると主張している。

要は、数学と量子力学の重要な意義と役割は我われが生きる日常生活の至る処に偏在しており、決して一般に広く信じられているような意味に留まるものではなくましてやそれがスケーラブル量子コンピュータ/Cf.↓★」計算の専従ツールなどに特化すべきものではない!ということだ。換言すれば、それは[…市場原理主義→『原因・理由の両空間』→AI‐DLコンピュータ→市場原理主義…]という、主従関係“固定化”なる<ヒトの傲慢>は決して許されるべきではない!ということである。

量子力学の原理で動くコンピューターを使って、難問を解決する社会(?/補、toxandoria)/量子コンピューター実現の鍵はスケーラビリティの確立:デジタル・イノベーション本部・柴垣和広(三菱総合研究所)、https://www.mri.co.jp/50th/columns/quantum/no02/

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(注)生体中の微小管(microtubule)・・ 微小管は真核生物における主要な細胞骨格の一つ。チューブリン(分子量約5万のα-チューブリンとβ-チューブリンがあり、これらが1個ずつ結合したチューブリンダイマー(d-ダイマー/血管損傷からの止血作用として形成されるフィブリン血栓から派生する作用/なお、ダイマーは化学分子構造的にサブユニットがカップリングしたものであり、3‐ダイマー、4-ダイマーも存在する)が直線上に重合し微小管のプロトフィラメントを構成する)のヘテロダイマーを基本構成単位とする中空の円筒状線維で、外径は約25 nm。重合と脱重合を繰り返す非常に動的な構造物で、細胞の形態維持や変化、細胞分裂、細胞内物質輸送、鞭毛や繊毛の運動等の多様な細胞機能に重要な役割を果たしている。さまざまなタンパク質と結合したり、翻訳後修飾を受けたりすることにより、その構造や動態が調節され、多様な機能を発揮する(当microtubuleの画像は、 https://dev.biologists.org/content/144/17/3012?rss=1 より/出典 ⇒ https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%BE%AE%E5%B0%8F%E7%AE%A1)。

(注2) 1nm(ナノメートル)=10の(-9乗)m、10憶分の1メートル=“1/1千万”ミリm

                     (完)